【コラム】株式短期売買楽しむ韓国の友人たち
株式短期売買は新聞だけで確認できる現象でない。筆者の周辺にも最近短期売買にはまったと打ち明ける知人がいる。
前学期に筆者が担当した授業では自身の短期売買経験について発表した学生もいた。その学生は冗談めかして「金を稼いでみようと粘り強く努力したが、間違った決定をし続けて株式を買い間違えた」と説明した。例えば新型コロナウイルス出現直前に買った航空会社の株式がウイルス流行後に急落した。その学生は笑って「株式は私に合わないようだ」と結論を出した。
また別の知人の事例はソウルに住む40代の友人だ。最近株式投資にどんどん関心が出てきて熱狂的にはまった。新型コロナウイルスで勤務環境が変わって余裕時間ができ、その時間に株式売買に専念するということだ。友人は独学で株式について相当な知識を蓄え、ますます短期売買に熟練しながら緊張を感じるという。彼は短期売買がとても興味深く、さらに中毒的な面もあると説明した。米国株式取引にも手を出したが時差のためにとてもしんどくて断念したという。その友人はまた、テスラやビットコインに投資していないことをとても後悔している。今月韓国での仮想通貨取引者数が2番目に大きく増えた。韓国の2大仮想通貨アプリ利用者数は3カ月で3倍に増加した。最近は地下鉄や食堂で携帯電話を見ながら株式市場の動向をチェックしている人の姿は珍しい風景ではない。
もちろんこうした傾向は昨年から世界的に起きている現象だ。ところが韓国は他の国に比べその水準が激しいようだ。なぜそうなのか。仮想通貨の場合、国境がない投資という事実のため韓国が北朝鮮の隣に位置するという特殊なリスクを相殺させる。また、韓国人は電子小額決済にほとんど不安を感じない。オンライン決済に極めて慎重なフランス人と異なり、韓国人はかなり以前から小額決済システムを使ってきた。そして韓国人は一般的に新技術や流行に素早く適応するアーリーアダプターの傾向がある。
アーリーアダプターについて話してみよう。株式投資で1万3000ドルを稼いだという12歳の韓国人少年に関する記事を読んだ。この少年の夢はウォーレン・バフェットのような投資家になることだという。その記事で少年の母親は息子に「あえて大学学位が必要なのか疑問」という発言もした。いまや多くの人が株式売買を成功に向けたひとつの方法とみている。
最上位圏大学に進学できない若者に株式短期売買は新たな希望を産む。経済はすでに新型コロナウイルスの打撃を受け、青年失業率は10%に達し、不動産相場は下落する兆しがない状況で、就業や結婚をあきらめる若者が増加し続けている。まだ30歳にもならない青年たちがためらうことなく資金を借りて株式に投資する。
2007年に当時のサルコジ仏大統領は「もっと働いてさらに稼ごう」というスローガンを掲げた。厳しい経済的環境に置かれた現代の韓国人にこうした発想はこれといった訴求力を発揮できないようだ。現在の韓国の風潮を描写するなら「もっと売買してもっと稼ごう」程度ではないだろうか。
率直に打ち明けるなら、筆者はまだ株式短期売買をしたことがない。生まれつきの性格的に危機を嫌う性向のせいのようだ。また、筆者はすでにスクリーンを見るのにとても多くの時間を過ごしているため、短期売買をする場合あとどれだけ多くの時間をスクリーンに注ぐことになるのか恐ろしい。もちろん周囲で新たな流行が広がれば好奇心が起きることはあった。簡単に金を稼げる機会を逃しているのはでないかという気もする。
しかしこの辺りでギャンブル中毒に警戒しなければならない。ロイター通信はギャンブル中毒を訴える短期売買者の数が昨年3倍に増加したと報道した。最近株式にはまった筆者の友人もこうした危険を感知しているが、こうした危機意識が株式売買を抑制するところまでは至っていない。以前に筆者はフランスメディアの特派員として活動していた時に韓国のコンピュータ中毒クリニックを訪問したことがある。当時韓国政府は午前0時以降にオンラインゲームの利用を禁じる「シャットダウン制」を制定した。シャットダウン制は未成年者を規制する方法だった。しかしこれからは株式短期売買にはまった成人を規制するための法案が必要になったりはしないだろうか。
エバ・ジョーン/韓国フランス学校司書
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