「今年のヒーロー（主役）の『ネオＱＬＥＤテレビ』を中心に１６年連続世界１位を達成したい」。

サムスン電子が３日にソウル・瑞草区（ソチョグ）にある大型店舗「サムスン・デライト」でネオＱＬＥＤテレビ体験イベントを行った。ネオＱＬＥＤテレビは２００６年から世界のテレビ市場で１位の座を守っているサムスンの今年の「守城カード」だ。

ネオＱＬＥＤテレビについてサムスン電子は、「既存のＱＬＥＤテレビから一段階進化した超プレミアム製品」と説明する。２つのテレビともバックライトユニットに発光ダイオード（ＬＥＤ）を使う液晶テレビだ。ネオＱＬＥＤは既存のＬＥＤ素子より４０分の１ほど小さい「クォンタムミニＬＥＤ」を使っており、「ミニＬＥＤテレビ」に分類される。サムスン電子は「１００～２００マイクロメートルにすぎないＬＥＤ素子を同じ面積にはるかに細かく配置して光源に使っただけに画面が鮮明で明るい」と説明した。クォンタムミニＬＥＤの明るさを４０９６段階（１２ビット）で調整し色表現が精巧なのも特徴だ。


ミニＬＥＤテレビは次世代ディスプレー技術に挙げられる。サムスン電子のほかにもＬＧエレクトロニクス、日本のソニー、中国のＴＣＬ、ハイセンス、シャオミなどがミニＬＥＤ　テレビ市場に参入した。市場調査会社のオムディアは今年のミニＬＥＤテレビ販売台数を３００万台と予測した。新技術であるだけにまだ確実な先頭走者はいない。サムスン電子はネオＱＬＥＤでミニＬＥＤテレビ市場を席巻する布石にしたい考えだ。

サムスン電子はこの日、比較体験を通じてネオＱＬＥＤの画質の優秀性を紹介した。他社の有機ＥＬテレビとネオＱＬＥＤテレビを並べて同じ映像を見せ、「競合企業の製品に比べネオＱＬＥＤはコントラスト比と輝度の表現が優れており３次元のように表現される」と強調した。また、プレイステーション５でゲームを実行した後、「他社のテレビモニターでは黒い背景で黒いものが動く姿がはっきりと区別できなかったが、ネオＱＬＥＤでは鮮明に現れる」とした。ただ比較対象についてサムスン電子関係者は「ＬＧエレクトロニクス製品ではない」とした。デザインでは枠（ベゼル）を減らしたのが目立つ。８Ｋ最上位モデルにはベゼルがほとんどないフルスクリーンを実現した。価格は８Ｋ解像度基準で８５インチは１３８０万～１９３０万ウォン、７５インチは８８９万～１３８０万ウォン、６５インチは５８９万ウォンだ。４Ｋ解像度は５０～８５インチ製品が２２９万～９５９万ウォンだ。韓国ではこの日から販売を始めた。

サムスン電子はこの日ネオＱＬＥＤを含め９９インチのマイクロＬＥＤテレビ、消費者の個性と芸術的嗜好を反映した「ザ・フレーム」「ザ・セリフ」「ザ・セロ」などの新製品ライフスタイルテレビを公開した。サムスン電子のハン・ジョンヒ映像ディスプレー事業部長（社長）は「今年もテレビの価値を新たに創出し、親環境・接近性を持続的に強化し「スクリーン・フォー・オール（みんなのためのスクリーン）というビジョンを実現していく」と述べた。

ＬＧエレクトロニクスは早ければ来月にミニＬＥＤを採用した「ＱＮＥＤテレビ」を発売する。ＱＮＥＤテレビもやはりバックライトにミニＬＥＤを細かく配置して明るさとコントラスト比をアップグレードした。８６インチ８Ｋ解像度製品基準で約３万個のミニＬＥＤが使われた。コントラスト比を左右するローカルディミング区域数は約２５００個に達する。