◆中国牽制に22億ドル
特に中国牽制はトランプ政権に続いてバイデン政権でも最優先の懸案と見なされている。実際、米議会は昨年12月に「国防権限法」を通過させながら「太平洋抑止構想(Pacific Deterrence Initiative=PDI)」という名目で、中国牽制のために22億ドル(2兆4300億ウォン)の予算を追加編成した。この予算は太平洋地域内の中国に対する米国と同盟国の軍事的優位を確保するために用意されたものだ。したがってこの予算は同盟国との軍事訓練強化、ミサイル防衛システム増強および飛行場・港施設拡充などに使われる。
ここで目を向けるべきことは、PDIを我々の国防力強化に活用できるという点だ。米国が同盟国の信頼を得るために予算を投入するだけに、国内の米軍施設拡充、先端武器の開発などへの支援を得る道が開かれたということだ。実際、国防権限法には日本と長距離対艦巡航ミサイルを共同開発する内容も含まれている。日本としては、米国の支援の下、最先端巡航ミサイルを確保できることになったのだ。
一方、韓国はこうした絶好の機会を十分に利用できないだろう。この予算は同盟国との軍事訓練強化にも使われる。しかし昨年からキー・リゾルブ、乙支(ウルチ)フリーダムガーディアンなど大規模な韓米野外訓練が中断したため、韓国軍と米軍が共に呼吸して韓米同盟の防衛力を強化する機会がなくなった。現政権は北朝鮮と中国を意識し、中断した連合訓練を復活させることをためらっている。
◆「アジア核計画グループの創設を」
このように米国の東アジア政策の重心が北朝鮮の核問題解決から中国封じ込めに移動する中、最近注目すべき声が出ている。米シカゴ国際問題研究所(CCGA)の主管の下、各国の元高官16人で構成された外交・安全保障TFチームが1年間の討議の末、今月11日に「アジア核計画グループ(ANPG)」創設という対応策を出した。TFチームは北朝鮮の核の脅威に対抗するためには米国とアジアの同盟国が向き合って具体的な核運用政策を議論できるシステムが必要だと主張する。TFチームが提示したANPGは、冷戦中の1960年代に米国をはじめとする北大西洋条約機構(NATO)加盟国で構成された「核計画グループ(NPG)」をモデルにしている。NPGは欧州に配備された戦術核をどう運用するかについて、米国とNATO同盟国が協議するよう創設された機構だ。したがってアジア版NPGが創設されれば、韓国、日本、フィリピン、オーストラリアなど米国の同盟国も、太平洋の深海を動く核搭載潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)と今後配備の可能性がある中・短距離核ミサイル、そして有事の際に米本土から空輸する戦術核などの運用議論に参加することになる。この場合、北朝鮮の核の脅威に露出した同盟国としては「米国の核の傘は本当に作動するのか」という不安感から抜け出すことができる。
しかし韓国の場合、文在寅(ムン・ジェイン)政権がこうしたANPG創設案を快く受け入れないとみられる。ロバート・アインホーン元米国務省特別顧問は「中国を刺激するのは明らかであり、文政権は敬遠するだろう」と予想した。
【コラム】北朝鮮・中国を意識して国防力強化の機会を失う韓国(1)
特に中国牽制はトランプ政権に続いてバイデン政権でも最優先の懸案と見なされている。実際、米議会は昨年12月に「国防権限法」を通過させながら「太平洋抑止構想(Pacific Deterrence Initiative=PDI)」という名目で、中国牽制のために22億ドル(2兆4300億ウォン)の予算を追加編成した。この予算は太平洋地域内の中国に対する米国と同盟国の軍事的優位を確保するために用意されたものだ。したがってこの予算は同盟国との軍事訓練強化、ミサイル防衛システム増強および飛行場・港施設拡充などに使われる。
ここで目を向けるべきことは、PDIを我々の国防力強化に活用できるという点だ。米国が同盟国の信頼を得るために予算を投入するだけに、国内の米軍施設拡充、先端武器の開発などへの支援を得る道が開かれたということだ。実際、国防権限法には日本と長距離対艦巡航ミサイルを共同開発する内容も含まれている。日本としては、米国の支援の下、最先端巡航ミサイルを確保できることになったのだ。
一方、韓国はこうした絶好の機会を十分に利用できないだろう。この予算は同盟国との軍事訓練強化にも使われる。しかし昨年からキー・リゾルブ、乙支(ウルチ)フリーダムガーディアンなど大規模な韓米野外訓練が中断したため、韓国軍と米軍が共に呼吸して韓米同盟の防衛力を強化する機会がなくなった。現政権は北朝鮮と中国を意識し、中断した連合訓練を復活させることをためらっている。
◆「アジア核計画グループの創設を」
このように米国の東アジア政策の重心が北朝鮮の核問題解決から中国封じ込めに移動する中、最近注目すべき声が出ている。米シカゴ国際問題研究所(CCGA)の主管の下、各国の元高官16人で構成された外交・安全保障TFチームが1年間の討議の末、今月11日に「アジア核計画グループ(ANPG)」創設という対応策を出した。TFチームは北朝鮮の核の脅威に対抗するためには米国とアジアの同盟国が向き合って具体的な核運用政策を議論できるシステムが必要だと主張する。TFチームが提示したANPGは、冷戦中の1960年代に米国をはじめとする北大西洋条約機構(NATO)加盟国で構成された「核計画グループ(NPG)」をモデルにしている。NPGは欧州に配備された戦術核をどう運用するかについて、米国とNATO同盟国が協議するよう創設された機構だ。したがってアジア版NPGが創設されれば、韓国、日本、フィリピン、オーストラリアなど米国の同盟国も、太平洋の深海を動く核搭載潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)と今後配備の可能性がある中・短距離核ミサイル、そして有事の際に米本土から空輸する戦術核などの運用議論に参加することになる。この場合、北朝鮮の核の脅威に露出した同盟国としては「米国の核の傘は本当に作動するのか」という不安感から抜け出すことができる。
しかし韓国の場合、文在寅(ムン・ジェイン)政権がこうしたANPG創設案を快く受け入れないとみられる。ロバート・アインホーン元米国務省特別顧問は「中国を刺激するのは明らかであり、文政権は敬遠するだろう」と予想した。
【コラム】北朝鮮・中国を意識して国防力強化の機会を失う韓国(1)
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