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「文氏は大統領か国王か」…21世紀の韓国で時ならぬ「王」論争(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が2017年5月10日、国会本庁で開かれた就任式で宣誓をする様子。中央フォト

今日、韓国が採択している大統領制の始まりは米国だ。韓国の憲法が議院内閣制の要素を混合した形という点で、米国の大統領制とはさまざまな点で違いはあるが、大統領が国家元首の役割を受け持っているという点では同じだ。

1787年フィラデルフィア憲法制定会議で大統領制の軸が作られる時、米国の「建国の父(Founding Fathers)」が君主制を排斥したのは、権力が集中した王を作り出せば弊害が大きいという判断のためだった。執行者という意味が大きい「Governor」の代わりに、会議の主宰者という意味を持つ「President」を大統領を意味する名称として使ったのも、権力分散に傍点を置いたという意味だ。民主的手続きによって選出され、世襲はされず、立法府と司法府によって牽制(けんせい)を受けるというのはあえて言及する必要もない。

そのような歴史的根源があるにもかかわらず、最近韓国政界では文在寅(ムン・ジェイン)大統領をめぐり時ならぬ「王」論争が繰り広げられている。野党圏を中心に「青瓦台(チョンワデ、大統領府)と民主党が文大統領を王のように持ち上げている」という批判が提起されてだ。


新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)事態がある程度安定傾向に入れば全国民に慰労金支給を検討するという文大統領の19日の発言が伝えられた後、野党圏の発言程度はさらに高まった。

野党「国民の力」の朱豪英(チュ・ホヨン)院内代表は21日、フェイスブックを通じて慰労金検討発言を取り上げて「文大統領は執権4年で『王』になってしまった」とし「朝鮮の王ですら民に国の金をこのように気前よく分けることはできなかった」と指摘した。

同じ党の尹喜淑(ユン・ヒスク)議員もこれに先立つ20日、フェイスブックに「今の政府は国民に少しの間委任された権力を完全に自分たちのものだと考えているようだ」としながら「青瓦台は選挙の時節になると国民の気分を良くするためにお金をばらまく約束を突然するところをみると、本人が絶対権力を持っていると考えているようだ」と記した。そして「このように気が赴くままするのは、朝鮮時代の王も王室のお金である内帑金(ないどきん)でしかできないことだ」と突いた。内帑は国王の個人財産を管理した部署で、内帑金は国王の私財を意味する。

申ヒョン秀(シン・ヒョンス)青瓦台民情首席秘書官が22日に正常出勤して一段落したものの、今回の論争にも「王」が登場した。4・7ソウル市長補欠選挙に出馬した無所属の琴泰燮(クム・テソプ)議員は19日、フェイスブックに「大統領は王ではない」とし「国民の前で国政について説明し、質問に答える義務がある」と綴った。その後「民情首席秘書官の去就に関連した議論に対しても、青瓦台は『大統領と結びつけないでほしい』という」とし「大統領か、王様か。大統領の責任について話が出てくれば怒っていた朴槿恵(パク・クネ)青瓦台と何が違うのか」と直撃した。


「文氏は大統領か国王か」…21世紀の韓国で時ならぬ「王」論争(2)

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