「共に民主党」の金太年院内代表。オ・ジョンテク記者
代表的なのが「ワクチン危険論」だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨年10月15日、コロナワクチン・治療薬開発現場懇談会で「速度が最も重要だとは考えていない」とし「速度より重要なのが安全性と効能を確保することであり、より安い価格で供給できる能力も特に重要だ」と述べた。2カ月余り経過した昨年12月21日、与党・共に民主党の金太年(キム・テニョン)院内代表は最高委員会議で「安全性を最大限に検証して接種するのが政府の原則」とし「(米国では)ワクチン接種後のアレルギー反応、顔面まひなど各種副作用も報道されている」と話した。
野党を中心に「なぜワクチン接種が遅れているのか」という批判が出てくると、ワクチン接種の副作用を浮き彫りにして対抗したのだ。12月23日には保健福祉部のソン・ヨンレ報道官が「ワクチンを世界で初めて接種する状況はできるだけ避けなければならず、先に接種した国で発生する問題を1、2カ月間観察できるというのは幸い」という説明も出した。
しかしワクチン危険論は数日後に急反転した。昨年12月27日に国会で開かれた政府・与党・青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)協議会で、当時の盧英敏(ノ・ヨンミン)大統領秘書室長は「十分な物量のワクチンを確保した」とし「来年2月には医療スタッフと高齢者を対象に接種が始まるだろう」と述べた。ただ、26日から始まるワクチン接種では65歳以上の高齢者は対象から除外された。
どのワクチンが先に入ってくるかについても混乱があった。安全性に関連するため敏感なイシューだった。文大統領は先月18日の新年記者会見で「ワクチンの最初の接種が2月末または3月初めになるというのは、防疫当局がすでに明らかにしている」とし「現在としてはCOVAX(ファシリティー)の物量が最初に入ってくる可能性がある」と述べた。続いて「その場合、ワクチンが入ってくる時期、接種時期が早くなる可能性もあるという報告を受けている」と話した。専門家らは「国際ワクチン供給機構のCOVAXファシリティーからファイザーのワクチンを最初に導入できることを示唆した発言」と解釈した。
2日後、丁世均(チョン・セギュン)首相はラジオ番組で「(COVAXから)2月初めにワクチンを受けるかという連絡があり、受けると答えて現在準備中」と伝えた。そして11日後の先月31日には中央災難安全対策本部会議で「昨日(30日)COVAXファシリティーを通じて、わが国に供給されるワクチンに関する公式通知があった」とし「早ければ2月中旬にファイザーのワクチン約6万人分が国内に入ってくる」と明らかにした。
しかし疾病管理庁によると、ファイザーのワクチンは早くてもアストラゼネカのワクチン接種後の2月末以降に国内導入されるという。ファイザーのワクチンがアストラゼネカのワクチンより先に接種が始まる可能性があるという文大統領と丁首相の発言は、結果的に事実とは違った。
国民の力のキム・イェリョン報道官は16日、「2月上旬・中旬に入ってくると話していたファイザーのワクチン導入は3月初めに遅れた。ヤンセン、モデルナのワクチンも導入時期を話せない状況」とし「政府はすでにワクチンに関連し、その信頼が崩れたことに気づいているはず」と批判した。
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