2011年5月、中朝国境地域である中国の圏河税関前から北朝鮮に渡るためトラックが通行許可を待っている。[中央フォト]
韓国貿易協会が最近まとめた「KITA北朝鮮貿易」は、北朝鮮と中国間の貿易が2019年の25億1800万ドルから昨年は5億3900万ドルと80.7%急減したと明らかにした。
北朝鮮が昨年12月に中国から輸入した品目は砂糖が326万ドルで96.6%、タイヤが11万ドルで3.3%を占め、対中輸入品の大部分を占めた。貿易協会は「砂糖を除き事実上輸入断絶状態が続いている」とし、砂糖の輸入が増えたのは「2月16日の金正日(キム・ジョンイル)誕生日を控えて子どもに分け与える菓子類生産に向けた一時的なもの」と推定した。
北朝鮮が自ら国境を閉ざし、対北朝鮮制裁によって原材料・副資材貿易が中断されたことで生産支障が現実に現れていると報告書は伝えた。報告書は「最近北朝鮮の代表的な肥料生産施設である南興青年化学連合企業所の肥料工場が輸入部品不足で生産を止めた」とし、現地関係者の話として「新型コロナウイルスと国際社会の対北朝鮮制裁により北朝鮮で独自に解決できない部品の輸入が難しくなり生産に支障が生じている」と説明した。
しかし北朝鮮は「実績で検証を受けよ」として成果を注文している。朝鮮労働党機関紙の労働新聞は13日の論説で「党性、革命性、人民性は事業と生活の契機ごと、工程ごとに具体的に表現される」と催促した。自力更正と愛国心を通じて不足した原料を克服しろという一種の動員令だ。
だが北朝鮮の非核化に進展がなく、新型コロナウイルス防疫により外部から資源が入ってこない状況で成果につなげるには限界があると指摘される。北韓大学院大学校の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は、「北朝鮮が自力更正を通じ難関を克服しようとしているが、外部との交流がなければ自力更正にも限界があるほかない」と話した。
一方、北朝鮮メディアは14日に陽徳(ヤンドク)温泉が再オープンしたとのニュースを伝えた。平安南道(ピョンアンナムド)陽徳郡にある温泉は金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が心血を注いだ北朝鮮の代表的観光施設で、新型コロナウイルスでオープンが遅れていた。労働新聞はこの日「水よりも人が多いようだ」という職員の発言を紹介した。北朝鮮が経済計画履行の手綱を引き締めながらも金委員長の愛民思想を強調し、防疫に対する自信を誇示しようとする次元と解説される。
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