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韓日中バッテリー三国志…速度戦の韓国、物量戦の中国、揺らぐ日本

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

GMのメアリー・バーラCEOとLG化学の辛学チョル(シン・ハクチョル)副会長。両社は2019年12月5日、米ミシガン州GMグローバルテックセンターで電気自動車バッテリー合弁会社の契約を締結した。 写真=LG化学

サムスンSDIのハンガリー工場竣工式に出席した全永鉉(チョン・ヨンヒョン)サムスンSDI社長とハンガリーのオルバーンビクトル首相。サムスンSDIはハンガリー工場を増設している。 写真=サムスンSDI

ジョージア州に建設中のSKバッテリー工場  写真=SKイノベーション

最近、電気自動車とバッテリーは世界的に最もホットな産業群に挙げられている。それだけに競争も激しい。現在、バッテリー産業を主導している国は韓国・日本・中国だ。バッテリー競争が三国志に例えられる理由だ。変化は速い。小型家電が進んでいる日本は電気自動車のバッテリーでも先頭を走っていたが、最近、韓国と中国に追い越された。しかし日本企業のバッテリー業歴は無視できない。中国は強力な内需市場を背に世界市場シェア確保に挑戦中だ。韓国は欧州・米国市場に注力している。韓日中バッテリー三国志の現在と未来を眺めてみよう。

◆韓国、米国・欧州に集中投資

韓国バッテリー企業のキーワードは速度戦、そして欧州と米国だ。特に米国と欧州のバッテリー需要増加に合わせ、現地工場の新設・増設を進めている。韓国企業のうち生産量が最も多いLGエネルギーソリューションは米ミシガン州とポーランド・ヴロツワフなどで120GWh(ギガワット時)規模のバッテリー生産能力を保有している。さらに欧州と米国でそれぞれ工場を増設している。LGエネルギーソリューションは2023年までに260GWhと、バッテリー生産量を倍以上に拡大する方針だ。これとは別に米国ではゼネラルモーターズ(GM)と合弁会社を設立し、30GWh規模のバッテリー生産工場をオハイオ州に建設している。


サムスンSDIも欧州の拠点、ハンガリーのゲッド工場で電気自動車バッテリー生産ラインを増設している。サムスンSDIは具体的な増設計画を公開していないが、市場は増設作業が終わればバッテリー生産量が従来の倍以上に増えるとみている。サムスンSDIは米国工場新設の可能性も開いている。サムスンSDIのソン・ミカエル専務は先月末の業績発表で、「欧州プロジェクトの比率が高く、当分はハンガリー工場を中心に対応する。海外の新規生産拠点についても中長期的に綿密に検討する」と述べた。サムスンSDIが検討する新規生産拠点は米国となる可能性が高いと、市場は予想している。

SKイノベーションは欧州と米国で同時にバッテリー工場を増設・新設している。米ジョージア州で建設中のバッテリー第1・2工場は2022年から順に電気自動車バッテリーを量産する予定だ。これとは別にSKイノベーションは最近、ハンガリーバッテリー第3工場の新設を決めた。1兆2700億ウォン(約1200億円)を投入するハンガリー第3工場は30WGh規模で、2024年の製品量産が目標だ。SKイノベーションの金俊(キム・ジュン)社長は「長期的にバッテリー産業をリードするための投資」と述べた。

◆中国、CATL中心に11兆ウォン投資

中国は今後5年間、世界最高の電気自動車バッテリー市場地位を維持すると予想される。安定的な内需を基盤に中国企業は投資を拡大している。中国1位のCATLは昨年12月、バッテリー生産量拡大のために390億元(約6340億円)を投資すると明らかにした。これとは別に今月初めにもバッテリー工場の増設に290億元を追加で投資すると発表した。中国にバッテリー工場3カ所を新しく建設するという野心に満ちた計画だ。

大規模な投資が成功すれば、2030年ごろにはCATLの電気自動車バッテリー生産量は年間600GWhに増える。CATLのバッテリー市場シェアが今年から急増するという予測も出ている。未来アセット大宇のチン・ヒョンウ研究員は「CATLのバッテリーを搭載した自動車企業の電気自動車モデルが急増するだろう」とし「今年からCATLの電気自動車バッテリー市場シェアも同時に拡大するはず」と話した。

しかし中国バッテリー産業は米中貿易紛争という問題を抱えている。CATLは現在、欧州市場には活発に進出しているが、米国市場を眺めることができない。CATLの最初の海外生産基地、ドイツのバッテリー工場は今年末から量産に入るが、米国市場の高い壁は依然として越えられずにいる。CATLは2019年から米市場進出計画を発表しているが、成果を出せずにいる。韓国バッテリー業界の関係者は「米国と中国の対立で韓国と日本の企業が相対的に利益を得ている」と述べた。

◆日本、バッテリー素材産業が苦戦

ウォークマンなど小型家電で力を見せた日本は、韓日中のうちバッテリー技術力で最も進んでいるという評価を受ける。パナソニックはこうした技術力を生かしてテスラにバッテリーを独占供給し、電気自動車バッテリー市場を主導した。しかし最近は日本企業の独占構造が崩れ、バッテリー市場シェアが減少している。こうした中、日本国内でもバッテリー産業に対する懸念が強まっている。日本経済新聞は最近、「リチウムイオンバッテリー素材市場で中国企業が急浮上し、バッテリー材料のサプライチェーンに変化が生じている」とし「価格競争力が優れた中国製品が市場を牽引し、日本企業主導の市場環境が変わっている」と診断した。

陽極材・陰極材・セパレータなど日本企業が独占してきたバッテリー核心素材を韓国・中国企業が独自開発し、日本バッテリー産業にも影響を及ぼしているという分析だ。実際、ドンバク(SKC)、セパレータ(SK IET)、陽極材・陰極材(ポスコケミカル)など韓国のバッテリー関連産業は急速に成長している。一方、日本のバッテリー素材企業は投資に慎重だ。東レが代表的な例に挙げられる。東レは2022年までにハンガリーのセパレータ工場の生産量を拡大する予定だが、その後の増産計画はない。日本経済新聞は「パナソニックなどは日本の素材企業に依存するため、韓国・中国企業との価格競争で苦戦している」と指摘した。日本企業はバッテリー関連産業の主導権を韓国・中国に奪われれば、日本のバッテリー市場シェア低下が避けられないとみている。



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