ドナルド・トランプ前大統領
上院は9日(現地時間)「トランプ前大統領に対する弾劾審判が憲法に合致するのか」をめぐって表決した結果、賛成56人、反対44人で合憲だと決めた。民主党上院議員全員(50人)が賛成し、共和党上院議員6人が加勢した。2週間前より民主党に同調する共和党議員が1人増えた。
この日、上院はトランプ前大統領に対する弾劾審判を始めながら退任した前職大統領も弾劾審判の対象になることができるかをめぐって激しい攻防を繰り広げた。
トランプ氏の弁護団は前職大統領に対する弾劾審判は違憲であるから弾劾訴追案は直ちに棄却されるべきだと主張した。大統領弾劾訴追制度は在任中に過ちを犯した大統領を職務から排除するためのもので、すでに退いたトランプ前大統領は審判の対象になることはできないという論理を展開した。
反面、弾劾審判で検事の役割を果たす下院弾劾訴追委員はトランプ前大統領が在任期間中に犯した行為であるだけに弾劾審判の対象だと反論した。また、トランプ前大統領が職から退いたが、再び高位公職を引き受けることがないように有罪宣告を言い渡す権限が上院にあると主張した。
弾劾審判が合憲という表決結果に対してトランプ前大統領は不快感を露わにしたとCNNは匿名の消息筋2人を引用して報じた。トランプ前大統領は弁護人の弁論に不満を表し、テレビを指して大声で怒鳴りつけたとCNNは伝えた。
新たに民主党に加勢した共和党議員はビル・カシディ上院議員(ルイジアナ州)。彼は投票直後、米国のメディアインタビューで「両側が提示した法的論理を根拠に判断した」とし「トランプ前大統領の弁護団の弁論に説得力がなかった」と話した。
先月26日、共和党のランド・ポール上院議員が「退任した大統領に対する弾劾審判は違憲」と問題を提起して表決を進めたときはミット・ロムニー氏、スーザン・コリンズ氏、リーサ・マーカウスキー氏、パット・トゥーミー氏など5人が反対の票を投げた。
民主党同調勢力が1人増えたが、有罪・無罪評決のとき、共和党からさらに離脱票が出るかは未知数だ。大統領弾劾のためには上院議員3分の2(67人)以上が賛成しなければならないが、民主党議員全員(50人)に共和党議員17人が加勢してこそ可能だ。
トランプ前大統領は議会がジョー・バイデン大統領当選者の勝利を公式確定する上下院合同会議を開催した先月6日、支持者に議会に行って承認を防ぐべきだという趣旨で演説した。当時トランプ氏は「われわれは議会に行くだろう」とし、「死ぬ気で戦わなければ、これ以上国を持てなくなるだろう」と話した。
米下院はトランプ前大統領が暴力占拠をあおって内乱を扇動したという疑いで事件一週間後である先月13日弾劾案を可決した。下院民主党議員222人全員が賛成し、共和党議員10人が参加して賛成232、反対197で弾劾案が成立された。
トランプ前大統領は昨年1月にも「ウクライナ・スキャンダル」で上院で弾劾審判を受けたが、多数党だった共和党上院議員の圧倒的な反対で無罪評決を言い渡された。
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