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「海外旅行、2024年になってこそ回復」 世界観光機関の暗鬱な展望

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

空港

「2020年は観光歴史上、最悪の年だ」

国連世界観光機関(UNWTO)が先月28日に発表した2020年国際観光現況報告書のタイトルだ。もう嫌というほど実感している内容ではあるが、観光分野で最も権威のある国際機構の公式発表なので重量感が違う。折しも韓国観光公社が2020年度出入国現況を発表した。史上最悪だった2020年の観光産業を国内外統計が立証している。ひとつずつ確認してみよう。

◆世界観光産業1453兆ウォン損失


UNWTOが推算した2020年観光業界損失額は1兆3000億ドル(約137兆円)だ。韓国ウォンに換算すると約1453兆ウォンとなる。この損失額は2009年世界経済危機当時、観光業界が受けた損失額の11倍を越える。言葉どおり史上最悪の実績だ。

2020年度海外旅行人口は2018年に比べて74%減となる10億人にとどまり、世界の雇用1億~1億2000万件が危機に処した。報告書によると、アジア太平洋地域の被害が最も大きかった。旅行客規模が2019年に比べて84%激減した。欧州(-70%)や北米(-69%)地域は世界平均(-74%)よりもかえって被害が少ないことが分かった。

◆韓国の国内旅行産業、前年15%水準に

韓国観光公社が5日発表した2020年観光統計を見てみよう。国内旅行会社の主力市場のほとんどは海外旅行だが、2020年出国韓国人数は前年比85.1%暴落した。2019年韓国人は2871万4247人が出国したが、2020年には427万6006人の出国にとどまった。この427万人余りの中には、コロナ事態前の1月に出国した251万3030人も含まれている。1月出国者を除くと176万2976人だけとなる。昨年2月から12月までの11カ月間、一日平均5283人の割合で出国した計算だ。月別で見ると、4月1カ月間に3万1425人が出国し、海外に出て行った人々の数が最も少なかった。

観光業界よりも観光当局のほうが気がかりなインバウンド市場、すなわち訪韓外来客市場も暴落した。2020年訪韓外来客は251万9118人で、2019年(1750万2756人)より85.7%急減した。1月の訪韓外来客(127万2708人)を除けば、2月から12月まで124万6401人が入国した。一日平均3731.8人の割合で外国人と海外居住韓国人が入国した。月別で見ると、4月の入国者数が2万9145人で最も少なかった。7月以降はひと月あたり6万人以上が入国したことが分かった。

◆海外旅行、2024年から回復の兆し

UNWTOが報告書で強調したのは、観光産業の被害規模よりも海外旅行市場の回復展望だ。UNWTOは報告書で専門家パネルのアンケート調査結果を引用したが、展望が非常に暗い。回答者の1%だけが年内に海外旅行市場が2019年以前の水準に回復するだろうとし、2022年までに回復するだろうと答えた専門家も15%にとどまった。2023年に回復するという回答は43%、2024年以後になってこそ回復するという回答は41%だった。

UNWTO観光専門家の84%が少なくとも2年後から海外旅行市場がコロナ事態以前に戻ると展望したという事実は非常に厳しい。海外旅行中心の国内旅行業界に対し、今後2年間さらに耐えなければならないとUNWTOが警告したも同然だからだ。

◆旅行業は被害業種ではない?

国内外観光当局はこぞって旅行業が史上最悪の危機だと言う。では政府対策でも同じくらいの危機感で扱われたのだろうか。2月2日、2021年文化体育観光部業務報告ブリーフィングで発表された観光分野の支援策は次のとおりだ。

「観光分野は金融支援を拡大する。融資支援は前年より390億ウォン(約36億7200万円)拡大した5940億ウォン(信用保証付特別融資500億ウォン、一般融資5440億ウォン)、融資償還猶予1000億ウォン、資金(ファンド)政府出資前年比150億ウォン拡大の450億ウォン」。

韓国政府が旅行業に直接支援する政策は融資支援が全部。すべて合わせても7500億ウォンにならない。コロナ事態による国内旅行業被害規模は7兆4000億ウォンにのぼると推定されている。旅行業は集合禁止業種どころか集合制限業種にも含まれておらず、支援金支給対象からも除外されている。



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