ジョー・バイデン米国政府が北朝鮮政策の再検討作業を進めている中、現地で北朝鮮人権問題が主要政策イシューとして提起されている。これまで北朝鮮が人権問題の提起に強い拒否感を表わしてきており、韓国も用心深くアプローチしているのに反し、米国新政府は連日人権改善のための対北強攻ドライブを予告している。

米国務省は４日（現地時間）、空席だった北朝鮮人権特使任命を示唆した。国務省傘下のボイス・オブ・アメリカ（ＶＯＡ）放送によると、国務省関係者は「国務長官が関係部署とともに外交政策優先順位に合わせて資源を最もよく調整するために特使の職責を維持し、埋める問題を把握している」としながら「ここには『北朝鮮人権問題担当特使』の職責も含まれている」と明らかにした。

ドナルド・トランプ大統領は北朝鮮人権問題担当特使を４年間任命しなかった。トップダウン式の北朝鮮政策を好んだトランプ大統領が北朝鮮の立場を考慮した措置という解釈が多かった。ところが人権問題を重視するバイデン政府はこれとは違い、核交渉と別個で人権改善圧迫を始動し始めたという分析だ。


実際、国家情報委員会のシドニー・サイラー北朝鮮担当官は４日、ジョージタウン大学が開催したオンライン討論会で「北朝鮮の人権改善努力と非核化交渉を同時に推進することができる」と強調した。

国務省は前日には「バイデン政府は北朝鮮政策検討の一環として、北朝鮮のひどい人権記録と閉鎖された国家（北朝鮮）内の人権尊重を促進する方案を慎重に検討する」とした。昨年１１月の大統領選以来、「北朝鮮の人権実態を深く懸念する」としつつも「行政上発表する内容はない」としていたバイデン政府が北朝鮮人権問題に関連して積極的な「介入」に方向を決めたことを示唆する部分だ。

このような状況で米新政権の北朝鮮政策に神経を尖らせている北朝鮮の対応に注目が集まる。北朝鮮はこれまで国連など国際社会の人権問題提起に対して内政干渉だとして激しく反発してきた。国民大学の全賢俊（チョン・ヒョンジュン）兼任教授は「米国が人権問題を本格的に提起する場合、北朝鮮は自分たちと交渉する意志がないという意味に解釈する可能性がある」と話した。

人権問題は韓国との北朝鮮政策調整過程でも主な変数になりうる。特に、翌月北朝鮮ビラ散布禁止法が発効する場合、韓米間の共助に亀裂が入るおそれがあるとの展望も出ている。