中国アリババ創業者の馬雲氏の「金融帝国」の夢が壊れる危機だ。

ロイターとブルームバーグは２７日、中国人民銀行と銀行監視委員会、証券監督管理委員会がアントグループの役員を呼び「基本に戻れ！」と要求したと伝えた。

ブルームバーグによると、人民銀行はアントグループの信用と保険、資産運用などの誤りを 正し、個人情報保護のため信用評価業を整理することを注文した。


人民銀行などがあからさまにアントグループ解体を要求する段階まで行くことはなかった。ただ「ビジネスを全面的に改編すべき必要性を認識する必要がある」と強調した。

中国・北京のある私募ファンドマネージャーはこの日記者との電話で「中国官僚の話し方などに照らして『全面的な改編』や『必要性を認識する必要』などは事実上の命令と同じ」と話した。

このファンドマネージャーの話が正しければ、中国政府はアントグループ解体を命令したのと同じだ。実際にアントグループはこの日声明を通じ「人民銀行が事業刷新の必要性を強調した。特別チームを構成しできるだけ早く事業を整理して規制要件を完全にクリアできるようにする計画」と発表した。

◇中国政府の波状的圧迫

この２カ月間に中国政府はアリババ創業者である馬雲氏を波状的に圧迫してきた。アントグループの企業公開（ＩＰＯ）と上場を防いだ。企業支配構造が透明でないだけでなく法規の抜け穴を利用していると批判した。

人民銀行はアントグループが市場支配力を利用して競合会社を排除し消費者数億人の利益を侵害したと叱責したりもした。

また、中国国家市場監督管理総局は２４日からアリババの反独占行為を調査し始めた。２６日にはアリババに調査官を派遣して実態を調査したとブルームバーグが中国浙江省地域のメディアを引用して伝えた。

中国政府のアントグループ圧迫は馬雲氏が中国金融当局の規制が過度に保守的だと批判した後に本格化した。

そのため馬雲氏が単純なオンライン決済会社であるアントを利用してこの１７年間に貸付と保険、資産運用にまで進出して作り上げようとしていた金融帝国は完成直前で危機を迎えた。そのため米国で上場されたアリババの株価は先週急落した。