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モサドも動員されたワクチン情報戦、韓国は9-10月に機会逃す

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ワクチン

韓国政府は最初からファイザーとモデルナのワクチンを導入する意志が弱かったことが分かった。両ワクチンは今回が初めてのmRNA(伝令RNA)方式であるからだ。このため伝統的な方式のアストラゼネカのワクチンに集中し、ファイザーとモデルナのワクチンの臨床試験進展事項を正確に把握できず、情報戦でも失敗したという評価が出ている。

政府関係者は23日、「4月に新型コロナワクチンについて議論する際、専門家らは『ファイザーとモデルナのmRNAワクチンは世界で一度も成功していない方式であるため成功の可能性が低く、副作用を予想できない』と懐疑的な意見を出した」と明らかにした。続いて「ファイザーとモデルナのワクチンは国内の力量を総動員しても一日に10万人以上の接種は難しく、保管・輸送施設も十分でなく、これを消化できるほどの構造でないと判断した」と伝えた。

一方、アストラゼネカのワクチンに対しては前向きな反応を示した。この関係者は「アストラゼネカの伝達体方式ワクチンは伝統的であるため信頼性が高く、現在の薬品流通システムでも十分に供給および保管が可能だという結論を出した」とし「アストラゼネカの製品以外は事実上、代案にならないと判断した」と説明した。ちょうどSKバイオサイエンスがアストラゼネカのワクチンの委託生産を引き受けることになり、政府は8月ごろ国内生産分のうち800万ドーズを受けることにし、その後の交渉で2000万ドーズに増やした。すでにアストラゼネカに傾いた状況だったため、ファイザーやモデルナと接触したものの導入する意志は弱かった。


しかしその後、状況は大きく変わった。ファイザーは7月27日に第3相臨床試験に入り、11月9日に中間結果を発表した。モデルナも7月27日に第3相臨床試験を始め、11月16日に中間結果を公開した。政府ワクチン・治療薬TFチームに詳しい関係者は「専門家らもどのワクチンをどれほど購入すべきか正確に判断できなかった。情報をそれなりに収集したが、9-10月に機会を逃した」と述べた。特に「ファイザーとモデルナのワクチン購買にベッティングすべきだったが、そのようにできなかった」と話した。

結果的に政府は両ワクチンの臨床試験が迅速に進行していたが、情報をまともに入手できず、11月の中・下旬にはすでに難しい状況になっていた。情報機関のモサドまで動員したイスラエル政府とは対照的だ。モサドは海外情報網を稼働し、臨床試験の進行状況、安全性、効果などの情報を把握して対応した。

政府関係者は「セルトリオンの抗体治療薬に対する信頼が非常に大きかった」とし「セルトリオン抗体治療薬が世界で最初に開発される可能性が高いという報告を受け、そこに大きな期待をかけていた」と伝えた。「年末までに第3相臨床試験を終えることができると聞いた」ということだ。また「セルトリオンの技術陣を呼んで抗体治療薬の原理、成功の可能性などを多角的に確認したが、十分に根拠があると評価した」と話した。抗体治療薬への期待のためにワクチンにはそれほど大きな関心を向けなかったということだ。

これに先立ち政府ワクチン・治療薬TFチームに詳しい関係者は「当時の会議はワクチンが残っても不足しても、高く買っても非難を浴びるという雰囲気だった。いかなる方法も非難を避けるのは難しいと判断し、現在それが現実になった」と話した。また「米国のようにお金があれば、1兆ウォン(約9340億円)さえあれば購買していたかもしれないが、当時は第3次災難支援金に多くの予算が投入された」と説明した。



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