最後に、韓米同盟が第三国による非軍事的脅威に対処する方案を協議しなければならない。韓米同盟は今まで北朝鮮の軍事的脅威を抑制することに集中してきたため、第三国による非軍事的脅威に対処することには相対的に無関心だった。2016年1月、北朝鮮が核実験を行うと、7月に韓米両国は北朝鮮の核ミサイル脅威に対応するために高高度ミサイル防衛体系(THAAD)を導入すると発表した。すると中国が自国の安保を害するという理由で韓国に対して無差別的な経済報復を加えたが、これに対して米国は手をこまぬいていた。バイデン政府が本当に中国の脅威に対処するために同盟国の協力を期待するなら、同盟国に対する第三国の非軍事的脅威に対処する方案を具体化しなければならない。この点を米国側に提起して協議をしていく能動的な姿勢が同盟の効果を高めるだろう。
◆バイデン氏、同盟と連合して中国の行動様式に変化を促す
バイデン氏と彼の外交・安保参謀の中国に対する見解はやや複雑だ。トランプ大統領の場合、彼の明快な中国観をそのまま外交・安保政策に反映した。しかし、上院外交委院長や副大統領を歴任し、中国の習近平主席と直接会った経験があるバイデン氏と彼の策士の考えは国際情勢と状況変化によって少しずつ進化してきた。
バイデン氏の場合、今回の大統領候補選に参戦した初期の頃は中国との競争よりは協力に近かった。2019年民主党選挙戦当時、「中国が米国の産業を奪っていくと? それは違う。中国は米国の競争相手ではない」という発言で、中国の脅威を過小評価しているという激しい批判を浴びた。その後、バイデン氏は繰り返し発言の水準を高め、特にコロナ事態以降、米国内の反中感情が高まると「同盟国と共に中国の行動様式を変える連合戦線を構築しよう」という立場に発展した。
国務長官に内定しているトニー・ブリンケン氏の場合、トランプ大統領が米国の同盟を弱化させ、米国の価値を捨て、中国が人権と民主主義を傷つけるにまかせてきたと批判してきた。欧州とアジアの民主的同盟勢力を糾合して中国に「価値戦争」をつきつけるという意図を見せた。民主党外交界の寵児と呼ばれて大統領補佐官(国家安全保障担当)に内定しているジェイク・サリバン氏はトランプ政府が中国を「修正主義国(revisionist power)」と烙印を押して協力の可能性を閉ざしたことに対して非常に批判的だった。だが、最近中国を批判したという理由で経済報復を受けているオーストラリアに対して「中国の敵対的行動に対して米国はオーストラリアと肩を並べるだろう」として対応措置を示唆した。
国防長官に内定しているロイド・オースティン氏の場合、主に中東で勤務してきたため公式の場で中国関連の発言をしたことがほとんどない。国防長官の候補に挙がっていたミシェル・フロノイ元国防次官ではなく、オースティン氏が内定したのは、中国にあまりよく知られていない実戦経験者という点が作用したとみられる。
金聖翰(キム・ソンハン)/高麗(コリョ)大学国際大学院長・元外交部次官
【コラム】中国の経済・文化的報復、韓米が共に対応を(1)
◆バイデン氏、同盟と連合して中国の行動様式に変化を促す
バイデン氏と彼の外交・安保参謀の中国に対する見解はやや複雑だ。トランプ大統領の場合、彼の明快な中国観をそのまま外交・安保政策に反映した。しかし、上院外交委院長や副大統領を歴任し、中国の習近平主席と直接会った経験があるバイデン氏と彼の策士の考えは国際情勢と状況変化によって少しずつ進化してきた。
バイデン氏の場合、今回の大統領候補選に参戦した初期の頃は中国との競争よりは協力に近かった。2019年民主党選挙戦当時、「中国が米国の産業を奪っていくと? それは違う。中国は米国の競争相手ではない」という発言で、中国の脅威を過小評価しているという激しい批判を浴びた。その後、バイデン氏は繰り返し発言の水準を高め、特にコロナ事態以降、米国内の反中感情が高まると「同盟国と共に中国の行動様式を変える連合戦線を構築しよう」という立場に発展した。
国務長官に内定しているトニー・ブリンケン氏の場合、トランプ大統領が米国の同盟を弱化させ、米国の価値を捨て、中国が人権と民主主義を傷つけるにまかせてきたと批判してきた。欧州とアジアの民主的同盟勢力を糾合して中国に「価値戦争」をつきつけるという意図を見せた。民主党外交界の寵児と呼ばれて大統領補佐官(国家安全保障担当)に内定しているジェイク・サリバン氏はトランプ政府が中国を「修正主義国(revisionist power)」と烙印を押して協力の可能性を閉ざしたことに対して非常に批判的だった。だが、最近中国を批判したという理由で経済報復を受けているオーストラリアに対して「中国の敵対的行動に対して米国はオーストラリアと肩を並べるだろう」として対応措置を示唆した。
国防長官に内定しているロイド・オースティン氏の場合、主に中東で勤務してきたため公式の場で中国関連の発言をしたことがほとんどない。国防長官の候補に挙がっていたミシェル・フロノイ元国防次官ではなく、オースティン氏が内定したのは、中国にあまりよく知られていない実戦経験者という点が作用したとみられる。
金聖翰(キム・ソンハン)/高麗(コリョ)大学国際大学院長・元外交部次官
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