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【現場から】文大統領のKOSPI3000時代言及が不安な理由

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
新型コロナウイルスの第3波が進行中だ。感染者が急に増加しているが病床は不足する。これまで政府は何をしていたのだろうか。感染症対応インフラを増やすより「K防疫」(韓国型防疫)を自慢するのに忙しかった。

株式市場を見る政府の見方も似ていたといえば言い過ぎだろうか。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は14日、青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)首席秘書官・補佐官会議で、「KOSPIとKOSDAQとも過去最高を記録している。KOSPI3000時代開幕に対する希望的な見通しまで出ている」と話した。その上で「企業の現在の業績と未来価値を示す株価の上昇傾向は韓国経済の希望を見せる客観的指標だ」と付け加えた。

最近KOSPIが2700を超え過去最高値を更新したのは事実だ。KOSDAQ指数は過去最高ではないがとにかく最近大きく上がってはいる。このような時ほど政府が落ち着いて対応することはできなかったのだろうか。KOSPIが流動性の力で急騰し実体経済との乖離を育てているからだ。賃金を含む消費者物価は停滞した状況で不動産と株式価格だけ上がる資産インフレ現象が現れている。政府と韓国銀行が景気浮揚に向け放出した資金は不動産規制で右往左往する個人投資家の実弾として株式市場に流れ込んでいる。9月まで一時的に運営することにした空売り禁止措置は来年3月まで延長した。


現在の景気状況を示す景気動向指数循環変動値は新型コロナウイルス流行直前である1月の100.7から10月には98.3に落ちた。散歩に出掛けた犬は主人の先を行ったりもするが、結局は主人について行くように、株価も結局は実体経済と一緒に進む。

大統領が直接「KOSPI3000時代」を希望の象徴に挙げるのは危険だ。韓国銀行の基準金利決定や不動産・家計負債対策などに政治が介入しかねないからだ。企画財政部が株式譲渡所得税を賦課する大株主の要件を10億ウォンから3億ウォンに強化しようとしたが政治論理に押され保留した事例もある。

専門家らは終わっていない新型コロナウイルスの衝撃に備えて「経済病床」を用意するのが至急だと指摘する。株価上昇に浮き立っている時ではないという意味だ。キム・ドンウォン前高麗(コリョ)大学経済学科教授は「コロナ危機克服に向けばらまいた過剰な流動性が全世界で資産インフレを育てている。資産インフレは富の二極化だけでなく労働意欲喪失につながるため、緻密に長期・短期対策を立てて対応しなければならないだろう」と話した。



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