◆「中国はウイルスが中国で始まらなかったと主張するために外国専門家の話を捻じ曲げている」

ＮＹＴは「ウイルスの起源を曖昧にするために中国がウソをまき散らしている」とまで書いた。

事実、中国のこのような主張は初めてではない。一貫して主張を繰り返してきた。科学で外見を整えた疑わしい理論を根拠にだ。輸入冷凍食品を通じてコロナが伝播したという、科学的に立証されなかった仮設が代表的だ。Ｇｌｏｂａｌ　Ｔｉｍｅｓ（グローバル・タイムズ）など官営メディアが最近も報じている。ＷＨＯが「食品や食品包装紙を通じて新型コロナに感染する可能性は非常に低い」と明らかにしたのにもかかわらずだ。３月にも中国外交部の趙立堅報道官が２０１９年１０月に武漢世界軍人体育大会に参加した米軍がコロナウイルスをばらまいたと根拠もなく主張した。


だが、自分たちの言葉が通じないので海外専門家の発言を悪用する考えさえ働かせている。ＮＹＴは「中国政府は自分の理論を世界の舞台に引き上げるために外国専門家発言をわい曲した」とし「これを通じてコロナウイルスが中国以外で初めて出現したという広範囲な合意があると宣伝する」と指摘した。

◆なぜ中国はそうするのか。

ＮＹＴは中国の国際イメージが悪化したことに対する中国共産党の不安が反映されたとみている。「新型コロナ発生初期の事件を隠蔽して世界に疫病をまき散らした」。このような国際社会の認識が共産党執権の正当性を脅かすと考えている。

コロナ中国起源説に反論し、国際社会の反中国認識を変えれば一番良い。それがうまくいかなくても国内の不満世論を鎮められるならそれだけでも成功だ。これが中国政府の腹積もりだ。南カリフォルニア大学のＥｒｉｎ　Ｂａｇｇｏｔｔ　Ｃａｒｔｅｒ教授は「習近平主席がコロナウイルスの非難から逃れることができるなら、自身の統治に対する大きな不満要素の一つを減らすことができることになる」とＮＹＴに話した。

◆問題はこのような宣伝キャンペーンが新型コロナの実体究明を阻害しかねない点だ。

コロナ拡散を遮断して再出現を防ぐためには、最初の伝染、つまり動物から人間に感染した過程を突き止めなくてはならない。ＷＨＯはウイルス起源調査計画を明らかにした。だが、中国の対処は中途半端だ。調査は特別な進展がない。ＮＹＴは「中国はＷＨＯの起源調査過程で中国科学者を主要部署に任命しようと必死だ」としながら「（調査内容を曖昧にしようとする）中国共産党の泥沼戦略」と評価した。


海外の専門家も利用される…大々的にコロナ起源否定を宣伝する中国（１）