「米中貿易戦争に使う中国の新たな武器」
米時事誌ディプロマットの評価だ。1日に中国で施行された法律をこのように見た。「輸出管理法(中国名:出口管制法)」だ。10月17日に中国全国人民代表大会常務委員会で法案を通過させてから1カ月半ぶりの施行だ。
これがなぜ中国の新しい武器なのか。法案の条項ひとつを読めばすぐ把握できる。
「輸出管理措置を乱用し中華人民共和国の安保と利益を害するいかなる国や地域に対しても対応措置ができる」(輸出管理法第48条)。
だれが見ても米国を狙っている。ファーウェイとティックトックなど中国企業を制裁するならわれわれも報復措置をする。こうした中国の考えを実践するための根拠法であるということだ。
具体的に▽国の安全・開発利益侵害▽大量破壊兵器と運搬手段の設計・開発・生産・使用▽テロ目的使用の可能性――などに輸出許可制が導入される。原材料と完成品、サービス、技術すべてが該当する。軍事用であれ民間用であれ関係ない。許可なく輸出すれば企業は経営金額の5~10倍の罰金や業務停止を受ける。
中国政府は輸出管理対象になる物品や技術を公開していない。それでも期待(?)する物品はひとつだ。
レアアースだ。
IT製品、戦車やミサイルなどに中国産レアアースを使う米国を狙っている。本音も隠さない。国営グローバルタイムズは企業関係者の話として、「中国産レアアースを多く輸入する日本や米国と欧州などが輸出管理法施行後にレアアースを買いにくくならないか心配だ。中国は米国がファーウェイの半導体供給先をふさいだのと関連しレアアースを報復カードにできる」と伝えた。その上で「米国が中国から輸入したレアアースで半導体を作りながら、ファーウェイなど中国企業に半導体輸出を防ぐのは話にならない」とした。
輸出管理法が「レアアース法」という評価を受けるのはこうした理由からだ。ファーウェイと半導体の制裁が解除されなければ中国も静観はしないという見えすいた脅しだ。
米国はどう考えるだろうか。
政策で答えた。米国防総省は輸出管理法施行3日後の4日、中国最大の半導体ファウンドリー(委託生産業者)の中芯国際(SMIC)と石油大手の中国海洋石油(CNOOC)、中国国際電子商務中心グループ(CIECC)、中国建設技術(CCT)をブラックリストに追加した。このリストは中国軍が所有または統制していると米国政府が疑っている企業のリストだ。ロイター通信によると、2021年11月から米国の投資家はこれら企業の株式を買うことができなくなる。中国の輸出管理法にかかわらず制裁を継続するという意味だ。
ひとつで終わらない。米国務省は同日、中国共産党員のビザ制限措置を出した。中国共産党員や直系家族に発給される米国訪問ビザ(B1・B2ビザ)の有効期間を10年から1カ月に短縮した。訪問ビザを通じて入国できる回数も1回に制限した。約9200万人の中国共産党員に家族まで含めれば2億7000万人が制限措置の影響圏だ。国務省は「今回の決定は中国共産党の害になる影響から米国を保護するための措置」と明らかにした。
これだけ多くの人数を米国がすべて把握することはできない。ニューヨーク・タイムズも「一般共産党員はインタビューなどを通じて選り分けにくい」と報道した。だが党幹部は違う。特に多くの中国共産党指導部は留学などで米国に子女と家族を送っている。すぐに米国滞留制限を受けかねない。今回の措置により中国指導層の「アキレス腱」に触れることができるわけだ。
ニューヨーク・タイムズが「中国が自国の指導層を狙った今回の米国の指針に怒るだろう」と評価した理由だ。実際に中国外交部の華春瑩報道官は、「(米国は)中国共産党に対する嫌悪と非正常的思考を引っ込めよ」と反発した。
もちろんトランプ政権がやったことだ。
だがバイデン次期大統領もまだトランプ大統領の対中基調と変わらない。バイデン氏は1日にニューヨーク・タイムズのコラムニスト、トーマス・フリードマン氏とのインタビューで、「米中1段階貿易合意や中国製輸入品の半分に25%の関税を課した措置をすぐに撤回しないだろう。私が持つオプションを損ねない」と明らかにした。
実際にバイデン氏の民主党は共和党とともに中国を圧迫した。米国の会計監査基準に従わない外国企業を証券市場に上場できないようにする法案が2日に上院に続き下院で通過した。事実上中国企業を狙った。アリババやバイドゥなど中国の大企業も米証券市場から締め出されかねない。
輸出制限法の意図までメディアに公開し米国に脅しをかけようとしていた中国だ。だが米国はもっと鋭利な制裁で中国にこたえた。現在では「バイデン政権が対中政策に実用的にアプローチするだろう」という人民日報や新華社の期待混じり(?)の報道よりは、「数年間展開してきた米国と中国の貿易・技術対立が激化するだろう」(ニューヨーク・タイムズ)という予測に力があるようだ。
米時事誌ディプロマットの評価だ。1日に中国で施行された法律をこのように見た。「輸出管理法(中国名:出口管制法)」だ。10月17日に中国全国人民代表大会常務委員会で法案を通過させてから1カ月半ぶりの施行だ。
これがなぜ中国の新しい武器なのか。法案の条項ひとつを読めばすぐ把握できる。
「輸出管理措置を乱用し中華人民共和国の安保と利益を害するいかなる国や地域に対しても対応措置ができる」(輸出管理法第48条)。
だれが見ても米国を狙っている。ファーウェイとティックトックなど中国企業を制裁するならわれわれも報復措置をする。こうした中国の考えを実践するための根拠法であるということだ。
具体的に▽国の安全・開発利益侵害▽大量破壊兵器と運搬手段の設計・開発・生産・使用▽テロ目的使用の可能性――などに輸出許可制が導入される。原材料と完成品、サービス、技術すべてが該当する。軍事用であれ民間用であれ関係ない。許可なく輸出すれば企業は経営金額の5~10倍の罰金や業務停止を受ける。
中国政府は輸出管理対象になる物品や技術を公開していない。それでも期待(?)する物品はひとつだ。
レアアースだ。
IT製品、戦車やミサイルなどに中国産レアアースを使う米国を狙っている。本音も隠さない。国営グローバルタイムズは企業関係者の話として、「中国産レアアースを多く輸入する日本や米国と欧州などが輸出管理法施行後にレアアースを買いにくくならないか心配だ。中国は米国がファーウェイの半導体供給先をふさいだのと関連しレアアースを報復カードにできる」と伝えた。その上で「米国が中国から輸入したレアアースで半導体を作りながら、ファーウェイなど中国企業に半導体輸出を防ぐのは話にならない」とした。
輸出管理法が「レアアース法」という評価を受けるのはこうした理由からだ。ファーウェイと半導体の制裁が解除されなければ中国も静観はしないという見えすいた脅しだ。
米国はどう考えるだろうか。
政策で答えた。米国防総省は輸出管理法施行3日後の4日、中国最大の半導体ファウンドリー(委託生産業者)の中芯国際(SMIC)と石油大手の中国海洋石油(CNOOC)、中国国際電子商務中心グループ(CIECC)、中国建設技術(CCT)をブラックリストに追加した。このリストは中国軍が所有または統制していると米国政府が疑っている企業のリストだ。ロイター通信によると、2021年11月から米国の投資家はこれら企業の株式を買うことができなくなる。中国の輸出管理法にかかわらず制裁を継続するという意味だ。
ひとつで終わらない。米国務省は同日、中国共産党員のビザ制限措置を出した。中国共産党員や直系家族に発給される米国訪問ビザ(B1・B2ビザ)の有効期間を10年から1カ月に短縮した。訪問ビザを通じて入国できる回数も1回に制限した。約9200万人の中国共産党員に家族まで含めれば2億7000万人が制限措置の影響圏だ。国務省は「今回の決定は中国共産党の害になる影響から米国を保護するための措置」と明らかにした。
これだけ多くの人数を米国がすべて把握することはできない。ニューヨーク・タイムズも「一般共産党員はインタビューなどを通じて選り分けにくい」と報道した。だが党幹部は違う。特に多くの中国共産党指導部は留学などで米国に子女と家族を送っている。すぐに米国滞留制限を受けかねない。今回の措置により中国指導層の「アキレス腱」に触れることができるわけだ。
ニューヨーク・タイムズが「中国が自国の指導層を狙った今回の米国の指針に怒るだろう」と評価した理由だ。実際に中国外交部の華春瑩報道官は、「(米国は)中国共産党に対する嫌悪と非正常的思考を引っ込めよ」と反発した。
もちろんトランプ政権がやったことだ。
だがバイデン次期大統領もまだトランプ大統領の対中基調と変わらない。バイデン氏は1日にニューヨーク・タイムズのコラムニスト、トーマス・フリードマン氏とのインタビューで、「米中1段階貿易合意や中国製輸入品の半分に25%の関税を課した措置をすぐに撤回しないだろう。私が持つオプションを損ねない」と明らかにした。
実際にバイデン氏の民主党は共和党とともに中国を圧迫した。米国の会計監査基準に従わない外国企業を証券市場に上場できないようにする法案が2日に上院に続き下院で通過した。事実上中国企業を狙った。アリババやバイドゥなど中国の大企業も米証券市場から締め出されかねない。
輸出制限法の意図までメディアに公開し米国に脅しをかけようとしていた中国だ。だが米国はもっと鋭利な制裁で中国にこたえた。現在では「バイデン政権が対中政策に実用的にアプローチするだろう」という人民日報や新華社の期待混じり(?)の報道よりは、「数年間展開してきた米国と中国の貿易・技術対立が激化するだろう」(ニューヨーク・タイムズ)という予測に力があるようだ。
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