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【社説】いったい大統領はどこにいるのか=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官と尹錫ヨル(ユン・ソクヨル)検察総長の葛藤が破局に突き進んだ翌日の25日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領はフェイスブック(Facebook)に「女性暴力追放」に関するコメントを載せた。「女性対象の犯罪に断固として対応し、被害者をしっかりと保護する」という内容だった。だが、法務部長官が現職検察総長を職務から排除した憲政史上初めての出来事には何一つ言及しなかった。軍事政権時期にも例がなかった検察総長の職務停止命令だ。

これに関連し、青瓦台(チョンワデ、大統領府)報道官が記者団に送った「文大統領は法務部長官発表直前に関連の報告を受け、それについて別途の言及はなかった」というその前日のSMSの公示がすべてだった。休暇を終えた文大統領は業務に復帰した状態だ。

今の検察総長を任命した人は文大統領だ。任命状を手渡すときは「私たちの総長様」と呼び、「生きている権力を捜査してほしい」と話した。尹総長は先日、国政監査のときに「大統領が『ブレることなく任期を守って任務を全うしてほしい』と伝えた」と明らかにした。大統領の言葉を国会で嘘として伝える検察総長はいないだろう。事実がそうでも、もし懲戒や職務停止の理由があるなら、大統領は国民に「任期2年が保障された検察総長だが、さまざまな間違いがあって解任する」と説明するのが当然ではないか。任期を保障できない理由を明らかにし、政治的な責任も負わなければならない。だが何の言及もない。


文大統領の沈黙は初めてではない。どの懸案にも大統領の姿は見られない。金海(キムヘ)新空港白紙化による葛藤が増幅して国家的混乱につながったが、これを収拾して責任を負う大統領の発言はない。脱原発結論を出しておいて公論化委員会を引き立て役にしたときも、狂った住居価格で全国が大混乱に陥ったときも国政最高責任者の姿は見えない。「不動産対策の効果が現れて住居価格上昇の勢いが落ち着いている」というのが大統領の最後の診断だった。文大統領が民主党代表時期に作った「無公薦党憲」がソウル・釜山(プサン)市長補欠選挙を控えて白紙化したときも同じだ。当時、大統領は「農業人の日」記念式典などに出席した。大統領は国が正常に運営されていると判断して他の行事に熱心に出席するのか、でなければ状況が苦しくて努めて冷遇しているのか知りようがない。

秋長官が尹総長を職務排除した内容と方式はさまざまな面で納得できないのが事実だ。尹総長はここに「法的対応」を叫んでいて、見守る国民は惨憺たる思いだ。だが、それよりも今必要なのは大統領のはっきりした態度だ。検察総長を更迭するにしても法務部長官を解任するにしても、今はこの問題に線を引かなければならない。それから大統領の立場を国民に説明して、結果に責任を負わなければならない。少なくとも大統領が法務部長官の背後に隠れたという非難から抜け出すべきではないか。後世に「卑怯な大統領」と記憶されないことを願う。



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