韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が15日、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に最終署名する。RCEPは中国が主導する世界最大の自由貿易協定(FTA)だ。輸出で暮らす韓国にはもう一つの機会となる。
しかし時期が微妙だ。米大統領選挙でバイデン氏が勝利し、世界通商秩序が変曲点を迎えているからだ。米国中心の「CPTPP」(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)がまた浮上する可能性がある。韓国は米中の対立の間で高次方程式を解かなければならない状況を迎えた。
RCEPは世界最大規模の地域経済共同体の基盤だ。ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国と韓国・中国・日本・オーストラリア・ニュージーランドの計15カ国が参加する。参加国の人口は昨年基準で22億6000万人、名目国内総生産(GDP)は26兆3000億ドルにのぼる。全世界の人口の30%、GDPの29.9%をそれぞれ占める。
RCEPは中国が主導した。2012年11月の東アジア首脳会議がきっかけだった。当時、米国が推進した環太平洋パートナーシップ(TPP)の対抗する性格が強かった。2013年から本格化した交渉は難航の末、昨年11月に暫定妥結した。
公式署名をすれば、政府が注力してきた新南方政策が加速する可能性がある。貿易相手国別に差があった原産地基準が統一され、手続きが簡素化し、輸出企業の問題点を実質的に解消する効果も期待される。アジア圏で特に不十分だった知識財産権と電子商取引関連の貿易規範が確立される土台も用意された。
対外経済政策研究院(KIEP)は昨年末の報告書で、「RCEP発効による関税の縮小で韓国経済に0.41-0.51%の成長効果がある」と予測した。消費者の厚生は42億-54億ドル増えると推定した。ただ、貿易赤字の急増でインドが不参加となり、期待効果が落ちたのは残念だ。KIEPによると、インドが参加する場合、韓国経済成長は約0.1%ポイント、消費者の厚生は10億ドル以上増える可能性があるという。
「メガFTA」を締結することになったが、同時に宿題も抱えることになった。バイデン氏の当選による地形の変化だ。米国優先主義を掲げたトランプ米大統領は、オバマ前大統領が主導したTPPから脱退した。すると日本など残りの11カ国がCPTPPに名称を変更して2018年に公式署名した。しかし米国が抜けた地域経済共同体の重量感は大幅に減少した。
バイデン氏が米大統領選挙で勝利したことで状況は変わった。バイデン氏は昨年7月の米外交問題評議会(CFR)で、TPP脱退について「中国を運転席に座らせた」として批判した。続いて「アジアと欧州の友人が我々と共に21世紀貿易規則を作り、中国に強く対抗するよう結集するのが私の主眼点」と説明した。副大統領時代のバイデン氏はTPPに非常に積極的だった。
通商専門家は米国のCPTPP復帰を時間の問題とみている。KIEPは最近、報告書「米バイデン政権の経済政策見通しと示唆点」で、「米国は中国を牽制するために域内多者貿易協定としてCPTPPを活用する可能性がある」と分析した。「米国中心の多者主義貿易体制を復活させ、中国を牽制するためにより高いレベルのCPTPPを推進する」という見方を示した。
韓国の立場では難しい状況になり得る。RCEPには参加しているが、CPTPPには加入していないからだ。当時、過度に中国を意識して加入時期を逃したという指摘があった。
とはいえ、バイデン氏が韓国のRECP参加を問題視する可能性は高くない。鄭仁教(チョン・インギョ)仁荷大国際通商学部教授は「RECP交渉が長期間行われたうえ、日本・オーストラリアのような伝統的友邦国も加入している状況で、韓国のRECP加入について問題を提起することはないだろう」と述べた。
しかしCPTPP加入圧力は強まるしかない状況だ。光云大のシム・サンリョル国際通商学部教授は「FTAは基本的に加盟国同士がお互い利益を与え、非加盟国は差別するというものだ」とし「韓国のような小規模開放経済国はRCEP、CPTPPの両方に加入し、これに伴う副作用に対応するのがはるかによい」と話した。両協定加入国は日本・オーストラリア・ニュージーランド・ベトナム・マレーシア・シンガポールの6カ国。
西江大国際大学院のホ・ユン教授は「米国のCPTPP加入はいくつかの日程上、来年下半期以降になるだろう」とし「韓国の立場では米国の加入日程に合わせて加入を打診し、この過程で表れる中国の反発には時間を置いて対応しなければいけない」と強調した。
韓国が両市場に参加するためには日本との関係改善も課題となる。シム・サンリョル教授は「米国がCPTPPを復元する過程で、日本が韓国のCPTPP加入に否定的な立場を見せる可能性もある」と予想した。
韓国政府は以前からCPTPP加入を検討してきた。洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官は10日の国会予算決算委員会で「バイデン政権では米国がCPTPPなどに再加入し、韓国にも似た(加入要求の)動きがあるはず」とし「政府も以前から(加入を)検討してきただけ、国益を考えて最終の立場を議論することになるだろう」と述べた。
しかし時期が微妙だ。米大統領選挙でバイデン氏が勝利し、世界通商秩序が変曲点を迎えているからだ。米国中心の「CPTPP」(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)がまた浮上する可能性がある。韓国は米中の対立の間で高次方程式を解かなければならない状況を迎えた。
RCEPは世界最大規模の地域経済共同体の基盤だ。ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国と韓国・中国・日本・オーストラリア・ニュージーランドの計15カ国が参加する。参加国の人口は昨年基準で22億6000万人、名目国内総生産(GDP)は26兆3000億ドルにのぼる。全世界の人口の30%、GDPの29.9%をそれぞれ占める。
RCEPは中国が主導した。2012年11月の東アジア首脳会議がきっかけだった。当時、米国が推進した環太平洋パートナーシップ(TPP)の対抗する性格が強かった。2013年から本格化した交渉は難航の末、昨年11月に暫定妥結した。
公式署名をすれば、政府が注力してきた新南方政策が加速する可能性がある。貿易相手国別に差があった原産地基準が統一され、手続きが簡素化し、輸出企業の問題点を実質的に解消する効果も期待される。アジア圏で特に不十分だった知識財産権と電子商取引関連の貿易規範が確立される土台も用意された。
対外経済政策研究院(KIEP)は昨年末の報告書で、「RCEP発効による関税の縮小で韓国経済に0.41-0.51%の成長効果がある」と予測した。消費者の厚生は42億-54億ドル増えると推定した。ただ、貿易赤字の急増でインドが不参加となり、期待効果が落ちたのは残念だ。KIEPによると、インドが参加する場合、韓国経済成長は約0.1%ポイント、消費者の厚生は10億ドル以上増える可能性があるという。
「メガFTA」を締結することになったが、同時に宿題も抱えることになった。バイデン氏の当選による地形の変化だ。米国優先主義を掲げたトランプ米大統領は、オバマ前大統領が主導したTPPから脱退した。すると日本など残りの11カ国がCPTPPに名称を変更して2018年に公式署名した。しかし米国が抜けた地域経済共同体の重量感は大幅に減少した。
バイデン氏が米大統領選挙で勝利したことで状況は変わった。バイデン氏は昨年7月の米外交問題評議会(CFR)で、TPP脱退について「中国を運転席に座らせた」として批判した。続いて「アジアと欧州の友人が我々と共に21世紀貿易規則を作り、中国に強く対抗するよう結集するのが私の主眼点」と説明した。副大統領時代のバイデン氏はTPPに非常に積極的だった。
通商専門家は米国のCPTPP復帰を時間の問題とみている。KIEPは最近、報告書「米バイデン政権の経済政策見通しと示唆点」で、「米国は中国を牽制するために域内多者貿易協定としてCPTPPを活用する可能性がある」と分析した。「米国中心の多者主義貿易体制を復活させ、中国を牽制するためにより高いレベルのCPTPPを推進する」という見方を示した。
韓国の立場では難しい状況になり得る。RCEPには参加しているが、CPTPPには加入していないからだ。当時、過度に中国を意識して加入時期を逃したという指摘があった。
とはいえ、バイデン氏が韓国のRECP参加を問題視する可能性は高くない。鄭仁教(チョン・インギョ)仁荷大国際通商学部教授は「RECP交渉が長期間行われたうえ、日本・オーストラリアのような伝統的友邦国も加入している状況で、韓国のRECP加入について問題を提起することはないだろう」と述べた。
しかしCPTPP加入圧力は強まるしかない状況だ。光云大のシム・サンリョル国際通商学部教授は「FTAは基本的に加盟国同士がお互い利益を与え、非加盟国は差別するというものだ」とし「韓国のような小規模開放経済国はRCEP、CPTPPの両方に加入し、これに伴う副作用に対応するのがはるかによい」と話した。両協定加入国は日本・オーストラリア・ニュージーランド・ベトナム・マレーシア・シンガポールの6カ国。
西江大国際大学院のホ・ユン教授は「米国のCPTPP加入はいくつかの日程上、来年下半期以降になるだろう」とし「韓国の立場では米国の加入日程に合わせて加入を打診し、この過程で表れる中国の反発には時間を置いて対応しなければいけない」と強調した。
韓国が両市場に参加するためには日本との関係改善も課題となる。シム・サンリョル教授は「米国がCPTPPを復元する過程で、日本が韓国のCPTPP加入に否定的な立場を見せる可能性もある」と予想した。
韓国政府は以前からCPTPP加入を検討してきた。洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官は10日の国会予算決算委員会で「バイデン政権では米国がCPTPPなどに再加入し、韓国にも似た(加入要求の)動きがあるはず」とし「政府も以前から(加入を)検討してきただけ、国益を考えて最終の立場を議論することになるだろう」と述べた。
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