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BTSに依存のビッグヒットエンタ、収益性低い芸能大手3社…エンタメ株ぐらつく

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

BTS(防弾少年団)。[写真 ビッグヒットエンターテインメント]

世界的スターのBTS(防弾少年団)が所属するビッグヒットエンターテインメントの株価はKOSPI上場初日である先月15日に一時35万ウォン台まで上がった。企業公開(IPO)で新規上場した銘柄が取引初日に公募価格の2倍で始値を形成した後値幅上限値まで上がったのだ。歓喜は少しの間だった。この日高値からすぐに急落し25万ウォン台で取引を終えると、その後は連日落ち込んだ。3週間が過ぎた現在のビッグヒットの株価は上場初日始値の27万ウォン台と比べ60%水準である16万ウォン台。公募価格である13万5000ウォンに近づいた。

#期待を集めたビッグヒットの株価不振に、韓国のエンターテインメント産業と企業の現在・未来価値が過度に高く評価されていたのではないかとの議論が個人投資家の間で続いている。ビッグヒットだけでなく韓国3大芸能事務所であるSMエンターテインメント、YGエンターテインメント、JYPエンターテインメントを中心としたいわゆるエンタメ株はこの数年間証券市場で大きく注目されていた。その間に大衆歌謡「K-POP」などがスマートフォンとユーチューブ、ネットフリックスのようなメディアを通じて海外で人気を集めてだ。特にBTSは今年韓国歌手で初めてビルボードチャート1位に上がり韓流のピークに達したとの評が出てきた。

ビッグヒットが上場直後に時価総額8兆ウォン台(現在は5兆ウォン台)でKOSPI上場企業のうち32位に上がったのもそのためだった。ビッグヒットの売り上げは2018年の3014億ウォンから昨年は5872億ウォンと2倍近く増え、今年も7000億ウォンの達成が有力だ。この場合業界1位のSMの年間売り上げ6578億ウォン(昨年基準)を上回ることになる。それでもビッグヒットの企業価値が過大評価されたと見る側はBTSというひとつの商品への依存度が過度に高いという点を指摘する。ビッグヒットの上半期の全売り上げでBTSの割合は実に87.7%に達した。昨年の97.4%より改善されたがが絶対的だ。


#メリッツ証券のイ・ヒョジン研究員は、「ビッグヒットの業績を左右する世界のBTSファンはすでに成熟期に入り込んだと推定される」として売り上げなどの成長速度が鈍化しかねないと分析した。また、このためBTSメンバーの軍入隊というリスクがさらに大きく感じられる。現行の兵役法上、彼らは入隊を28歳まで先送りでき、大きな変数がなければ来年から順に入隊しなければならない。これに対し米CNNは先月の報道で「BTSはメンバーの軍服務という致命的な断絶期を近く迎えることになる」と指摘した。

他のエンターテインメント企業はビッグヒットに比べ特定芸能人への依存度は少ない方だ。現在の株価を1株当たり純利益で割った値である株価収益率(PER)のような客観的指標でも相対的に高評価疑惑を受けていない。PERが高いほど株価が高評価されたとみるが、現在のビッグヒットのPERは約50倍であるのに対しSM、YG、JYPは20~30倍水準だ。

だがこれら3社は収益性の面で残念さがある。3社の昨年の営業利益は総額859億ウォンで、ビッグヒット1社の営業利益987億ウォンに満たなかった。SMとYGは名声に比べ昨年それぞれ162億ウォンと246億ウォンの純損失を記録するなど経営状況も良くなかった。今年も新型コロナウイルスの感染拡大の余波でオフラインコンサートなどの収益事業が不如意な状況だ。

専門家らはまた、人そのものが商品であるエンターテインメント産業の特性上、予測・管理が難しい「人リスク」が常に存在する限界が伴うと分析する。所属芸能人1人が炎上するたびに致命的悪材料として作用し株価がぐらつく。SMは2014年にEXOメンバーの一部が脱退訴訟を提起したという話で時価総額が1日で1100億ウォンほど蒸発した。YGは2018年末からBIGBANGの元メンバーV.Iがかかわった「バーニングサン事件」のため窮地に立たされた。昨年は1日で時価総額約1100億ウォン相当がやはり消えた。このため株価下落を予想して動く空売り勢力が大手を振って歩く分野のひとつがエンタメ株だ。

#合わせて韓流商品「輸出」が重要になりながら各種対外変数と地政学的リスクの影響も大きくなった。2016に年韓国の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備確定後に中国政府が報復次元で非公式に限韓令(韓流禁止令)を出しまだ完全に解除していないのが代表的だ。このため専門家らは個人投資家がエンタメ株に投資しようとする際に過大評価の可能性を十分に念頭に置き、長期的観点から海外成長性を核心分析対象とみる価値投資を狙わなければならないと助言する。

ただ一部では現在の高評価議論が行き過ぎ、むしろ過小評価に流れかねないと反論する。韓流が単発にとどまらず続いている上にこれまで蓄積してきたノウハウが健在なだけに産業そのものの成長余力は十分ということだ。

現代車証券のキム・ヒョンヨン研究員は「BTSの世界的な地位強化と後光効果によりガールズグループであるYGのBLACKPINK、JYPのTWICEなどBTSに続くほどのK-POPスターが海外認知度と影響力確保に成功している。特にガールズグループは差別化効果により今後エンタメ産業で価値が一層上がるだろう」と予想した。広報にかかる費用などを除けば他の業種と違い固定費(設備減価償却費、研究開発費など)負担が少なく、余力を備蓄するのに有利だという点も楽観論の根拠として提示される。



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