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「面目ない」涙声で話した正恩氏、ICBM公開されると大きな笑顔

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は今月10日の労働党創建75周年記念閲兵式の演説で「ありがとう」や「感謝する」という表現を12回も使った。北朝鮮住民に「面目ない」と話すなど低姿勢の姿を見せた。金委員長は演説途中に人民に対する感謝と同時に申し訳なく思う心情を伝えながら涙声で話す場面もあった。

最高尊厳の無欠性で代弁されてきた北朝鮮最高指導者の地位を考慮すれば異例のことだ。それだけ北朝鮮事情が厳しい状況にあることを傍証している。また、金委員長が住民の困難に共感するというジェスチャーを通じて、北朝鮮住民の支持を引き出し、正常国家の指導者というイメージを与えようとする意図もあると専門家は分析した。

金委員長は10日午前0時、平壌(ピョンヤン)の金日成(キム・イルソン)広場で行った演説で「今日この席に立てば何から話そうかとあれこれと考えてみましたが、真に人民に打ち明けたい心のうち、真情は『ありがとうございます!』の一言につきます」と話しながら感性的な姿を演出した。続いて「何よりもまず、今日このように、みなが、全ての人民が無病息災であることを本当にありがたく思います」とし「一人の悪性ウイルス被害者もなく、みなが健康であってくれて本当にありがとうございます」と話した。金委員長は新型コロナウイルス(新型肺炎)防疫や水害復旧などに大規模に動員されて最も大きな役割を果たしてきた軍将兵に対して、数回「感謝する」という言葉とともに「申し訳ない」と言及して遺憾を表したりした。


特に、この日金委員長は相次ぐ国家的困難に言及して「面目ない」と公開的に発言した。韓国野党「国民の力」の太永浩(テ・ヨンホ)議員は11日、フェイスブックに「金正恩がどのような話をするのか悩んで『ありがとうございます』という言葉しか見つけられなかったというのは、自身も政策失敗を認めるところを見せており、それだけ北朝鮮内部が大変だということ」と話した。

北朝鮮は閲兵式を10日午前0時、平壌金日成広場で開いた。通常、閲兵式は午前や午後の明るい時間帯に進めてきた。政府当局者は「北朝鮮が0時に閲兵式を行うことは初めてのことだと承知している」と話した。

北朝鮮の深夜閲兵式の開催は新しい方式の閲兵式を試みたものとみられる。金委員長執権後、北朝鮮は閲兵式時に航空機を動員したり大陸間弾道ミサイル(ICBM)を動員したりするなど、毎回新しい方式の閲兵式を推進してきた。国民大学の全賢俊(チョン・ヒョンジュン)兼任教授は「新型コロナなどで他の行事を準備するうえで困難が生じると、閲兵式を深夜に始めることによってスポットライトを当てるための次元かもしれない」と分析した。閲兵式の最後の順番で新型ICBMが公開された時、金委員長は壇上からこれを見下ろし、幹部と話しながら大きな笑顔を見せた。住民たちに手を振って挨拶したりもした。

深夜の閲兵式は対外露出を最小化するという目的も考えられる。今年7月から北朝鮮の閲兵式の準備動向がその時々に国内外のメディアに出てきたため、新たな方式が必要だった可能性もある。人工衛星で事前に準備状況を西側諸国が把握するのを防ぐための次元である可能性がある。暗闇を利用し、閲兵式の場所に兵力や武器が移動する場合、事前露出の可能性が真昼に比べてやや抑えられるということだ。

北朝鮮は米国時間で9日午前11時に閲兵式を行い、翌日午前6時にこれを放映した。このことから、米国を狙った深夜の閲兵式開催とみることもできる。金委員長はこの日の演説で、米国を直接狙うようなことや核威嚇については言及しなかった。



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