中国企業のTCLが年初に出した「ミニLEDテレビ」。CES2020で最高テレビ賞を受賞した。[写真 全米消費者技術協会]
◆さらに進化したLCD技術
市場調査会社トレンドフォースによると、サムスン電子は2021年に4K(横方向が約4000画素)解像度の55、65、76、85インチのミニLEDテレビを約200万台販売する計画だ。LCDテレビにバックライトとして使用するLEDが従来の製品に比べて細かいミニLEDは、台湾ディスプレー企業AUO・イノラックスが積極的に開発している。サムスン電子映像ディスプレー事業部は8K(横方向が約8000画素)テレビのうち一部の製品にもミニLED技術を搭載することを検討している。
ミニLEDテレビは従来のLCDと比較してバックライト用LEDの一部分だけをコントロールできる。全体の画面のコントラストを高める「ローカルディミング」技術に特化している。トレンドフォースは「アップルとLGもミニLEDバックライトを搭載した製品を出す予定」とし「サムスンはミニLEDを搭載した量子ドット発光ダイオード(QLED)製品で有機発光ダイオード(OLED)テレビに挑戦するだろう」という見方を示した。アップルはMacとiPadの新製品にミニLED基盤パネルを搭載する計画だ。中国企業のうち世界でテレビ販売が最も多いTCLの場合、ミニLEDテレビを年初から公式販売している。
◆マイクロLEDのための懸け橋
サムスン電子の立場ではミニLEDは「マイクロLED」テレビに向けた懸け橋の役割をする技術だ。マイクロLEDはインテリア施工をするように自発光するLEDの一つ一つをきめ細かく構成してディスプレーとして活用する技術だ。通常100マイクロメートル以下のLED素子を使えばマイクロLEDテレビ、100マイクロメートルから200マイクロメートル程度のLED素子を使えばミニLEDテレビに属する。マイクロLEDは別途のバックライトを必要としない点がミニLEDと異なる。
サムスン電子が米ラスベガスで開催されたCESで公開した超大型テレビ「'ザ・ウォール」にもマイクロLED技術が適用された。
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