韓国と日本は半導体市場でも宿命のライバルだ。ＮＡＮＤ型フラッシュ市場ではキオクシア（旧東芝メモリー）が１７年前にサムスン電子に奪われた「世界１位」の座を取り戻すために切歯腐心している。スマートフォンの目であるイメージセンサー、半導体に電力を供給する積層セラミックキャパシタ（ＭＬＣＣ）市場ではサムスン電子とサムスン電機がそれぞれ日本のソニーと村田製作所の牙城に挑戦している。

「半導体韓日戦」は米国のファーウェイ制裁の余波でさらに加熱する見通しだ。シャオミ、ＯＰＰＯ、Ｖｉｖｏなどファーウェイの抜けた穴を狙う企業の注文を獲得するための受注戦が激しく繰り広げられるだろうという観測が出ている。受注戦の結果により今後の世界の半導体市場の地図が決定される可能性が高い。

◇ファーウェイに代わる他の企業の注文増えそう


１６日の外信と市場調査会社のオムディアによると、韓日の主要半導体企業が昨年ファーウェイから得た売り上げは約２２兆～２３兆ウォンと推定される。サムスン電子、ＳＫハイニックスなど韓国のメモリー半導体業者の売り上げが１０兆ウォンだ。日本経済新聞の推定で、ソニーや村田製作所など日本企業もファーウェイから年間１２兆３０００億ウォンの売り上げを得ている。

米国の制裁が続けば世界のスマートフォンと通信装備市場でファーウェイのシェアが急減すると予想される。ストラテジーアナリティクスは今年１５．１％と予想されるファーウェイの世界のスマートフォン市場シェアが１年後には４．７％まで落ちると予想した。

スマートフォン市場でファーウェイのシェアを奪える企業にはサムスン電子、ＯＰＰＯ、Ｖｉｖｏ、シャオミなどが挙げられる。通信装備市場ではノキア、エリクソンなどが有力候補だ。業界関係者は「ファーウェイが注文を減らす分だけ競合企業の注文は増えるだろう。ファーウェイの代替需要を確保するための新たな競争が始まるだろう」と説明した。

◇ファーウェイ依存度高いソニー「足下の火」

すでに注文確保競争が激しい。日本経済新聞は１５日、日本の半導体企業が米国の制裁後にファーウェイに代わる所を探していると報道した。サムスン電子、ＳＫハイニックスなども中国法人を中心にＯＰＰＯ、Ｖｉｖｏ、シャオミを対象に営業とマーケティングを強化しているという。

最初の激戦地としてイメージセンサー市場が挙げられる。オムディアの４－６月期推定値基準で世界１位は４２．５％のソニー、２位は２１．７％のサムスン電子だ。ソニーはファーウェイのプレミアム機種にイメージセンサーを主に納品し数十億ドルの売り上げを得た。これに対しサムスン電子はＯＰＰＯ、Ｖｉｖｏ、シャオミなどが主力だ。ファーウェイへの制裁でこれら企業のスマートフォン市場でのシェアが上がればサムスン電子が利益を得られる。

ソニー関係者は日本経済新聞に「（ファーウェイ以外の）供給先の分散に取り組む必要がある」と話した。スマホ頼みだった画像センサーの用途を車載や産業機器向けに拡大するという。

ＮＡＮＤ型フラッシュも激戦地に挙げられる。サムスン電子が４－６月期基準３３．１％のシェアで世界１位だが２位でシェア１８．９％のキオクシアの挑戦が侮れない状況だ。ＳＫハイニックスは１０．７％で５位圏だ。キオクシアは他のスマートフォンメーカーを対象に営業を強化すると同時に、グーグルやフェイスブックなどのデータセンター用半導体生産を増やす計画だという。

半導体に電力を供給するＭＬＣＣと関連しても村田製作所とサムスン電機のファーウェイ代替需要確保競争が激しくなりそうだ。通信装備用半導体を作る日本のルネサスエレクトロニクスはファーウェイに代わりエリクソンやノキアなどの注文を確保するために孤軍奮闘中であることがわかった。

一部ではファーウェイの代替需要を確保するための競争が激しくなれば、メモリー半導体やイメージセンサーなどの販売価格が一時的に落ち込みかねないとの見通しが出ている。半導体企業が貯まった在庫を処分して新たな注文を引き出すために「価格引き下げ」のカードを提示するだろうという論理だ。韓国の半導体企業関係者は「ファーウェイ代替需要をだれが多く確保するかにより半導体産業の地図が変わる状況。価格は２番目の問題」と説明した。

米国の制裁に備えファーウェイの在庫確保作業が終わったという点も価格下落をあおる要因に挙げられる。オムディアの南川明研究員は「ファーウェイの緊急注文が消えた今月中旬からＤＲＡＭ価格が下がり始めるだろう」と話した。