「危険段階ではないが回復も容易ではない」
事実上、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)がイシューを独占してから8カ月、今年残り4カ月間の韓国経済を見つめる韓国銀行の診断は暗い。差し当たり今の危機がさらに大きな実物経済衝撃に進化する可能性は大きくない。為替レート・証券市場など金融市場の状況も比較的安定的だ。しかし輸出不振が長くなり、サービス業を中心に民間消費の回復も予想より遅い。こうした中、危機克服過程で供給した流動性が資産市場のバブルを引き起こす懸念もある。新型コロナの長期化が韓国経済を予想よりも長期間にわたって苦しめる可能性があるという意味だ。
韓銀が10日、金融通貨委員会を開いてこのような内容をまとめた入れた通貨信用政策報告書を議決した。通貨信用政策報告書は通貨信用政策の決定内容とその背景や今後の政策方向などを整理して国会に提出(年2回以上)する報告書だ。今年6月と同じように、今回の報告書には新型コロナの世界拡大による実物経済の萎縮に対する懸念と国内外の金融市場展望などがまとめられた。
◆新型コロナ以外にも米中葛藤…早期回復は難しい
ひとまず新型コロナの拡散速度はやや鈍化し、世界経済が下半期から改善傾向を示すだろうという以前の期待は消えた。8月中旬から始まった国内2次拡大が足を引っ張っている。インドなどの新興国も最近に入り拡大速度は更に速まり、米国も一日の感染者数は相変わらず多い。韓銀のパク・ジョンソク副総裁補は「中国の技術企業に対する米国の牽制(けんせい)がハードウェア企業からソフトウェア企業に拡大する様相」としながら「新型コロナの他にも米中葛藤の拡大で世界交易が早期回復するのは難しそうだ」と診断した。
韓銀は今年3月と5月の2回にわたり基準金利を年1.25%から0.50%まで合計0.75%ポイント引き下げた。7~8月2度の会議では凍結した。全般的な成長鈍化と低い物価上昇圧力などを考慮し、通貨政策の緩和基調を維持していくというのが韓銀の立場だ。8月末の金通委で明らかにした立場と同一だ。パク副総裁補は「グローバル経済の不確実性が相変らず高い状況で、輸出の回復がずれ込む可能性を排除しにくい」とし「ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)の強化により、消費回復が予想よりも鈍化する可能性もある」と話した。
韓銀は新型コロナの長期化で対面サービスの消費萎縮、雇用および所得条件の改善遅延、代替消費拡大関連の不確実性などが民間消費の回復を制約すると見通した。新型コロナ拡散初期に大きく萎縮した民間消費は4-6月期、大幅に反騰した。しかし、財貨とサービス間の回復速度の格差は相当ある状態だ。昨年と比較して、乗用車・コンピュータ・家具などの耐久材販売は大きく伸びたが、宿泊・飲食、芸術・スポーツ・レジャーなどのサービス消費は相変らず反騰できないままだ。
◆「住宅市場への資金流入、持続する可能性がある」
問題は新型コロナ2次拡大で対面サービスを避ける傾向が当面続く可能性が高まったという点だ。イ・サンヒョン通貨政策局長は「防疫措置が緩和されても対面活動の萎縮はワクチンや治療剤の開発など保健上の安全性が立証される前までは顕著に上向きにはなりにくい」としながら「宿泊・飲食業などはその他の産業よりも就職誘起効果が高く雇用衝撃が相対的に大きく現れる可能性がある」と見通した。
住宅市場に関しては、ひとまず政府の関連対策、新型コロナ再拡散に伴う景気不確実性などで住宅価格の上昇期待が緩和すると見通した。パク副総裁見補は「ただし、これまでの住宅取引増加、チョンセ価格の上昇、下半期の分譲および入居物件量の拡大などが増大要因としてはたらく可能性がある」とし「住宅市場への資金の流入傾向が持続する可能性を排除しにくいため、関連動向を綿密に点検する必要がある」と話した。
今回報告書には急増した市中通貨量に対する分析もまとめられた。昨年12月7.9%(平残、前年同月比)だったM2増加率は今年6月9.9%へと大幅に上昇した。M2は現金と要求払預金、随時入出金式預金(以上、M1)の他に、マネー・マーケット・ファンド(MMF)や2年未満の定期例・積立金など短期金融商品を含む。韓銀は今年の通貨増加率の急上昇は、企業部門で流動性供給が大幅に増えたことに起因すると説明した。実際、今年上半期の企業信用は125兆2000億ウォン(約11兆2000億円)増加し、2001年統計作成以降最大値を記録した。
イ局長は「業種別に製造業と卸・小売業を中心に大幅に増えたが、ほぼ新型コロナの衝撃を克服するための用途に使われたとみられる」と話した。このように供給された流動性の大部分は短期制金融商品に入っている。すぐに使用先を探せない資金が多いということだ。イ局長は「豊富な流動性が衝撃を緩和するのに寄与したが、短期化した資金が収益追求のために資産市場などに偏る可能性が懸念される」と話した。
事実上、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)がイシューを独占してから8カ月、今年残り4カ月間の韓国経済を見つめる韓国銀行の診断は暗い。差し当たり今の危機がさらに大きな実物経済衝撃に進化する可能性は大きくない。為替レート・証券市場など金融市場の状況も比較的安定的だ。しかし輸出不振が長くなり、サービス業を中心に民間消費の回復も予想より遅い。こうした中、危機克服過程で供給した流動性が資産市場のバブルを引き起こす懸念もある。新型コロナの長期化が韓国経済を予想よりも長期間にわたって苦しめる可能性があるという意味だ。
韓銀が10日、金融通貨委員会を開いてこのような内容をまとめた入れた通貨信用政策報告書を議決した。通貨信用政策報告書は通貨信用政策の決定内容とその背景や今後の政策方向などを整理して国会に提出(年2回以上)する報告書だ。今年6月と同じように、今回の報告書には新型コロナの世界拡大による実物経済の萎縮に対する懸念と国内外の金融市場展望などがまとめられた。
◆新型コロナ以外にも米中葛藤…早期回復は難しい
ひとまず新型コロナの拡散速度はやや鈍化し、世界経済が下半期から改善傾向を示すだろうという以前の期待は消えた。8月中旬から始まった国内2次拡大が足を引っ張っている。インドなどの新興国も最近に入り拡大速度は更に速まり、米国も一日の感染者数は相変わらず多い。韓銀のパク・ジョンソク副総裁補は「中国の技術企業に対する米国の牽制(けんせい)がハードウェア企業からソフトウェア企業に拡大する様相」としながら「新型コロナの他にも米中葛藤の拡大で世界交易が早期回復するのは難しそうだ」と診断した。
韓銀は今年3月と5月の2回にわたり基準金利を年1.25%から0.50%まで合計0.75%ポイント引き下げた。7~8月2度の会議では凍結した。全般的な成長鈍化と低い物価上昇圧力などを考慮し、通貨政策の緩和基調を維持していくというのが韓銀の立場だ。8月末の金通委で明らかにした立場と同一だ。パク副総裁補は「グローバル経済の不確実性が相変らず高い状況で、輸出の回復がずれ込む可能性を排除しにくい」とし「ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)の強化により、消費回復が予想よりも鈍化する可能性もある」と話した。
韓銀は新型コロナの長期化で対面サービスの消費萎縮、雇用および所得条件の改善遅延、代替消費拡大関連の不確実性などが民間消費の回復を制約すると見通した。新型コロナ拡散初期に大きく萎縮した民間消費は4-6月期、大幅に反騰した。しかし、財貨とサービス間の回復速度の格差は相当ある状態だ。昨年と比較して、乗用車・コンピュータ・家具などの耐久材販売は大きく伸びたが、宿泊・飲食、芸術・スポーツ・レジャーなどのサービス消費は相変らず反騰できないままだ。
◆「住宅市場への資金流入、持続する可能性がある」
問題は新型コロナ2次拡大で対面サービスを避ける傾向が当面続く可能性が高まったという点だ。イ・サンヒョン通貨政策局長は「防疫措置が緩和されても対面活動の萎縮はワクチンや治療剤の開発など保健上の安全性が立証される前までは顕著に上向きにはなりにくい」としながら「宿泊・飲食業などはその他の産業よりも就職誘起効果が高く雇用衝撃が相対的に大きく現れる可能性がある」と見通した。
住宅市場に関しては、ひとまず政府の関連対策、新型コロナ再拡散に伴う景気不確実性などで住宅価格の上昇期待が緩和すると見通した。パク副総裁見補は「ただし、これまでの住宅取引増加、チョンセ価格の上昇、下半期の分譲および入居物件量の拡大などが増大要因としてはたらく可能性がある」とし「住宅市場への資金の流入傾向が持続する可能性を排除しにくいため、関連動向を綿密に点検する必要がある」と話した。
今回報告書には急増した市中通貨量に対する分析もまとめられた。昨年12月7.9%(平残、前年同月比)だったM2増加率は今年6月9.9%へと大幅に上昇した。M2は現金と要求払預金、随時入出金式預金(以上、M1)の他に、マネー・マーケット・ファンド(MMF)や2年未満の定期例・積立金など短期金融商品を含む。韓銀は今年の通貨増加率の急上昇は、企業部門で流動性供給が大幅に増えたことに起因すると説明した。実際、今年上半期の企業信用は125兆2000億ウォン(約11兆2000億円)増加し、2001年統計作成以降最大値を記録した。
イ局長は「業種別に製造業と卸・小売業を中心に大幅に増えたが、ほぼ新型コロナの衝撃を克服するための用途に使われたとみられる」と話した。このように供給された流動性の大部分は短期制金融商品に入っている。すぐに使用先を探せない資金が多いということだ。イ局長は「豊富な流動性が衝撃を緩和するのに寄与したが、短期化した資金が収益追求のために資産市場などに偏る可能性が懸念される」と話した。
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