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泥沼化する米中半導体戦争…笑うのは日本?

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
今年5月、米商務省が本格的にファーウェイ(華為技術)を締め上げた。「自国の技術を活用する海外企業がファーウェイに特定の半導体を供給する場合、米国の許可を受けなければいけない」と宣言した。この時、株価が上がった企業がある。インテルやクアルコムなどの米国企業ではない。米国の脅しでファーウェイと縁を切った韓国のサムスン電子や台湾のTSMCでもない。日本の半導体装備企業、東京エレクトロンだ。

香港アジアタイムズによると、米商務省の発表前まで1株2万3000円だったこの企業の株価は6月末に3万円を超えた。1年前と比較すると倍以上だ。

米国のファーウェイ制裁と日本企業の株価上昇にどういう関係があるということなのか。確実にある。アジアタイムズと米ウォールストリートジャーナル(WSJ)はそう分析する。WSJは20日、「米中間の半導体技術戦争で東京エレクトロンは大きな利益を得るだろう」と予想した。いわば「漁夫の利」だ。


なぜか。詳しく見てみよう。米国は5-8月、ファーウェイを圧迫した。「不満があるのなら米国技術0%の半導体を作って使え」。これが米国の態度だ。中国の内心はこうだ。「そのつもりだ。今はそれができないからお前たちの技術を使っただけだ。必ず自立する」。

WSJが「ファーウェイが米国の制裁の中で生き残れるかは不透明」としながらも「中国は半導体産業の育成にさらに拍車を加えるだろう」と主張した理由だ。実際、中国は半導体生産基盤の建設に熱を上げている。中国は株式市場と政府を通じて数十億ドルの資金をSMICなど自国の半導体企業に投資している。

WSJはこう例える。「建設ブームが起これば装備がよく売れる」。売れる装備が東京エレクトロンの製品ということだ。WSJは「米中間の対立を考慮すれば、中国が東京エレクトロンのようなところを好む可能性がある」と予想している。

理由は何か。サムスン電子やクアルコム、インテルなどの半導体生産企業も装備は購入して使う。もちろん半導体装備業界を掌握しているのは米国だ。トランプ政権の制裁がファーウェイを締め付けることができる理由だ。

しかし米国が100%独占しているわけではない。米半導体市場調査会社ザ・インフォメーションネットワークによると、昨年を基準に東京エレクトロンは市場シェア16.7%で世界4位。しかし1位の米国のアプライド・マテリアルズ(18.8%)、2位のオランダのASML(17.6%)、3位の米国のラムリサーチ(16.8%)と大きな差はない。

競争力も高い。WSJによると、東京エレクトロンは特に半導体装備の核心のエッチング装置およびコータ、デベロッパなどに強い。コータ、デベロッパ分野では東京エレクトロンの市場シェアが91%にのぼる。

東京エレクトロンも中国が重要だ。WSJによると、昨年6月から今年6月まで東京エレクトロンの1年間の売上高のうち中国の比率は20%にのぼる。アジアタイムズは「中国は2019年に入ってから東京エレクトロンの最も大きな市場になった」と分析する。以前まで最も大きな顧客だった韓国との取引が安倍政権の輸出制限措置で急減した。サムスン電子とSKハイニックスという大きな取引先を失い、東京エレクトロンも中国に依存するしかない。

実際、東京エレクトロンは6月末、株主への業績報告で「米国の強力な制裁で中国への輸出が取り消しまたは延期されるようなことは生じていない」と明らかにした。米国の圧力の中でも中国市場をあきらめないことを示唆したのだ。

もちろん日中蜜月関係には限界がある。トランプ大統領の表情を眺める安倍首相が米国政府の声で東京エレクトロンに注文を付ける可能性がある。中国が望むすべての装備を東京エレクトロンが作るのも難しい。WSJは「米国が(8月に公言したように)自国装備の購買を全面禁止にすれば中国企業が半導体生産ラインを建設するのは不可能に近い」と指摘する。

それでも東京エレクトロンに注目する必要がある。日本経済新聞によると、東京エレクトロンは今年、過去最大規模の1350億円を投資し、次世代半導体製造技術EUV(極端紫外線)工程に関連する装備を開発する。世界1・2位のファウンドリー(半導体委託生産企業))のTSMCとサムスン電子がEUVで5ナノメートル(10億分の1メートル)級の超精密半導体製造競争に入ったからだ。中国との関係が切れても東京エレクトロンはEUV市場で生きる道を探る考えだ。

これが可能なのは結局、技術力のためだ。WSJは「中国が半導体で自立できるかは分からない」とし「確実なのは高い技術を持つ企業は米中間の対立の中で利益を得るという点」と指摘する。韓国企業も肝に銘じるべき言葉だ。



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