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【グローバルアイ】コロナ時代の「観光立国」日本

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

函館の主な観光地である金森赤レンガ倉庫の閑散とした様子。ユン・ソルヨン特派員

新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)で外部の人々の足が急に途絶えた都市はこの上なくわびしかった。ホテルは空室ばかりが目立ち客はおらず、営業していない商店が多かった。100年以上の伝統がある路面電車は2、3人の客を乗せて路面を走った。人々が街角から消えると、160年前の開港と共に建設されたという立派な近代式建物も幽霊都市の剥製品と大差ないように見えた。先週訪問した北海道の代表的な観光都市・函館の姿だ。

2018年、北海道には5502万人の観光客が訪れた。外国人観光客はこのうち313万人程度で、日本全体観光客の約10%が北海道を訪問した。韓国人の訪問客も73万人にものぼった。

国内外の観光客が落としていったお金は1兆4398億円(2018年)で、これによる雇用効果も約19万人と推算される。ホテルやリゾートが各地に参入し、観光業が北海道経済をけん引していたといっても過言ではない。そのような北海道が今は新型コロナウイルス(新型肺炎)の直撃を受けた。


このような状況は北海道だけではない。外国人観光客の依存度が高い京都や沖縄などは状況がもっと深刻だ。日本政府は当初、今年の観光需要を5兆円、外国人観光客4000万人を予想した。東京オリンピック(五輪)開催も勘案した計算だった。だが、新型コロナでこのような構想は水の泡になった。

今月3日、リサーチ会社「帝国データバンク」によると、新型コロナで経営が悪化し、倒産した企業が全国406カ所に達することが明らかになった。大部分が飲食店、ホテル、旅館などで、観光に関連がある業種だ。特に約80%が負債額が5億円未満の零細な中小企業だった。

このような状況で日本政府が打ち出したのが「Go To トラベル」キャンペーンだ。新型コロナが全国に広がることが明らかに予想されているにもかかわらず、「経済こそ社会の生命」としながら強行した。菅義偉官房長官は「全国約900万人の旅行業関係者は、現実的には瀕死(ひんし)の状態。そうした人々の生活を守っていくことも政治にとって極めて重要なこと」とし、事実上の泣訴をした。韓国、中国、台湾など経済関連度の高い国からの入国制限緩和を宣言したことも、鎖国を続ければ経済回復の機会を逃しかねないという不安感が作用した。

アベノミクスの核心政策だった『観光立国』が新型コロナという思いがけない伏兵に襲われた。経済専門家は以前の状況に回復するには少なくとも3年以上はかかるという分析を出している。日本銀行は今年実質GDP成長率を-4.7%と予想した。世界第3位の経済大国・日本も新型コロナの深い沼に陥っている。

ユン・ソルヨン/東京特派員



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