先月21日午後12時、済州西帰浦市(チェジュ・ソギポシ)の和順(ファスン)港沖。済州道海洋水産研究院の船舶から大型無人観測装備が下ろされた。「ウェーブグライダー(Wave Glider)」と名付けられた、長さ3メートル×重さ150キログラムの広域無人海洋観測装備だ。1台あたり価格は4億ウォン(約3500万円)に達する。この日、船から下ろされた装備は、周辺海域の水温と塩分情報を衛星を通じてリアルタイムに集めて所定の場所に送る任務を担う。太陽光と潮流を利用して自ら動力を作り、時速2キロの速度で動く。和順港西125キロ沖まで移動する。海の水温と塩分を自動で測定し、10分ごとに資料を衛星に送り、陸地にいる研究陣がこれを受信して確認することができる。
済州の海にこの装備が投入された理由は、中国発の低塩分水の脅威のためだ。中国南部地域にもたらされた長期大雨で、揚子江(長江)流出量が急激に増えて、済州沿岸への低塩分水流入が予想されながら関係当局は緊張している。
低塩分水は塩分濃度が30psu(ピーエスユー)以下の海水のことを指す。海水1キロに溶けている塩分が30グラムよりも少ないことを意味する。普通、塩分がない川の水と海水が出会うと形成される。水産生物が低塩分水にさらされると浸透圧の調節に影響を及ぼしてストレスを誘発し、斃死に至る場合もある。1996年済州沿岸に19~25psuの低塩分水が流入し、大静(テジョン)など西部地域漁場でサザエやアワビなど約184トンが斃死し、59億ウォンの被害が発生したことがある。
海洋水産部は中国発低塩分水の被害を予防するために対応体系を用意してモニタリングを強化している。海洋水産部所属の国立水産科学院は、現在、人工衛生「千里眼」と独自のリアルタイム海洋環境漁場情報システムを通じて低塩分水の移動経路と流入現況をモニタリングしている。水産科学院は水産科学調査船2隻(タムグ3号・8号)を出港させて、4日から東シナ海北部の海域や済州道周辺海域および沿岸〔遮帰島(シャギド)・慕瑟浦(モスルポ)港〕で詳しい現場調査を実施する計画だ。
済州道は先月10日から済州道海洋水産研究院が中国発低塩分・高水温の海水の塊りが済州西北にある沿岸に流入する場合に備えて、非常状況班を編成して西南部50マイル海域に対する広域予察調査に着手した。続いて先月31日には、中国揚子江大洪水対備非常対策会議を開いて独自対応マニュアル点検などを進めた。元喜龍(ウォン・ヒリョン)済州知事は「揚子江下流の大洪水は海洋環境の悪化と漁民被害が懸念されるだけに、備えを徹底しておかなければならない」と強調した。
中国南部地域の記録的な大雨で揚子江の1秒あたりの流出量は先月12日には8万3200トンまで増えた。先月21日と22日にもそれぞれ7万5000トン、7万7000トンとなっている。揚子江の平年流出量4万4000トンに比べて2倍近く多く、済州に低塩噴水が影響を及ぼした2016年6万6700トンよりも1万トン以上も多い。ここに世界最大のダムである三峡ダムの崩壊の可能性まで提起されている状況で、中国が放流量を減らさないだろうという点も懸念を高めている。
済州道によると、中国発低塩分水は今月中旬から海流と風によって東シナ海北部および済州道西部海域を経て沿岸まで到達すると予想されている。済州大学地球海洋学科のムン・ジェホン教授は「海洋状況によって異なるが、2~3週間以内に済州近海の海上に中国発低塩分水が到達することが予測される」とし「海に一度流れ出てしまった低塩分水は、自然災害の台風のように現在の技術では防ぐ手立てがなく、事前に動きをあらかじめよく把握して漁民被害を最小化しなければならない」と話した。
済州の海にこの装備が投入された理由は、中国発の低塩分水の脅威のためだ。中国南部地域にもたらされた長期大雨で、揚子江(長江)流出量が急激に増えて、済州沿岸への低塩分水流入が予想されながら関係当局は緊張している。
低塩分水は塩分濃度が30psu(ピーエスユー)以下の海水のことを指す。海水1キロに溶けている塩分が30グラムよりも少ないことを意味する。普通、塩分がない川の水と海水が出会うと形成される。水産生物が低塩分水にさらされると浸透圧の調節に影響を及ぼしてストレスを誘発し、斃死に至る場合もある。1996年済州沿岸に19~25psuの低塩分水が流入し、大静(テジョン)など西部地域漁場でサザエやアワビなど約184トンが斃死し、59億ウォンの被害が発生したことがある。
海洋水産部は中国発低塩分水の被害を予防するために対応体系を用意してモニタリングを強化している。海洋水産部所属の国立水産科学院は、現在、人工衛生「千里眼」と独自のリアルタイム海洋環境漁場情報システムを通じて低塩分水の移動経路と流入現況をモニタリングしている。水産科学院は水産科学調査船2隻(タムグ3号・8号)を出港させて、4日から東シナ海北部の海域や済州道周辺海域および沿岸〔遮帰島(シャギド)・慕瑟浦(モスルポ)港〕で詳しい現場調査を実施する計画だ。
済州道は先月10日から済州道海洋水産研究院が中国発低塩分・高水温の海水の塊りが済州西北にある沿岸に流入する場合に備えて、非常状況班を編成して西南部50マイル海域に対する広域予察調査に着手した。続いて先月31日には、中国揚子江大洪水対備非常対策会議を開いて独自対応マニュアル点検などを進めた。元喜龍(ウォン・ヒリョン)済州知事は「揚子江下流の大洪水は海洋環境の悪化と漁民被害が懸念されるだけに、備えを徹底しておかなければならない」と強調した。
中国南部地域の記録的な大雨で揚子江の1秒あたりの流出量は先月12日には8万3200トンまで増えた。先月21日と22日にもそれぞれ7万5000トン、7万7000トンとなっている。揚子江の平年流出量4万4000トンに比べて2倍近く多く、済州に低塩噴水が影響を及ぼした2016年6万6700トンよりも1万トン以上も多い。ここに世界最大のダムである三峡ダムの崩壊の可能性まで提起されている状況で、中国が放流量を減らさないだろうという点も懸念を高めている。
済州道によると、中国発低塩分水は今月中旬から海流と風によって東シナ海北部および済州道西部海域を経て沿岸まで到達すると予想されている。済州大学地球海洋学科のムン・ジェホン教授は「海洋状況によって異なるが、2~3週間以内に済州近海の海上に中国発低塩分水が到達することが予測される」とし「海に一度流れ出てしまった低塩分水は、自然災害の台風のように現在の技術では防ぐ手立てがなく、事前に動きをあらかじめよく把握して漁民被害を最小化しなければならない」と話した。
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