このところ京畿道平沢市(キョンギド・ピョンテクシ)の公務員のいちばんの課題は「工業用水確保」だ。サムスン電子が最近「2025年から1日に水25万トンを追加で供給してほしい」と要請したためだ。水の追加調達は容易なことでない。水源を確保しても平沢まで水を引き込む過程で集団請願など多様な変数が生じることがある。サムスン電子に供給中の水22万トンを確保するのにも10年かかった。
サムスン電子とSKハイニックスが時ならぬ「水確保戦争」を行っている。半導体超格差維持に向け京畿道平沢と竜仁などに新しい工場を作っているが、工場稼動に必須の数十万トン規模の水を引いてくるのが容易ではないためだ。
◇半導体工場に1日水20万トン必要
29日の半導体業界によると、サムスン電子とSKハイニックスの主要生産工場は1日10万トン以上の工業用水を使っている。サムスン電子器興(キフン)・華城(ファソン)事業所では16万トン、SKハイニックス清州(チョンジュ)M15では15万トン、M16工場を作っているSKハイニックス利川(イチョン)事業所では23万トンが必要だ。着工予定のサムスン電子平沢4~6期は1日25万トン、SKハイニックス竜仁クラスターは1日26万トンが必要になる予定だ。
1日数十万トンの工業用水が必要なのは多くの半導体生産工程で水が使われるためだ。半導体企業は工業用水から不純物を除去した「超純水」を工程に使う。超純水はウエハーと半導体を洗う洗浄やウエハーを削る蝕刻工程に活用される。高度に精製された水を使うのは半導体がマイクロメートル(100万分の1メートル)単位の不純物にも敏感に反応するためだ。半導体業界関係者は「歩留まり(生産品のうち良品の割合)を高めるのにきれいな水が必須」と説明した。
◇電力並みに重要な「水の調達」
半導体企業は工場新設を企画する段階から電力供給とともに水調達案を最も重要に考えるというのが専門家らの話だ。サムスン電子が平沢市に必要なタイミングである2025年の5~6年前から「水追加供給案をまとめてほしい」と注文したのもこうした理由からだ。水源確保と排水管建設過程で損失補償要求が発生し、事業施行など行政手続きだけで長くて5年以上かかる。河川と工場の間にある自治体住民らが請願を提起する可能性まで「予想できない」問題がいきなり出てくることもある。サムスンは昨年3月にわずか1.5キロメートル離れた京畿道西安城(アンソン)変電所から平沢高徳(コドク)産業団地まで送電線を建設し電力を引き込むのにも住民の反発などの理由で5年を浪費した。
京畿道竜仁市遠三面(ウォンサムミョン)一帯448万平方メートルの敷地に120兆ウォンをかけて4つの半導体工場を作る案を確定したSKハイニックスも「水戦争」を行っている。SKハイニックスと竜仁市は水確保案のひとつとして1日26万トン規模の工業用水を八堂(パルダン)上水源から河南(ハナム)を経て竜仁まで引いてくる案を検討したが、河南市から公式に反対意見を受けた。周辺自治体と住民らの激しい反対が原因だ。
先端浄化施設を経て使われた水を捨てるのも容易ではない。SKは「放流水が流れ込む河川は天然記念物のカワウソが生息するほど1級水と変わらない」と強調したが住民らは疑いをおさめることができない状況だ。SKハイニックスは竜仁工場の放流水を安城川に送る計画だったが安城市民の反対で確定できずにいる。
◇浄水場建設費まで企業が負担
サムスン電子の要請を受けた平沢市も周辺自治体の請願の可能性などを心配している。平沢市は約100キロメートル離れた忠州(チュンジュ)ダムから水を持ってくることを検討したが、10兆ウォン規模の工事費と忠清北道陰城(チュンチョンブクド・ウムソン)、京畿道安城など送水管を埋設しなければならない自治体の反対の可能性のため計画を引っ込めた。代わりに近くの梧城江(オソンガン)周辺に約5500億ウォンをかけて浄水場を作ることを有力に協議中だ。平沢市はサムスン電子から工事費用を受け取り、事後に水道料金で精算することを検討している。
ただ浄水場完工時期が2027年と予想される点は解決課題に挙げられる。業界ではサムスン電子の平沢半導体6工場竣工スケジュールが2年ほど遅れる可能性もあるとの懸念まで出ている。
サムスン電子とSKハイニックスが時ならぬ「水確保戦争」を行っている。半導体超格差維持に向け京畿道平沢と竜仁などに新しい工場を作っているが、工場稼動に必須の数十万トン規模の水を引いてくるのが容易ではないためだ。
◇半導体工場に1日水20万トン必要
29日の半導体業界によると、サムスン電子とSKハイニックスの主要生産工場は1日10万トン以上の工業用水を使っている。サムスン電子器興(キフン)・華城(ファソン)事業所では16万トン、SKハイニックス清州(チョンジュ)M15では15万トン、M16工場を作っているSKハイニックス利川(イチョン)事業所では23万トンが必要だ。着工予定のサムスン電子平沢4~6期は1日25万トン、SKハイニックス竜仁クラスターは1日26万トンが必要になる予定だ。
1日数十万トンの工業用水が必要なのは多くの半導体生産工程で水が使われるためだ。半導体企業は工業用水から不純物を除去した「超純水」を工程に使う。超純水はウエハーと半導体を洗う洗浄やウエハーを削る蝕刻工程に活用される。高度に精製された水を使うのは半導体がマイクロメートル(100万分の1メートル)単位の不純物にも敏感に反応するためだ。半導体業界関係者は「歩留まり(生産品のうち良品の割合)を高めるのにきれいな水が必須」と説明した。
◇電力並みに重要な「水の調達」
半導体企業は工場新設を企画する段階から電力供給とともに水調達案を最も重要に考えるというのが専門家らの話だ。サムスン電子が平沢市に必要なタイミングである2025年の5~6年前から「水追加供給案をまとめてほしい」と注文したのもこうした理由からだ。水源確保と排水管建設過程で損失補償要求が発生し、事業施行など行政手続きだけで長くて5年以上かかる。河川と工場の間にある自治体住民らが請願を提起する可能性まで「予想できない」問題がいきなり出てくることもある。サムスンは昨年3月にわずか1.5キロメートル離れた京畿道西安城(アンソン)変電所から平沢高徳(コドク)産業団地まで送電線を建設し電力を引き込むのにも住民の反発などの理由で5年を浪費した。
京畿道竜仁市遠三面(ウォンサムミョン)一帯448万平方メートルの敷地に120兆ウォンをかけて4つの半導体工場を作る案を確定したSKハイニックスも「水戦争」を行っている。SKハイニックスと竜仁市は水確保案のひとつとして1日26万トン規模の工業用水を八堂(パルダン)上水源から河南(ハナム)を経て竜仁まで引いてくる案を検討したが、河南市から公式に反対意見を受けた。周辺自治体と住民らの激しい反対が原因だ。
先端浄化施設を経て使われた水を捨てるのも容易ではない。SKは「放流水が流れ込む河川は天然記念物のカワウソが生息するほど1級水と変わらない」と強調したが住民らは疑いをおさめることができない状況だ。SKハイニックスは竜仁工場の放流水を安城川に送る計画だったが安城市民の反対で確定できずにいる。
◇浄水場建設費まで企業が負担
サムスン電子の要請を受けた平沢市も周辺自治体の請願の可能性などを心配している。平沢市は約100キロメートル離れた忠州(チュンジュ)ダムから水を持ってくることを検討したが、10兆ウォン規模の工事費と忠清北道陰城(チュンチョンブクド・ウムソン)、京畿道安城など送水管を埋設しなければならない自治体の反対の可能性のため計画を引っ込めた。代わりに近くの梧城江(オソンガン)周辺に約5500億ウォンをかけて浄水場を作ることを有力に協議中だ。平沢市はサムスン電子から工事費用を受け取り、事後に水道料金で精算することを検討している。
ただ浄水場完工時期が2027年と予想される点は解決課題に挙げられる。業界ではサムスン電子の平沢半導体6工場竣工スケジュールが2年ほど遅れる可能性もあるとの懸念まで出ている。
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