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韓国軍は排水路の警戒突破され、警察は越北2日後に令状申請

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

京畿道漣川地域前方GOPの鉄柵。鉄柵に白い網が細かく設置されている。[写真 韓国陸軍]

越北した脱北民のキム氏(24)が江華島(カンファド)の海岸鉄柵の下の排水路を通じて北朝鮮へ渡っていったとみられると韓国軍当局が明らかにした。合同参謀本部のキム・ジュンラク公報室長は27日、定例記者会見で「該当人員(越北者)の越北推定位置を江華島一帯で特定した」とし「遺棄されたカバンを発見し、現在詳細に調査している」と付け加えた。軍関係者は「キム氏が海岸鉄柵の下の排水路を使って抜け出た後、北朝鮮側に向かって泳いでいったものとみられる」と説明した。

合同参謀本部や警察、江華邑事務所などによると、キム氏のカバンがみつかったのは、仁川(インチョン)の有形文化財に指定されている亭子「燕尾亭」の近くの排水路だ。カバンの中には水中メガネや服、通帳一冊と現金500万ウォン(約44万円)をドル(480万ウォン相当)に両替した領収書などが出てきた。

キム氏が該当のルートに沿って越北したのが事実なら、軍の警戒態勢を突破されたという非難を避けられない見通しだ。江華島北側の海岸鉄柵にはセンサーやカメラなど科学化警戒システムが設置されている。軍は「該当システムには死角地帯がない」と自負してきたが、鉄柵の毀損信号は感知されなかった。


キム氏が鉄柵に触れないで監視をすり抜け、排水路を使って抜け出たといっても疑問は残る。通常、鉄柵の下の排水路も鉄格子がはめ込まれて人などが通れないようになっているためだ。軍は昨年アフリカ豚熱(ASF)が広がっていたとき、感染猪の越南の憂慮に「排水路の鉄格子があるから不可能」と説明した。したがってキム氏がこの鉄格子をどのように通過したのかも調査すべき対象だ。鉄格子が毀損されたまま放置されていたとすれば、軍の警戒は失敗だったみることができる。

キム氏は何週間にもわたって越北を緻密に準備してきたが、すでに性犯罪被疑者として立件されたキム氏の位置さえまともに把握することができなかった警察の対応も俎上に載せられた。京畿(キョンギ)南部地方警察庁によると、キム氏は先月12日に性暴行容疑で告訴された。今月4日には警察がキム氏のDNA証拠を確保した。

キム氏が周辺を整理した情況もこのころから確認されている。今月初め、ダンボール3~4個分の荷物を出して捨てたというのが同じマンションの住民の証言だ。15日にはアパートを引き払い、知人であるユーチューバーのキム・ジナ氏に借りた車両(K3)も日産の中古車センターに持ち込み処分した。17日には喬桐島(キョドンド)などの下見もしている。最後の足跡は18日午前2時20分ごろ、タクシーに乗って江華で降りたことが確認されている。

だが、警察は19日午前にキム氏を探し始めた。キム・ジナ氏が19日午前1時1分ごろ、越北者キム氏を担当する金浦(キンポ)警察署所属の身辺保護官に「(キムOOが)ドルを変えたという。昨日、ドルを持って北朝鮮に行けたらいいなといいながら喬桐島に行ったそうだ」とSNSメッセージを送った。該当身辺保護官はそれから8時間後の19日午前9時ごろ、キム氏に連絡したが、電話機はすでに消えていた。

警察はそのとき初めて「逃走のおそれがある」として出国禁止(20日)、拘束令状の申請(21日、同日拘留令状発布)、位置追跡(24日)などに出た。北朝鮮が明らかにしたキム氏の越北時点(19日)が事実なら、キム氏がすでに北朝鮮に渡ってしまった状況で身柄確保の捜査を始めたといえる。

これについて野党「未来統合党」の金恩慧(キム・ウンヘ)報道官は、中央日報の電話取材に対して「北朝鮮へのビラには鉄壁警戒の鋭い矛先を光らせていたのに、性暴行容疑で警察の調査を受けていた脱北民にはあきれたことに『水泳越北』を許した」と批判した。国民の党の安哲秀(アン・チョルス)代表も「北朝鮮の主張が事実なら、警戒もいい加減、治安もいい加減、防疫もいい加減」とし「文在寅(ムン・ジェイン)政権の安保点数は一言で0点」と批判した。



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