中国雲南省ではさまざまなキノコが育っている。毎年雲南省では新種のキノコ12種が新たに発見された。[写真 ツイッター]
最近英国週刊誌エコノミストは野生キノコを採るために森の中に集まる中国雲南省の住民たちの話を報じた。
毎年初めての梅雨が雲南を過ぎていけば本格的な野生キノコの採取シーズンがやってくる。背中にかごを背負ったおばあさんたちが手鉤と棒を持って深い森の中に集まる。シーズンになると大人たちはもちろん、子どもたちまでキノコ採取に余念がない。
普通5~10月に採集する野生キノコは雲南住民には重要な生計手段だ。雲南省の野生キノコの販売量は年間16万トンに達する。エコノミスト誌は「雲南省の野生キノコで年間100億中国元(1兆7000億ウォン)の収入が創出される」と報じた。
雲南省住民であるウファハイさんは急斜面の隅々まで探して1カ月にキノコ採取で4000中国元(約6万円)を儲ける。これは彼が運転手として働いて儲ける月給に相当する。儲かる人はキノコで1万元までも儲けられるという。1万元といえば、今年上半期北京など中国の主な大都市の新入社員の月給(8227元)より多い。
雲南省の野生キノコは海外でも価値を認められている。フランスの高級食堂でも優遇されるのが雲南省のアミガサタケだ。アミガサタケは1キロ当たり1000元で売れる。欧州では雲南産ポルチーニタケが、韓国・日本ではマツタケが人気だ。
中国内でも食材料が高級化して昨年には採りたてのマツタケを急行列車にのせて30時間以内にかごごとに宴会場へ配達するサービスも作られた。いわゆる「キノコ特急配送列車」だ。鮮度が落ちるのは冷凍状態で販売される。
雲南省がキノコ産地として注目された理由がある。
雲南省は中国陸地面積の4%に過ぎないが、中国の知らされた食材料1000種の中で800種以上を手に入れることができる「天然食材料の宝庫」だ。特に、キノコの場合はまだ知らされていない種が残っている。昆明植物学研究所のヤンジュリャン研究員によると、雲南省では毎年キノコ12種がさらに発掘されている。
しかし、皆が雲南省住民たちのようにキノコで金を儲けられるわけではない。さらにベテランとされる住民すら間違って毒キノコを食べて死亡する事例があるからだ。
エコノミスト誌は「雲南省でキノコはお金を意味するが、キノコを間違って選んだ人には死を意味する」と報じた。食用キノコと毒キノコは区分が簡単でなく、やたらに食べてしまえば命を失う。エコノミスト誌は「人体に害のないヒラタケと似ている『小さい白いキノコ』は雲南省住民たちがキノコ採取期間に急死する原因とされた」と報じた。
野生キノコが国内外で注目されているため、雲南省ではキノコ採取が過熱する様相を見せている。キノコを採り過ぎて棲息地が破壊されるのはもちろん、大きくなったキノコが品切れになって小さいキノコまで一気に採られる場合もある。このような場合、キノコの生態系が崩れる恐れがある。数年間キノコを採ってきたヤンフンインさんは「かつてよりキノコ棲息地が非常に減った」とし「今出荷されるキノコの量は過去の10%程度だ」と話した。
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