文大統領の沈黙は選択的だ。敵と同志、相手方と我方によって決まる。昨年3月、いわゆる「積弊」を狙ったチャン・ジャヨン-金学義(キム・ハクウィ)事件の再捜査を指示した時は、これ見よがしに大声を張り上げた。「社会特権層で起きた事件の真実を糾明できないなら正しい社会とは呼べない」と一喝した。ところがどうしたことか、今月9日の朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長の死以降、2週間が過ぎようとしているというのに何の話もない。「長年、縁を築いてきた人だったので衝撃的」という伝言を添えて喪家に弔花を送ったが、被害者の痛みに対しては今まで一言の言及すらない。セクハラにあったソウル市長女性秘書は積弊でも相手方でもないのに、なぜフェミニストを自任する大統領が無視するのか気になる。
大統領の沈黙に対する解釈はさまざまだ。朴元淳の二重性に怒った民心に同意しないと意味だというのが大半の意見だ。その理由が、マッチョ的な義理の発露であるかもしれないし、ある進歩学者の表現のように「100兆ウォンあっても復元できない」人物だと信じるためかもしれないし、権力型性暴行というより個人的な逸脱であり恥を死によって贖罪したので「事件終結」と見たためかもしれない。不動産政策の失敗などで窮地に追い込まれた状況で、「善良な政権」の墜落を防ごうとする言葉なき苦闘なのかもしれない。ただし、一つだけはっきりしていることがある。ソウル市葬で追慕の機運を盛り上げ、「被害訴え人」という言葉遊びを創造して被害者のせいにする2次加害について知らんふりを決め込むところを見ると、大衆の気まぐれと忘却を待とうという腹積もりであることが読める。
【中央時評】文大統領の非情な沈黙(2)
大統領の沈黙に対する解釈はさまざまだ。朴元淳の二重性に怒った民心に同意しないと意味だというのが大半の意見だ。その理由が、マッチョ的な義理の発露であるかもしれないし、ある進歩学者の表現のように「100兆ウォンあっても復元できない」人物だと信じるためかもしれないし、権力型性暴行というより個人的な逸脱であり恥を死によって贖罪したので「事件終結」と見たためかもしれない。不動産政策の失敗などで窮地に追い込まれた状況で、「善良な政権」の墜落を防ごうとする言葉なき苦闘なのかもしれない。ただし、一つだけはっきりしていることがある。ソウル市葬で追慕の機運を盛り上げ、「被害訴え人」という言葉遊びを創造して被害者のせいにする2次加害について知らんふりを決め込むところを見ると、大衆の気まぐれと忘却を待とうという腹積もりであることが読める。
【中央時評】文大統領の非情な沈黙(2)
この記事を読んで…