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韓国政府、外交安保ライン交代…南北関係の改善に注力

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

朴智元(パク・ジウォン)氏、李仁栄(イ・インヨン)氏、徐薫(ソ・フン)氏(左から)

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が3日、外交安保ラインを大幅に入れ替え、南北関係の改善に力を注ぐ。

文大統領はこの日、新しい国家情報院長の候補に朴智元(パク・ジウォン)元議員を、統一部長官候補に李仁栄(イ・インヨン)共に民主党議員を指名したと、青瓦台(チョンワデ、大統領府)の姜ミン碩(カン・ミンソク)報道官が明らかにした。鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長の後任には徐薫(ソ・フン)国家情報院長を内定した。外交安保ラインのうち対北朝鮮懸案を直接担当する人を同時に交代したのだ。統一部長官と国家情報院長は国会人事聴聞会を経て任命され、国家安保室長は早ければ6日に任命される。

李仁栄候補は全国大学生代表者協議会(全大協)初代議長で86グループ(1980年代の民主化運動に関わった1960年代生まれ)の象徴的な人物に挙げられる。4選議員で民主党院内代表に昨年選出された後、今年4・15総選挙の圧勝に寄与した。李候補は国会で記者に会い、「また平和に進む烏鵲橋をつくることはできなくても、礎石一つは確実に置くという気持ちで臨む」と述べた。与党関係者は「今後、南北関係で法改正や予算問題など国会と協議することが多い状況を勘案し、力がある政治家を指名したようだ」と述べた。


徐薫候補は国家情報院出身の外交安保専門家。過去3年余り文在寅(ムン・ジェイン)政権の初代国家情報院長を務めた。現政権で南北首脳会談と米朝首脳会談を実現させるのに寄与したという評価を受ける。徐候補は「我々の対外・対北政策に対する国際社会の支持を持続的に確保することが極めて重要」とし「特に我々の同盟の米国とはよりいっそう緊密に意思疎通し、また協力する」と明らかにした。

朴智元候補は「サプライズ抜てき」と評価される。朴候補は4選議員で、第20代国会では民主平和党、民生党の議員だった。文大統領が閣僚級に野党の要人を抜てきしたのは就任後初めて。朴候補は金大中(キム・デジュン)政権で青瓦台公報首席秘書官と大統領秘書室長、文化観光部長官を務め、2000年の6・15南北首脳会談合意を引き出すのに大きな役割をした。

また文大統領は大統領外交安保特別補佐官に鄭義溶室長と任鍾ソク(イム・ジョンソク)前大統領秘書室長を内定した。鄭室長は文在寅政権の初代安保室長として3年間ほど韓半島(朝鮮半島)安保懸案の第一線に立った。鄭室長は「現在の韓半島状況は厳しいが、これまで韓米朝3カ国首脳が築いた信頼に基づき韓半島平和プロセスは必ず成功すると信じる」と述べた。任前室長は文在寅政権の初代大統領秘書室長で、2018年の板門店(パンムンジョム)南北首脳会談当時に準備委員長を務め、実務を総括した。

専門家らは、文大統領が今回の人事を通じて南北関係を解決しようという強い意志を表した、と評価した。開城(ケソン)南北共同連絡事務所の爆破と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の対南軍事行動保留指示など南北関係が大きく揺れる状況で、どうにかして任期内に可視的な成果を出すという文大統領の意中が込められた人事という分析だ。

キム・ヨンヒョン東国大北朝鮮学科教授は「政治力があって戦略的な判断ができる朴候補を電撃抜てきしたこと自体が南北問題の解決に注力するという意味」とし「3人のうち2人が政治家である点も、任期後半の南北関係で具体的な成果を出すということだ」と評価した。

野党・未来統合党は「類例のない回転ドア人事」と批判した。統合党のペ・ジュンヨン報道官は「青瓦台は危機を克服していく力量を全く考えず、自らの政策失敗も認めなかった」とし「変化した姿勢で新しい対北戦略を立てるべき席には、昨今の危機状況に責任がある元対北ラインをそのまま配置した」と指摘した。



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