ジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の回顧録が連日、波紋を呼んでいる。回顧録は「2018年3月27日に板門店(パンムンジョム)で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と会談した文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、翌日、トランプ大統領に『金委員長が豊渓里(プンゲリ)核実験場の閉鎖を含む完全な非核化を約束した』と伝えた」としている。また、文大統領は「金委員長に1年以内に非核化をするよう要請し、金正恩が同意した」とトランプ大統領に伝えたと、ボルトン氏は振り返った。ボルトン氏は「文大統領のこうした『過度に楽観的な観点』とは対照的に、安倍晋三首相はトランプ大統領に『金正恩委員長を信じてはいけない』と述べた」と明らかにした。これが事実なら、文大統領と政府は北朝鮮の非核化意志を拡大解釈し、米国に誇張して伝えた可能性を排除できない。
ボルトン氏によると、文大統領は「米朝首脳会談を板門店で開き、後続として韓米朝首脳会談を開こう」と強く要求したが、金正恩委員長がシンガポールでの開催を望んだことで退いたという。ボルトン氏はシンガポール会談前後に集中的に議論された「終戦宣言」についても「もともとは北朝鮮の構想だと思っていたが、後に文大統領の統一イシューから出てきたのではという疑心を抱いた」と伝えた。
ボルトン氏のこうした主張を総合すると、シンガポール米朝首脳会談の前後の北核外交は「北朝鮮非核化」という根本的な目標の代わりに、文大統領の「統一イシュー」とトランプ大統領の誇示的イベントに傍点が打たれていたようだ。ボルトン氏が「米朝外交は韓国の創造物」とし「文大統領が米朝双方に非現実的な期待を作った」と批判したのは、これと無関係でないとみられる。
過去2年間、米国大統領が史上初めて北朝鮮指導者と3度も会った背景は韓国政府の役割が大きかった。2018年3月に平壌(ピョンヤン)で金正恩委員長に会った後に訪米した青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の鄭義溶(チョン・ウィヨン)安保室長がトランプ大統領に「北朝鮮の非核化の意志は強い」と伝えてから3カ月後にシンガポールで米朝首脳会談が実現したからだ。しかし金正恩委員長の言葉の意味は、米国が考える「完全かつ検証可能で復帰不可能な北朝鮮非核化」(CVID)ではなく、在韓・在日米軍の核戦争力廃棄を前提とする「朝鮮半島非核化」だったというのが、その後の北朝鮮の態度を通じて明らかになって久しい。
これを韓国政府が知らなかったのか、それとも知りながらもだまされたのかは分からない。しかし北朝鮮が南北合意を紙くずにして挑発する一方、米国にも「終末」を云々しながら脅迫を再開した現在としては、政府が北朝鮮の非核化意志を過剰に伝えたという指摘に反論するのが難しい状況に追い込まれた。政府は今からでも漠然とした楽観論と国内政治的な計算の代わりに、ファクトと同盟に基づいた冷静な現実主義で対北朝鮮政策基調を再調整する必要がある。
ボルトン氏によると、文大統領は「米朝首脳会談を板門店で開き、後続として韓米朝首脳会談を開こう」と強く要求したが、金正恩委員長がシンガポールでの開催を望んだことで退いたという。ボルトン氏はシンガポール会談前後に集中的に議論された「終戦宣言」についても「もともとは北朝鮮の構想だと思っていたが、後に文大統領の統一イシューから出てきたのではという疑心を抱いた」と伝えた。
ボルトン氏のこうした主張を総合すると、シンガポール米朝首脳会談の前後の北核外交は「北朝鮮非核化」という根本的な目標の代わりに、文大統領の「統一イシュー」とトランプ大統領の誇示的イベントに傍点が打たれていたようだ。ボルトン氏が「米朝外交は韓国の創造物」とし「文大統領が米朝双方に非現実的な期待を作った」と批判したのは、これと無関係でないとみられる。
過去2年間、米国大統領が史上初めて北朝鮮指導者と3度も会った背景は韓国政府の役割が大きかった。2018年3月に平壌(ピョンヤン)で金正恩委員長に会った後に訪米した青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の鄭義溶(チョン・ウィヨン)安保室長がトランプ大統領に「北朝鮮の非核化の意志は強い」と伝えてから3カ月後にシンガポールで米朝首脳会談が実現したからだ。しかし金正恩委員長の言葉の意味は、米国が考える「完全かつ検証可能で復帰不可能な北朝鮮非核化」(CVID)ではなく、在韓・在日米軍の核戦争力廃棄を前提とする「朝鮮半島非核化」だったというのが、その後の北朝鮮の態度を通じて明らかになって久しい。
これを韓国政府が知らなかったのか、それとも知りながらもだまされたのかは分からない。しかし北朝鮮が南北合意を紙くずにして挑発する一方、米国にも「終末」を云々しながら脅迫を再開した現在としては、政府が北朝鮮の非核化意志を過剰に伝えたという指摘に反論するのが難しい状況に追い込まれた。政府は今からでも漠然とした楽観論と国内政治的な計算の代わりに、ファクトと同盟に基づいた冷静な現実主義で対北朝鮮政策基調を再調整する必要がある。
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