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【コラム】海外進出企業を呼び戻すより国内企業の海外移転阻止を=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
新型コロナウイルスの感染拡大で製造業の重要性が改めて確認された。最小限の生産施設を確保してこそマスクも、診断キットも、ワクチンも適時に生産できるということが立証された。また、いかなる疑心もなく中国に依存してきたサプライチェーンも致命的になり得ることが分かった。政府はこうした状況の打開策として製造業の強化と、雇用創出のために海外進出企業を国内に呼び戻すリショアリング(reshoring)政策を推進すると宣言した。

韓国よりも先にリショアリングを実施した米国や日本では相当な成果を出しているのも事実だ。米国はオバマ政権当時からリメーキングアメリカ(remaking America)を叫んでリショアリングを誘導した。その結果、アップル・GM・フォードなど2010年から9年間に米国に復帰した企業は約3300社にのぼる。日本も安倍政権が2012年ごろからリショアリングを呼びかけ、中国に進出していたトヨタ・ホンダ・日産・キヤノンの工場を日本に迎えた。両国ともに法人税引き下げや工場移転費支援などのカードを動員し、中国への依存度を減らすと同時に雇用も拡大する効果を得た。

韓国政府も工場移転費支援や法人税引き下げ、首都圏工場の総量制の解除などのカードに触れている。政府の一部ではすでにリショアリングが成功すれば雇用創出、中小企業活性化、国家均衡発展まで一度に達成できるという期待を表している。韓国の海外進出企業が2005年から10年間に現地で創出した雇用だけでも160万件を超えるという統計もあるからだ。


しかし海外進出企業の声を聞くと、政府の期待とは異なる状況だ。海外移転企業はまず「帰ってきても国内には米国や日本のような大きな市場も豊富な労働力もない」と話す。また「我々が生産する製品はグローバル市場で優秀な競争力を持つ高付加価値製品ではない」と強調する。より安い人件費を求めて中国からベトナムに、またインドネシアやバングラデシュに生産基地を移している企業は、国内に戻っても3D(日本の3Kに相当)業種と見なされて求人難に直面するという。

政府のリショアリング推進方針にもかかわらず、国内ではテレビ工場の海外移転など製造業の離脱が続いている。2013年以降、各政権はリショアリングを推進したが、国内に戻ってきた企業は70社ほどにすぎないのが現実だ。この程度なら、政府はリショアリングよりも先に、いま国内に残っている製造業の活性化と海外離脱を防ぐことに集中すべきだろう。国内企業が要求する労働市場の柔軟化や弾力勤労制の拡大、製造業とICTの結合のような課題を先に解決する必要がある。海外に出た企業に目を向けるよりも国内企業の離脱を防ぐべきではないだろうか。

チャン・ジョンフン/産業2チーム長



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