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「政権と市民団体の権力・利権分け合いが尹美香事態を招いた」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

キム・ギョンユル氏は20年以上所属した参与連帯と対立し、権力化した市民団体を強く批判して事実上「破門」された。キム氏は「後悔はない」と語った。 チェ・チョンドン記者

「万事参通」(=すべての人事は参与連帯に通じる)という言葉が出てくるほど、文在寅(ムン・ジェイン)政権に入って参与連帯とこの政権との癒着は露骨だ。昨年の「チョ・グク事態」は、市民団体と権力とそのような非正常的な蜜月関係を克明に表す事件だった。権力を監視すべき市民団体がチョ・グク前法務部長官の家族関連の私募ファンドの問題点を知りながらも、批判するどころかむしろチョ・グク前長官をかばった。当時、わずか一人だけが自分の主張をした。キム・ギョンユル会計士(経済民主主義21代表)だ。

キム氏は参与連帯執行委員長時代、チョ・グク前長官を擁護する市民社会の教授・弁護士を批判し、フェイスブックに「偽善者たち、口を開けば改革を叫ぶが、権力の周辺をうろつくこと以外に何をしたのか」と非難した後、参与連帯を脱退した。言葉は脱退だが、事実上「破門」だった。

チョ・グク事態に続いて慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)さんの暴露で浮上した尹美香(ユン・ミヒャン)関連の各種会計不正疑惑でも、参与連帯は尹美香氏を擁護する一方、キム氏は逆に横領・不正疑惑を一つ一つ提起している。26日には「慰安婦運動の私有化」を批判し、与党側から国会議員に当選した尹美香氏の辞退を促す声明を出した。キム氏に会い、尹氏が運営した「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連、旧挺対協)など市民団体の不透明な会計問題、そして御用に転落した市民団体の現住所を探った。


--地域や権力から「裏切者」と見なされているが、後悔はないのか。

「青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)のある人物が警告した。『あなたの名前が出てくるだけで顔色が変わる人がここ(青瓦台)に多いので、ここでもうやめなさい』と。疑惑を提起する私のコメントが入った記事が掲載される日には『積弊勢力と手を握るな』という非難メッセージがあふれる。しかし私は裏切りとは考えていない。チョ・グク事態当時、私の問題提起が正しいかどうか悩んだ。間違っていることは間違っていると言わなければいけない。今回の尹美香氏の疑惑も同じだ」

--家族もその選択を支持しているのか。

「妻は文大統領の情熱的な支持者だ。チョ・グク事態でも今回の件でも『何も言うな』と引き止める。尹氏の潔白を信じているというより、今まで一緒にしてきた人たちをなぜ傷つけるのかという理由だろう」

--誤りを批判すれば傷を与えるのか。

「このような反応は私も納得できない。李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)政権は共通の敵がいて無条件に一つになり、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権ではそうではなかった。結局、権力の問題だ。文在寅政権に入ってから政権と市民社会が権力と利権を分け合う構造であり、市民団体が本分を忘却してしまった。市民活動家の自身と与党の共に民主党の利害関係を完ぺきに一致させ、自分たちだけが絶対善という。権力・利権をすべて握った人たちが迫害を受けるという。だから権力を牽制するどころか、自らも批判を受け入れることができない。文在寅政権に入ってから見られることだ。恥を忘れている。何かあればすぐに盧武鉉元大統領を話すが、その人たちはすでに理性を失って権力・利権だけが残っている。盧武鉉精神を言うが、実際は検察に対する怒りだけが残っているのではないのか。このような人たちが盧武鉉元大統領を戯画化する」

--利権とは何をいうのか。

「コリンクからライム、VIK、シンラジェンなど疑惑がふくらみ、チョ・ボムドン(チョ・グク前長官のおい)、キム・ボンヒョン(ライム疑惑の主役)などコスダック市場の騒ぎを起こした勢力と関与しているという疑惑を受けている。財閥改革もちろん重要だ。しかしこういうものを見ると、財閥改革をするといってサムスンばかり叩くのは申しわかない状況だ。さらに市民団体をサムスンからお金を受ける窓口として活用する人もいる。恥ずかしい」

--会計不正疑惑を正義連と与党では市民団体の慣行だというが。

「そんなことがどこにあるのか。あまりにも不快だ。尹氏を擁護しようとするそのような話を聞くたびに屈辱を感じる。公益法人の寄付金を個人口座で受けたこと自体が、直ちに閉鎖されなければいけないほど深刻な事案だ。借名口座(尹氏の個人口座を通じた募金)に公示漏れなど問題だらけの正義連の会計資料を見ると、管理・監督すべき政府部処を含め、誰もまともに管理していないと感じた」

--なぜそのようなことが可能だったのか。

「韓国社会では親日フレームを最も恐れる。正義連とその前身の韓国挺身隊問題協議会(挺対協)がまさにこのフレームを盾に、また正当な批判者に対する口止めとして振りかざしたことため可能だった。李容洙さんの寄付金流用疑惑暴露以降、会計的な問題を提起したところ、向こうの陣営は直ちに私まで親日に追い込んだ。識者層の知るべき人が昨日も今日もずっとそのように話す。今まではそれが通用したからだ。誰も恐ろしく、触れることができなかったからだ。正義連の安城(アンソン)憩いの場会計評価でFの評価を出した社会福祉共同募金会の内部の事情は分からない。しかし『あえて』正義連にFを出したのを見ると、こうしたフレームをよく知らない職員が原則通り処理した結果ではないかと思う。警告があれば受け入れて正せばよいが、正義連の人たちはその程度の是正措置にも耐えられず悔しいという」

--参与連帯と離れていなければ、キム氏も親日フレームに同調しているのでは。

「そうだ。チョ・グク事態、尹美香事態を経て何度も反省した。参与連帯時代に私が担当していた経済金融センター関連イシューを除いて、司法改革や国会問題などは参与連帯傘下の司法改革センターや議政監視センターの判断を全面的に信じた。判断をまるごと任せてしまった。よく分からない分野でもあり、全面的に信頼したからだ。私がずっとそのようにしてきたようにチョ・グク事態では経済金融センターが提起する私募ファンド問題をみんなが傾聴すると思っていたが、そうではなかった。それをきっかけに別のセンターが出していた主張の底意まで疑うことになった。たとえば高位公職者犯罪捜査処などだ。今になってようやく無条件に信用せず合理的な疑いを持つことができる近代人になった」


「政権と市民団体の権力・利権分け合いが尹美香事態を招いた」(2)

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