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韓国企業の国内Uターン、どれだけ現実性があるのか(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

現代モービスが蔚山の二化産業団地に15万平方メートル規模で作っている電気自動車専用部品工場建設現場の様子。7月に完工し、試験生産を経て来年初めから量産に入る。キム・ヨンジュ記者

14日に訪れた蔚山(ウルサン)・二化(イファ)産業団地内の現代モービス電気自動車部品工場工事現場。クレーン10台をはじめとする重装備と人材が3万平方メートルの本棟外装工事を仕上げるのに慌ただしく動いていた。

後方の山に登って見下ろすと全体の敷地15万平方メートルの工場規模が一目で見ることができる。蔚山市関係者は「蔚山の梅谷(メゴク)・中山(チュンサン)産業団地を含めても大きな規模。この数年間にこれほど大きい工場が入ったことはなかった」と話す。

昨年8月に着工した電気自動車部品工場は7月の竣工後に試験稼動を経て来年1月から年間10万台分の電気自動車バッテリーシステムを生産する。現代モービス関係者は「現在の工程進捗率は70%ほどで、来年の本格量産に向けた工事が順調に進んでいる」と話した。


現代モービスの電気自動車部品工場が注目されるのは、2013年に「海外進出企業の国内復帰に関する法律」(Uターン企業支援法)が制定されてから初めて対象になった大企業生産施設のためだ。いわゆる大企業のリショアリング(生産拠点の国内回帰)の初めてのケースということだ。現代モービスはUターン企業支援法により土地関連費用の一部と税制優遇を受けるという。

地域経済活性化に対する期待感も大きい。蔚山市北区庁関係者は「協力企業50社が入り、平均年俸5000万ウォン台の雇用1000件以上できると期待する。地方税追加収入も年間170億ウォンほどになる見通し」と話した。

◇また出てきた…韓国政府のリショアリング対策

新型コロナウイルス問題以降韓国政府は経済活性化案のひとつとして「リショアリング」政策を持ち出した。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は10日の就任3周年特別演説で、「韓国企業のUターンだけでなく海外先端産業と投資誘致に向け果敢な戦略を推進する。大韓民国が『先端産業の世界工場』となり産業地図を変える」と話した。

2013年に朴槿恵(パク・クネ)政権が推進したリショアリング政策が復活したのは新型コロナウイルスによるグローバルサプライチェーン崩壊のためだ。現代自動車グループもやはり中国で生産するワイヤーハーネスの供給に支障が出て韓国国内工場が一時稼働を中止したりもした。

3万個を超える部品で作られる自動車工場は適期に部品を納品するジャストインタイム方式で稼動するが、製造原価が安く市場に近いところで大量生産して世界に供給するグローバルサプライチェーンが必須というのがこれまでの認識だった。

だが新型コロナウイルスの影響で「世界の工場」である中国とインドが稼働中止に追い込まれながら考え方が変わり始めた。自国に生産施設を増やそうとする保護貿易主義も強まった。

◇海外市場はもっと大きいのにリショアリングは可能だろうか

韓国企業のUターンはそれではどれだけ現実性があるだろうか。現代自動車グループは2017年から未来車変革を念頭に置いた電気自動車専用部品工場の建設を検討してきた。世界の電気自動車で1位の市場である中国に工場を建てるべきという意見も多かったが、当時は高高度防衛ミサイル(THAAD)配備で中国国内での事業が厳しくなり、現代モービスは電気自動車部品工場を韓国に建設することを決めたという。

だが現代自動車グループ全体として見れば海外に出て行った生産施設を国内に戻す理由はそれほどない。海外市場が大きいためだ。現代自動車グループの海外生産比率は2019年基準で56%に達し、販売比率は80%を超える。現代自動車グループ関係者は「事業的判断により韓国国内に投資することはあっても、輸出比率が絶対的なわれわれとしてはリショアリングは容易でない」と話した。


韓国企業の国内Uターン、どれだけ現実性があるのか(2)

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