◆創意的アイデア引き出した規制緩和

医療スタッフは「新型コロナ事態で様々なアイデアを試演できる環境が整ったことが役立った」と話す。感染病流行状況に直面し、政府が例外条項を認めたことが革新の契機になったという説明だ。

病院の外の診療を許可した選別診療所は運営初期特別な指針さえなかった。自律性を認めると、各分野の専門家の実験的アイデアが花開いた。仁川（インチョン）医療院感染内科のキム・ジニョン課長のアイデアに基づき、２月１０日車両型診療所（ドライブスルー）が登場した。自家用車のない患者に対しても検査速度をあげる方法を悩み、１カ月後に登場したのがウォークスルーだった。キム病院長は「米国、日本などの一部地域では新たな診療室モデルを導入しようとしても規制に引っかかって試すことさえできないという話を聞いた」と伝えた。


ソウル大学病院が情報技術（ＩＴ）を活用して生活治療センターをグレードアップしたのはもう一つの革新事例だ。遠距離にいる医師が患者データをリアルタイムで確認する遠隔モニタリングモデルだ。患者の身体に取り付けられた医療機器などで脈拍、心電図、血中の酸素飽和度などを測定してリアルタイムに医療スタッフに伝送し、異常があれば警報を発するようにして医療スタッフを派遣できるようにした。ソウル大学病院はこのシステムを輸出する方案も協議中だ。

◆革新ＤＮＡの継続が課題

せっかく花開き始めた革新のＤＮＡを継いでいくためには解決するべき課題が少なくない。新型コロナ事態で制限的に許可された電話診療をさらに拡大するための議論も始めなければならない。患者に治療を最優先に置く姿勢が必要だ。専門家は「新型コロナで始まった医療・バイオ分野の革新を加速させるには、規制緩和など後続対策を矢継ぎ早に出さなければならない」と強調した。

不整脈患者の心拍数などを周期的にモニタリングできる規制緩和から始めようという声が出ている。最近発売されるペースメーカーはデータ伝送機能を備えている。しかし韓国内では利用できない。医師が遠くにいる患者を遠隔で診療するのが違法になるためだ。ソウル峨山病院心臓内科のチェ・ギジュン教授は「心臓に入れるペースメーカーを国内で使う時はデータ伝送機能を外す」とし「このような問題から解決しなければならない」と主張した。

遠隔診療を活性化するには患者を遠隔で診療した後の治療費を受け取ることができるシステムも整えなければならない。パン・ムンソク教授は「身体が不自由な障がい者などのリハビリのために遠隔診療モデルは必要だ」とし「単に規制緩和を議論する段階を超えて診療費など実質的な悩みも一緒に話し合われなければならない」と強調した。


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