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略奪した日本が「返してほしい」…日本から盗んできた金銅仏像の所有権で紛争

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
窃盗犯が日本の対馬から盗んできた高麗時代の仏像の所有権をめぐる控訴審裁判が再開された。1審で裁判所はもともと仏像があった韓国の寺の所有を認めたが、国に代わり検察が控訴し2審裁判が進行中だ。

大田(テジョン)高裁民事1部は忠清南道瑞山(チュンチョンナムド・ソサン)の浮石寺(プソクサ)が国(韓国)を相手に提起した有体動産(金銅観音菩薩坐像)引き渡しをめぐる控訴審公判を先月28日に開いた。公判が再開されたのは昨年6月25日に弁論準備手続きを終えてから10カ月ぶりだ。

裁判は2016年6月に浮石寺が対馬の寺で盗難に遭った後韓国に持ち込まれた観音菩薩坐像の所有権を主張して始まった。浮石寺は「仏像を持ち主に返してほしい」として裁判所に民事訴訟を提起した。


1審を担当した大田地裁が2017年1月に「これまで進めた弁論と仏像に対する現場検証を通じ仏像は浮石寺所有と推定される。歴史的・宗教的価値を考慮すると仏像を原告である浮石寺に引き渡す義務がある」と判決した。

当時裁判所は「贈与と売買など正常な方法ではなく盗難・略奪などの方法で対馬に移された後に安置されたと推定される。高麗史にも仏像が製作された1330年以降に倭寇が瑞山地域に侵入した記録が残っている点も略奪の根拠とみることができる」と明らかにした。

浮石寺と信徒は歓迎したが、国に代わって訴訟を引き受けた検察は判決に不服として控訴した。「仏像が浮石寺所有なのかを明確にしなければならない」という名分を掲げたが、本音は日本との外交的摩擦を懸念した措置だった。

観音菩薩坐像が窃盗犯によって韓国に持ち込まれた事実が明らかになると日本政府は多様な外交チャンネルを通じ仏像返還を要求した。1審判決直後には日本の菅義偉官房長官が「こうした判決が下されたことはきわめて遺憾」として抗議することもした。

現在仏像は大田にある文化財庁国立文化財研究所に保管中だ。1審判決直後に検察は裁判所に「金銅観音菩薩坐像仮執行引き渡し強制執行停止申請」を出した。浮石寺に返した場合には毀損の可能性があり、控訴審や大法院(最高裁)で判決が覆された場合に仏像の回収が困難になると判断したためだ。裁判所は検察の主張が妥当と判断し申請を認めた。

10カ月ぶりに再開された控訴審公判には浮石寺側弁護士と政府代理人である検察(大田高検)関係者らが参加した。控訴審裁判所は仏像と縁結文(信徒の仏心を入れる腹蔵記録物)の真贋を確認するため専門家を呼び法理的争点を整理する方針だ。仏像の試料を採取し、正確な製作年度も確認することにした。次の公判は6月9日に同じ大田高裁で開かれる。

対馬の観音寺にあった金銅観音菩薩坐像は高さ50.5センチメートル、重さ38.6キログラムで、14世紀初期に製作されたと推定される。1973年に日本で文化財に指定された。浮石寺は仏像が1300年代末に倭寇に略奪された後、1526年ごろ観音寺に安置されたとみている。

2012年10月当時68歳の男ら文化財窃盗団4人は対馬の観音寺などに侵入し、観音菩薩坐像と銅造如来立像の仏像2点を盗み韓国に持ち込んだ。これを知った日本政府がインターポールを通じて協力を要請し、警察が窃盗団を検挙した。警察が回収した仏像2点のうち銅造如来立像は2016年7月に日本に返還された。

浮石寺の元住職の円牛(ウォンウ)僧侶は「日本政府も自分たちの所有を主張できる根拠や資料を立証できない状況。観音菩薩坐像に対する保存処理がされておらず損傷が進んでいるため早急な判決が必要だ」と話した。



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