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「金正恩異変なら韓米同盟で国際戦争への飛び火を防ぐべき」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

金龍顕(キム・ヨンヒョン)元合同参謀本部作戦本部長は先月29日のインタビューで、「金正恩委員長の異変など急変事態が局地挑発につながる可能性がある」とし「韓米同盟を強化して北の急変事態が国際戦争に飛び火するのを防ぐべき」と強調した。 チャン・ジニョン記者

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の隠遁が長期化している。健康の問題かどうかはともかく、金委員長が3週間近く姿を現すことができない事情があるのは確かなようだ。これを受け、北朝鮮有事または急変事態への対応態勢を点検すべきだという声も高まっている。先月29日、合同参謀本部作戦本部長を務めた金龍顕(キム・ヨンヒョン)予備役中将に会い、北朝鮮に急変事態が発生した場合のシナリオと対応策について尋ねた。

--金正恩の健康異常説、さらには死亡説までが出ているが。

「北が公式に発表するまではすべて『説』にすぎないと考える。中国がある程度は知っているだろうというのも説にすぎない。2011年に金正日(キム・ジョンイル)総書記が死亡した当時、中国も知らなかった。ただ、過去の事例から推論はできる。1986年に金日成(キム・イルソン)主席が襲われて死亡したという報道が日本メディアから出た。しかも北朝鮮の前方部隊が弔旗を掲揚した。しかし4日後、北朝鮮メディアに金日成主席が公開活動する報道が出て、ハプニングに終わった。1994年に金日成が死亡した当時は2日後に発表し、金正日の死亡も3日後に発表した。したがって今回、金正恩総書記が死亡でなくとも、少なくとも健康に異常が生じたのではという合理的な疑いを持つ。もちろんこれも説だが…」


--韓国政府は金正恩委員長の身辺に異常はないと自信を持っているようだ。政府の情報能力をどう評価するか。

「私は軍出身なので国家情報院などの情報能力について話す立場ではない。軍がすることは北の局地挑発や全面戦侵略の兆候の分析だ。100種類ほどの要素で挑発の兆候を分析するツール(tool)があるが、それだけで金正恩委員長の健康に問題があるかどうかを評価するのは難しい」

--実際に金正恩委員長に異変が発生すれば、北朝鮮の権力はどうなると予想しているのか。

「大きく3つのシナリオがある。1つ目は、70年以上も北を引っ張って最高の正統性を持つ白頭(ペクドゥ)血統が権力を継承するシナリオだ。今は金与正(キム・ヨジョン)副部長が最高権力者に最も近く、実権を握っている。ところが一つ変数がある。女性を見下げるというのではなく、実際に北は封建思想、家父長的な伝統が強い社会であるため、北のエリート階層や住民が女性指導者の出現を果たしてどのように受け入れるかという問題が生じ得るということだ。その次は金正恩委員長の叔父の金平一(キム・ピョンイル)だ。金正日と異母兄弟である上、政治から離れている状況であるにもかかわらず名前が挙がるのは、中国が彼を前に出して親中政権をつくる可能性のためだ。2つ目のシナリオは、金与正と北朝鮮の世襲エリートが連合して集団指導体制で共同政権を作ることだ。金日成革命同志の子弟など北には世襲エリートが200人ほどいる。代表的なのが崔竜海(チェ・ヨンヘ)党副委員長だ。3つ目は北内部の権力闘争が深刻化し、軍部クーデターや内戦につながる可能性だ。大量脱北事態や無政府状態に陥る可能性も排除できない。こういうものを急変事態と表現する」

--実際、急変事態につながれば韓半島ではどんなことが生じるのか。

「このようなケースを想定できる脅威が3つある。最初は局地挑発だ。北は内部の危機が発生すれば、これを克服するために対南挑発を起こして軍事的な緊張を作った。首都圏一帯を砲撃したり、大量人命殺傷を伴うテロをしたり、ミサイルを我々の領土や領海に発射して緊張を高めながら、内部的な問題を克服する可能性がある。2つ目は核、生物化学兵器など大量殺傷武器による脅威がある。不安定な状況が長期化して無政府状態になり、核や生物化学兵器に対する統制力が喪失する。北が保有する生物化学兵器が少量でも大韓民国に入れば、コロナとは比較にならない被害をもたらす。核兵器は言うまでもない。3つ目は我々が望まない戦争に巻き込まれるケースだ。局地挑発に対する報復と逆対応がエスカレートし、全面戦争、さらには国際戦争に飛び火することがあるということだ」

--北朝鮮有事が挑発につながるのを防ぐにはどうするべきか。

「まず、北に挑発の考えを抱かせないことが重要だ。北は損益計算が徹底している集団だ。彼らの教範には『キツネのように狡猾であってこそ戦いに勝つことができる』という表現があるほどだ。挑発して得る利益よりも損失が大きかったり、致命的になるものなら絶対に挑発しない。B1B爆撃機や空母打撃群など米国の戦略資産が韓半島に展開する期間には北が少しも動かないのを見ると分かる。韓米同盟はこのような対応体制を整えるうえで最も基本的な条件であり核心軸だ」

--急変事態に備えて作戦計画5029が作成されたと聞いている。

「北が無政府状態となり、住民が餓死して人権死角地帯に置かれて深刻な苦痛を受けたり、大量破壊兵器の統制力が喪失すれば、軍事的に介入しなければならない状況が訪れるかもしれない。これに対する計画が5029だが、内容は機密なので話すことはできない」


「金正恩異変なら韓米同盟で国際戦争への飛び火を防ぐべき」(2)

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