新型コロナウイルスの感染拡大の影響で経済の破綻が本格化した先月、負債を返済できず裁判所に破産申請をした法人は50%以上急増した。個人が破産に追い込まれる事例も大きく増えた。企業の倒産が失業を生み、経済危機と金融問題を招く悪循環が始まったのではという懸念が出ている。
大法院(最高裁)が16日に蔡利培(チェ・イベ)議員(民生党)に提出した資料によると、3月にソウル回生法院をはじめとする全国14カ所の裁判所での法人破産申請は101件だった。前年同月比で53%増え、3月基準では過去最多。前月(2月)比では26.2%増えた。
新型コロナ事態が産業現場に影響を与え、「D(デフォルト、債務不履行)の恐怖」に襲われている。企業と個人の破産で債務不履行が急増すれば、金融問題、経済危機を招く悪循環につながるという懸念が強まっている。ある民間研究所の研究委員は「物理的に生存を脅かす新型コロナが、企業と個人の経済的生存を脅かす段階に入った」と診断した。
法人の破産申請は先月101件と、2月(80件)に比べ急増した。前年同月比では53%増。法務法人クァンジャンのイ・ワンシク弁護士は「賃金未払いがなかった法人が新型コロナで突然厳しい状況を迎え、破産申請をした事例が多い」と述べた。週52時間勤労制と急激な最低賃金引き上げで悪化した企業環境という「火」に、新型コロナ事態が「油」を注いだ格好になったという指摘だ。破産担当の部長判事は「破産申請をした中小企業を分析してみると、ほとんどが週52時間勤務制と最低賃金引き上げが直接・間接的な原因として作用している」と説明した。
中小企業の休業・廃業は大企業のリストラと重なって家計の危機につながった。先月の個人破産申請は4274件にのぼった。前月比で15.0%、前年同月比で9.6%増加した。新型コロナの衝撃が最も大きかった大邱(テグ)・慶尚北道(キョンサンブクド)地域を管轄する大邱地方法院の個人破産申請件数は340件と、前月比の増加率(30.2%)が全国平均値の倍だった。全羅南道(チョンラナムド)・光州(クァンジュ)をはじめ、零細中小企業が多い仁川南洞工業団地と半月(パンウォル)・始華(シファ)工業団地が属する管轄裁判所(仁川地方法院水原支院)の個人破産申請も増加した。最近、業況悪化に苦しんでいる造船・鉄鋼・発電・機械業種の協力会社が多い釜山(プサン)・蔚山(ウルサン)・慶南(キョンナム)地域の増加幅も大きかった。
大邱地方法院の関係者は「新型コロナの影響で大邱地方法院は先月23日まで休廷し、その後も裁判の回数を減らした」とし「こうした中でも破産申請が急増したというのは、市場の回生・破産需要が実際にはさらに多いということ」と解釈した。
破産の前に裁判所に債務調整を申請する企業と個人も増えている。国内唯一の倒産専門法院であるソウル回生法院の回生申請件数は前月比で法人が45%増、個人が6%増だった。
企業と個人の破産事態はまだ始まりにすぎないという分析もある。ある専門家は「危機を迎えた会社が破産を申請するまでは通常4、5カ月かかる」とし「このままでは今年7-8月に連鎖倒産事態が生じる可能性が高い」と述べた。
企業の破産は必然的に大量失業をもたらす。雇用労働部によると、先月の失業手当新規申請者は15万6000人と、前年同月比で3万1000人(24.8%)増えた。3月基準では2009年以降の最大増加幅だ。先月の失業手当支給額も前年同月比40.4%急増した8982億ウォンと、過去最大となった。
最近の小商工人連合会のアンケート調査の結果、零細企業の82%が前年同期比で売上高が50%以上減少したと答えた。中小企業中央会によると、全国の零細企業の3分の1(33.6%)は最近、休業・廃業を考慮したと述べた。連鎖破産事態は「予告されていた災難」という指摘が出る理由だ。
金融界関係者は今年下半期から新型コロナ発の負債の悪循環が各種経済指標に本格的に表れると予想している。政府が供給している「コロナ貸出」が不良債権問題につながるという指摘もある。
すでに国内自営業者は50人に1人の割合でいわゆる「信用不良」状態だ。NICE信用評価によると、昨年末基準で自営業貸出(個人事業者貸出)利用者は209万5166人。このうち3万5806人が金融債務不履行者として登録されている。韓国銀行(韓銀)によると、先月の銀行界の企業貸出残額は901兆4000億ウォン(約79兆円)と、1カ月前に比べ18兆7000億ウォン増えた。統計を出し始めた2009年6月以降、最も大幅な増加だ。この期間、中小企業への貸出も8兆ウォン増えた。これも過去最大幅。
ある専門家は「家計と企業の大量破産はデフォルト事態を意味する」とし「デフォルト事態は経済危機の直接的な導火線になるおそれがある」と述べた。
大法院(最高裁)が16日に蔡利培(チェ・イベ)議員(民生党)に提出した資料によると、3月にソウル回生法院をはじめとする全国14カ所の裁判所での法人破産申請は101件だった。前年同月比で53%増え、3月基準では過去最多。前月(2月)比では26.2%増えた。
新型コロナ事態が産業現場に影響を与え、「D(デフォルト、債務不履行)の恐怖」に襲われている。企業と個人の破産で債務不履行が急増すれば、金融問題、経済危機を招く悪循環につながるという懸念が強まっている。ある民間研究所の研究委員は「物理的に生存を脅かす新型コロナが、企業と個人の経済的生存を脅かす段階に入った」と診断した。
法人の破産申請は先月101件と、2月(80件)に比べ急増した。前年同月比では53%増。法務法人クァンジャンのイ・ワンシク弁護士は「賃金未払いがなかった法人が新型コロナで突然厳しい状況を迎え、破産申請をした事例が多い」と述べた。週52時間勤労制と急激な最低賃金引き上げで悪化した企業環境という「火」に、新型コロナ事態が「油」を注いだ格好になったという指摘だ。破産担当の部長判事は「破産申請をした中小企業を分析してみると、ほとんどが週52時間勤務制と最低賃金引き上げが直接・間接的な原因として作用している」と説明した。
中小企業の休業・廃業は大企業のリストラと重なって家計の危機につながった。先月の個人破産申請は4274件にのぼった。前月比で15.0%、前年同月比で9.6%増加した。新型コロナの衝撃が最も大きかった大邱(テグ)・慶尚北道(キョンサンブクド)地域を管轄する大邱地方法院の個人破産申請件数は340件と、前月比の増加率(30.2%)が全国平均値の倍だった。全羅南道(チョンラナムド)・光州(クァンジュ)をはじめ、零細中小企業が多い仁川南洞工業団地と半月(パンウォル)・始華(シファ)工業団地が属する管轄裁判所(仁川地方法院水原支院)の個人破産申請も増加した。最近、業況悪化に苦しんでいる造船・鉄鋼・発電・機械業種の協力会社が多い釜山(プサン)・蔚山(ウルサン)・慶南(キョンナム)地域の増加幅も大きかった。
大邱地方法院の関係者は「新型コロナの影響で大邱地方法院は先月23日まで休廷し、その後も裁判の回数を減らした」とし「こうした中でも破産申請が急増したというのは、市場の回生・破産需要が実際にはさらに多いということ」と解釈した。
破産の前に裁判所に債務調整を申請する企業と個人も増えている。国内唯一の倒産専門法院であるソウル回生法院の回生申請件数は前月比で法人が45%増、個人が6%増だった。
企業と個人の破産事態はまだ始まりにすぎないという分析もある。ある専門家は「危機を迎えた会社が破産を申請するまでは通常4、5カ月かかる」とし「このままでは今年7-8月に連鎖倒産事態が生じる可能性が高い」と述べた。
企業の破産は必然的に大量失業をもたらす。雇用労働部によると、先月の失業手当新規申請者は15万6000人と、前年同月比で3万1000人(24.8%)増えた。3月基準では2009年以降の最大増加幅だ。先月の失業手当支給額も前年同月比40.4%急増した8982億ウォンと、過去最大となった。
最近の小商工人連合会のアンケート調査の結果、零細企業の82%が前年同期比で売上高が50%以上減少したと答えた。中小企業中央会によると、全国の零細企業の3分の1(33.6%)は最近、休業・廃業を考慮したと述べた。連鎖破産事態は「予告されていた災難」という指摘が出る理由だ。
金融界関係者は今年下半期から新型コロナ発の負債の悪循環が各種経済指標に本格的に表れると予想している。政府が供給している「コロナ貸出」が不良債権問題につながるという指摘もある。
すでに国内自営業者は50人に1人の割合でいわゆる「信用不良」状態だ。NICE信用評価によると、昨年末基準で自営業貸出(個人事業者貸出)利用者は209万5166人。このうち3万5806人が金融債務不履行者として登録されている。韓国銀行(韓銀)によると、先月の銀行界の企業貸出残額は901兆4000億ウォン(約79兆円)と、1カ月前に比べ18兆7000億ウォン増えた。統計を出し始めた2009年6月以降、最も大幅な増加だ。この期間、中小企業への貸出も8兆ウォン増えた。これも過去最大幅。
ある専門家は「家計と企業の大量破産はデフォルト事態を意味する」とし「デフォルト事態は経済危機の直接的な導火線になるおそれがある」と述べた。
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