「通貨危機(1997年)や世界金融危機(2008年)の時ですら体験したことのない状況が広がっている。シナリオ別コンティンジェンシープラン(非常経営計画)を稼動しているが、売上が急減しているところに構成員の心理的安定感まで揺らいでいて危機感がいつもに増して大きい」(ある大企業の最高経営陣)
「ほぼ成立しかかっていた買収・合併をひとまず保留した。市場の状況が極度に不確実で、新事業はオールストップ。現金確保を最優先にしている」(10大グループ関係者)
新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の世界的拡散で韓国の主要大企業がコンティンジェンシープランの稼働に入った。グローバル生産基地が相次いで一時閉鎖に追い込まれ、米国・欧州など大企業の核心市場が一気に冷え込んでいるからだ。
中央日報は25日、韓国上位10位の大企業(公正取引委員会資産規模基準、農協除外)のコンティンジェンシープランと経営状況を緊急点検した。サムスングループは主力系列会社のサムスン電子を中心に非常経営体制に突入した。サムスン電子はグローバル生産基地の相次ぐ稼働中断で打撃を受けた。「現地生産-現地販売」体制が構築されているサムスン電子では、生産が中断された市場に他の地域で作った製品を供給できないのが心配だ。そのうえオリンピック(五輪)パートナー社のサムスン電子は、東京五輪延期で「特需失踪」という変数まで発生した。サムスン電子関係者は「世界の景気下落が長期化すれば実績悪化を避けられない」と憂慮した。
今年、新車の「ゴールデンサイクル」(競争力のある製品が一度に発売される時期)を期待していた現代車は悔しさを隠しきれない。欧州・米国に続き、ブラジル工場まで稼働を中断した現代車は、国内生産を増やしてこれを挽回する考えだ。だが、欧州の主要部品会社の稼働中断が長期化すれば「サプライチェーン大乱」も避けられない状況だ。現代車は下半期の反騰を前提に、今年の売上減少幅を10%程度とみていることが分かった。現代車関係者は「製造-販売-戦略など、本部別にコンティンジェンシープランを稼働中で、被害を最小化しながら収益性を向上して部品生態系が崩れるのを防ぐことが最優先目標」と話した。
エネルギーと情報通信技術(ICT)が主力のSKグループは原価・品質競争力を高めるために総力をあげている。油化分野の場合、精製マージン(原油と製品の価格差)の下落と原油在庫評価損失が大きくなり、稼動率を調節したり費用を節減したりして顧客・協力会社のセーフティーネットを構築することが優先目標だ。崔泰源(チェ・テウォン)会長も24日、「危機を突破できる資源や力など、生存条件を確保しなければならない」とし「疎外される組織・個人が発生しないように、より一層確固とした体系的なセーフティーネットを備えよう」と強調した。
24日のロッテグループ非常経営会議で、辛東彬(シン・ドンビン、重光昭夫)会長は「現状況で生き残るためには、全系列社が事業戦略を再検討しなければならない」と強調した。辛会長が「生存」を強調したのは、流通やサービス、石油化学などロッテグループの主力事業が、新型コロナの直撃を受けている分野だからだ。ロッテグループは今年1月に新型コロナ対応タスクフォース(TF、作業部会)チーム(C-TFT)を作って非常体勢に入った。売上減少に伴う流動性管理のために、全系列会社に財務管理のガイドラインを共有した。
LGグループも事態の長期化に備えた非常経営計画を稼動しながら、系列会社の経営状況が悪化しないように管理する一方、新型コロナ以降に備えた先制的対応に出ることにした。油化業種が主力のハンファグループとGSグループもコンティンジェンシープランを稼動している。直接的な打撃を受けているハンファグループのホテル・リゾート事業は費用削減を通じて「長期戦」に備える構えだ。GSグループもシナリオ別の対応戦略を樹立した。優先順位を決めて先制的な費用削減も推進中だ。
高麗(コリョ)大学経済学科のカン・ソンジン教授は「短期的には流動性を確保して体力を温存し、長期的には世界バリューチェーンの多角化努力が並行されるべき」とし「サムスンの場合は半導体価格、現代車は需要・供給リスクを克服するのがカギ」と話した。
「ほぼ成立しかかっていた買収・合併をひとまず保留した。市場の状況が極度に不確実で、新事業はオールストップ。現金確保を最優先にしている」(10大グループ関係者)
新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の世界的拡散で韓国の主要大企業がコンティンジェンシープランの稼働に入った。グローバル生産基地が相次いで一時閉鎖に追い込まれ、米国・欧州など大企業の核心市場が一気に冷え込んでいるからだ。
中央日報は25日、韓国上位10位の大企業(公正取引委員会資産規模基準、農協除外)のコンティンジェンシープランと経営状況を緊急点検した。サムスングループは主力系列会社のサムスン電子を中心に非常経営体制に突入した。サムスン電子はグローバル生産基地の相次ぐ稼働中断で打撃を受けた。「現地生産-現地販売」体制が構築されているサムスン電子では、生産が中断された市場に他の地域で作った製品を供給できないのが心配だ。そのうえオリンピック(五輪)パートナー社のサムスン電子は、東京五輪延期で「特需失踪」という変数まで発生した。サムスン電子関係者は「世界の景気下落が長期化すれば実績悪化を避けられない」と憂慮した。
今年、新車の「ゴールデンサイクル」(競争力のある製品が一度に発売される時期)を期待していた現代車は悔しさを隠しきれない。欧州・米国に続き、ブラジル工場まで稼働を中断した現代車は、国内生産を増やしてこれを挽回する考えだ。だが、欧州の主要部品会社の稼働中断が長期化すれば「サプライチェーン大乱」も避けられない状況だ。現代車は下半期の反騰を前提に、今年の売上減少幅を10%程度とみていることが分かった。現代車関係者は「製造-販売-戦略など、本部別にコンティンジェンシープランを稼働中で、被害を最小化しながら収益性を向上して部品生態系が崩れるのを防ぐことが最優先目標」と話した。
エネルギーと情報通信技術(ICT)が主力のSKグループは原価・品質競争力を高めるために総力をあげている。油化分野の場合、精製マージン(原油と製品の価格差)の下落と原油在庫評価損失が大きくなり、稼動率を調節したり費用を節減したりして顧客・協力会社のセーフティーネットを構築することが優先目標だ。崔泰源(チェ・テウォン)会長も24日、「危機を突破できる資源や力など、生存条件を確保しなければならない」とし「疎外される組織・個人が発生しないように、より一層確固とした体系的なセーフティーネットを備えよう」と強調した。
24日のロッテグループ非常経営会議で、辛東彬(シン・ドンビン、重光昭夫)会長は「現状況で生き残るためには、全系列社が事業戦略を再検討しなければならない」と強調した。辛会長が「生存」を強調したのは、流通やサービス、石油化学などロッテグループの主力事業が、新型コロナの直撃を受けている分野だからだ。ロッテグループは今年1月に新型コロナ対応タスクフォース(TF、作業部会)チーム(C-TFT)を作って非常体勢に入った。売上減少に伴う流動性管理のために、全系列会社に財務管理のガイドラインを共有した。
LGグループも事態の長期化に備えた非常経営計画を稼動しながら、系列会社の経営状況が悪化しないように管理する一方、新型コロナ以降に備えた先制的対応に出ることにした。油化業種が主力のハンファグループとGSグループもコンティンジェンシープランを稼動している。直接的な打撃を受けているハンファグループのホテル・リゾート事業は費用削減を通じて「長期戦」に備える構えだ。GSグループもシナリオ別の対応戦略を樹立した。優先順位を決めて先制的な費用削減も推進中だ。
高麗(コリョ)大学経済学科のカン・ソンジン教授は「短期的には流動性を確保して体力を温存し、長期的には世界バリューチェーンの多角化努力が並行されるべき」とし「サムスンの場合は半導体価格、現代車は需要・供給リスクを克服するのがカギ」と話した。
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