韓国の文在寅（ムン・ジェイン）大統領が３日、「マスクを迅速かつ十分に供給できず不便をかけていることについて国民に申し訳なく思う」と述べた。文大統領が「マスク供給問題」で国民に向けて謝罪したのは今回が初めてだ。

文大統領はこの日午前、ソウル鍾路区の政府ソウル庁舎で拡大中央災害安全対策本部会議を兼ねた国務会議を開き、「食品医薬品安全処を中心に関係部処が緊密に協力して、早期に解決してほしい」とし、このように語った。

文大統領は「（新型コロナ）感染者が急増し、地域感染の憂慮が深まって増えた需要に供給が追いつかず、輸入も難しいという現実的な困難が明確にある」とし「長い間、苦しい状況から抜け出せずにいるのは事実」と認めた。


文大統領はマスク対策に関して大きく３つの要請を伝えた。文大統領は「１つ目は、生産物量を速やかに増やすことができなければ困難を根本的に解消するのが難しい。生産業者が物量を増やせるよう原材料の追加確保など最大限の支援を望む」と述べた。続いて「２つ目は、政府が公的供給体制に動き出した以上、供給に余裕が生じるまで最大限に合理的かつ公平な普及案を講じてほしい」と注文した。そして「３つ目、需要ほど十分に供給できない状況ならば、現実をそのまま知らせ、効率的なマスク使用方法について国民の理解と協調を求める努力も併行してほしい」と話した。

文大統領は「感染病対策にすべての社会が防疫の主体として取り組んでいる。いま新型コロナ状況を乗り越えるためには、国民全員が力を合わせる道しかない」とし「（新型コロナ事態を）必ず乗り越えることができる。今は国家的レベルで事態の解決に専念する時だ。不安と分裂を増幅させることを自制するよう強く願う」と呼びかけた。

文大統領は新型コロナ事態による急激な景気悪化について「非常経済時局で経済的な衝撃を緩和するために全力で対応しなければいけない状況」とし「補正予算案まで含めて支援対策に３０兆ウォン（約２兆７０００億円）以上の直接・間接的財源を投入する計画」と明らかにした。続いて「補正予算案が通過すればすぐに現場で政策効果を体感できるよう万全の準備をしてほしい」と注文した。

文大統領は各部処に向けて「各部処に特に強調したい。防疫と経済に対する非常態勢をさらに強化する必要がある」とし「中央災害安全対策本部のコントロールタワーの役割に加え、政府のすべての組織を２４時間緊急状況室体制に転換するよう願う」と述べた。続いて「すべての部処の長官が机ではなく現場で直接防疫と民生経済に力を注いでほしい」と伝えた。