◆南・北・中協力モデルの有効性点検が必要
韓国政府は新型コロナ危機が本格化する前でさえ執権後半期の南北関係改善に向けた新たなアプローチ法を模索してきた。これは米朝関係の発展に注力する間、南北関係の推進動力を失ったことに対する省察の結果であり、実際に境界地域を通した観光協力という迂迴路を提示することもした。ここには事実上、中朝協力空間を活用するという戦略的意味も内包されている。実際、昨年末に中国遼寧省党書記と吉林省党書記が相次いで北朝鮮を訪問して中朝正常の合意を貫徹するための実質的措置として、民生・農業・観光・文化・体育の協力などに合意していた。
一方、中国国家発展改革委員会と吉林省政府が韓国の企画財政部と北方経済協力委員会とともに、中国長春に韓中国際協力モデル地区設置に対する了解覚書を締結したことも国境地域での接点を探すためだ。しかし、南北中協力にはそれぞれ違う国家利益があり、市場原理を尊重するべきで、持続可能性が保証されなければならない。このような点で韓国の資本と技術、北朝鮮の労働力、中国の土地を結合する伝統的な南北中協力モデルが依然として有効かどうかに対する点検が必要だ。そして毎年中国内で最下位の経済成績を記録している東北境界地域に韓国系企業を誘致して新規投資を説得することは易しいことではない。現実的に韓半島未来ビジョンを考慮した大企業の戦略的投資がない限り、境界地域で産業クラスターを構築する実験は試行錯誤を強いられる公算が大きい。
◆中国はコロナ問題に足を引っ張られる
このような流動的な韓半島状況で今年上半期に習近平国家主席が、下半期に李克強首相の韓国訪問が予定されている。これを機に両国はTHAAD(高高度防衛ミサイル)問題が残した懸案を解決する一方、韓半島非核化のための共同の役割と現在の戦略的協力パートナー関係を格上げさせる方案を議論するだろう。韓米関係と韓中関係を同時に発展させようとする韓国政府の拡大均衡(expanded equilibrium)の試金石でもある。新型コロナ事態を機に韓国政府が中国国民の心をつかむ対中国公共外交を積極的に推進した背景もここにある。しかし問題は、中国が国内問題に足を引っ張られていて、中国の独自行動に対する米国の反発があり、北朝鮮の戦略的方向が整理されないでいるという点で、韓中協力を通した迂迴路の確保も思ったほど簡単ではない。
過去のどの政権も、方法論は違えど南北関係に多くの努力を注ぎ込んできた。一時は韓米関係に連動された従属構造の中で歩き慣れた道を歩いてきた。外交的事故を起こさないことが目標になるほど韓半島平和を制度化する意志そのものが弱かった。もう一方で、南北和解を通じて韓半島現象を変えなければいけないという歴史との対話意志に傾倒したまま、焦るように外交政策を実験する過程で試行錯誤も強いられた。このような点で、韓国的方案の対内外説得力の確保、幅広い国内的合意、精巧な実行プログラム、各部署の大胆な役割分担などを模索する必要がある。逆説的に中国発新型コロナ危機はもう少し長い呼吸で韓半島問題を省察する機会を与えている。
李熙玉(イ・ヒオク)/成均館(ソンギュングァン)大学政治外交学科教授・成均中国研究所長・リセットコリア外交安保分科委員
【コラム】新型コロナ事態で大しけの韓半島情勢(1)
韓国政府は新型コロナ危機が本格化する前でさえ執権後半期の南北関係改善に向けた新たなアプローチ法を模索してきた。これは米朝関係の発展に注力する間、南北関係の推進動力を失ったことに対する省察の結果であり、実際に境界地域を通した観光協力という迂迴路を提示することもした。ここには事実上、中朝協力空間を活用するという戦略的意味も内包されている。実際、昨年末に中国遼寧省党書記と吉林省党書記が相次いで北朝鮮を訪問して中朝正常の合意を貫徹するための実質的措置として、民生・農業・観光・文化・体育の協力などに合意していた。
一方、中国国家発展改革委員会と吉林省政府が韓国の企画財政部と北方経済協力委員会とともに、中国長春に韓中国際協力モデル地区設置に対する了解覚書を締結したことも国境地域での接点を探すためだ。しかし、南北中協力にはそれぞれ違う国家利益があり、市場原理を尊重するべきで、持続可能性が保証されなければならない。このような点で韓国の資本と技術、北朝鮮の労働力、中国の土地を結合する伝統的な南北中協力モデルが依然として有効かどうかに対する点検が必要だ。そして毎年中国内で最下位の経済成績を記録している東北境界地域に韓国系企業を誘致して新規投資を説得することは易しいことではない。現実的に韓半島未来ビジョンを考慮した大企業の戦略的投資がない限り、境界地域で産業クラスターを構築する実験は試行錯誤を強いられる公算が大きい。
◆中国はコロナ問題に足を引っ張られる
このような流動的な韓半島状況で今年上半期に習近平国家主席が、下半期に李克強首相の韓国訪問が予定されている。これを機に両国はTHAAD(高高度防衛ミサイル)問題が残した懸案を解決する一方、韓半島非核化のための共同の役割と現在の戦略的協力パートナー関係を格上げさせる方案を議論するだろう。韓米関係と韓中関係を同時に発展させようとする韓国政府の拡大均衡(expanded equilibrium)の試金石でもある。新型コロナ事態を機に韓国政府が中国国民の心をつかむ対中国公共外交を積極的に推進した背景もここにある。しかし問題は、中国が国内問題に足を引っ張られていて、中国の独自行動に対する米国の反発があり、北朝鮮の戦略的方向が整理されないでいるという点で、韓中協力を通した迂迴路の確保も思ったほど簡単ではない。
過去のどの政権も、方法論は違えど南北関係に多くの努力を注ぎ込んできた。一時は韓米関係に連動された従属構造の中で歩き慣れた道を歩いてきた。外交的事故を起こさないことが目標になるほど韓半島平和を制度化する意志そのものが弱かった。もう一方で、南北和解を通じて韓半島現象を変えなければいけないという歴史との対話意志に傾倒したまま、焦るように外交政策を実験する過程で試行錯誤も強いられた。このような点で、韓国的方案の対内外説得力の確保、幅広い国内的合意、精巧な実行プログラム、各部署の大胆な役割分担などを模索する必要がある。逆説的に中国発新型コロナ危機はもう少し長い呼吸で韓半島問題を省察する機会を与えている。
李熙玉(イ・ヒオク)/成均館(ソンギュングァン)大学政治外交学科教授・成均中国研究所長・リセットコリア外交安保分科委員
【コラム】新型コロナ事態で大しけの韓半島情勢(1)
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