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「地下鉄の無料マスクをわしづかみで持ち去る…消毒剤もボトルごと消える」=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

新型コロナウイルス感染症拡散を防ぐためにソウル地下鉄構内に備えつけてあった手指消毒剤がボトルごと消えた。これを防止するため、3日、該当の駅では消毒剤の筒を黒のガムテープで固定した(2号線蚕室駅)。[写真 ソウル交通公社]

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)事態が長期化の兆しを見せながら、世界中で「マスク大乱」が起きている。

3日、ソウル市によると、市内の地下鉄の駅などに準備されていた無料マスクや手指消毒剤などがまるごと消えた。

ソウル市疾病管理課のキム・ジョンイル課長はこの日、定例記者会見で「最近、毎朝地下鉄の駅にマスク1000枚を置いておくと30分で全部なくなる」とし「できるだけ良心的に1人1枚使ってほしいと思ったが、状況がそうではない」と伝えた。今月2日までの市のマスク保有量は600万枚だ。


キム課長は「手指消毒剤もボトルのまま持ち去る場合があり、ひどい場合にはソウル市庁1階でもそのようなことがあった」とし「良識ある市民意識を発揮してほしい」と訴えた。市は窮余の策として消毒剤のボトルの下に接着剤を塗ったり鎖で固定したりしていると付け加えた。また、地下鉄で配布する無料マスクを駅員から受け取る方式に変更することにした。

軍当局は今年一年、順次調達を受けることにしていた防疫マスクを年初に全て確保する方案を推進している。新型コロナの予防規則遵守により、兵士たちが日常生活でもマスクを常時着用することができるようにするためだ。

3日、国防部によると、今年兵士たちに補給する防疫マスク(KF80以上)約1946万枚は、当初、粒子状物質が猛威を振るう時期に合わせて分けて調達される予定だった。だが、新型コロナ事態によって早期確保に方針が変わった。これは兵士1人あたり年間50枚の支給分になる。

昨年18枚よりも大幅に増えた。現在まで729万枚が一線部隊に割り当てられ、今月17日には100万枚が追加で入ってくる。国防部はマスク全量が早期に確保されれば2カ月以上は耐えられるとみている。

在韓米軍もマスクの確保に奔走している。在韓米軍司令部が位置する京畿道平沢(キョンギド・ピョンテク)の米軍基地「キャンプ・ハンフリーズ」は今月2日、フェイスブックを通じて「マスクと手指消毒剤が不足していて、今週後半までに物量を追加で確保する」と公示した。

韓国政府は国内でマスクを大量に買い入れた後、中国に搬出する「マスク買出し商人」を取り締まることにした。

新型コロナが拡散すると、買出し商人はもちろん中国人留学生なども加担して「価格はいくらでも出す」と言いながらマスクを数十万~数百万枚ずつ買い漁っているためだ。これによって国内のマスクメーカーが24時間フル稼動して最大値を生産しているが、オンラインショッピングモールや大型マートなどでマスクを手に入れることが難しくなっている。暴利を狙って買い占めた場合、2年以上の懲役や5000万ウォン(約456万円)以下の罰金に処される。

実際、国内マスクメーカーや中間卸売商などが集まったSNSのグループチャットでは「KF94(一枚あたり)1990ウォンまでで買う。330万枚必要だ」「価格はいくらでも合わせる。KF80以上100万枚望む」というコメントがリアルタイムでやり取りされていた。札束の写真やマスクが段ボール箱のまま工場に積まれている認証ショットも多くやり取りされた。

会社員のキムさん(34)は「政府やメディアが新型コロナ予防のためにマスクを使うよう呼びかけているが、マスクを入手するのがとても難しくなった。オンラインショッピングモールは全て品切れか、本来1~2万ウォンだった20枚入りの箱を10万ウォンで売るなど、あきれた価格を要求する場合が多い」として悔しさを吐露した。

警察はマスクの他に手指消毒剤の買い占め行為も取り締まる方針だ。食品医薬品安全処の李儀卿(イ・ウィギョン)処長は2日、記者会見で「現在、一日平均800万枚ほど生産されているが、メーカーを督励して1000万枚ほどに生産量を増やすことができる」と話した。

世界各国もマスクの品薄現象が発生していることを受けて対策準備を打ち出している。購入数量を制限したり、挙句の果てにはマスクの「海外輸出禁止令」を下すなどした。マスクを入手できなかった一部の人々は、野菜や果物、生活用品などから作った「ハンドメード」マスクを着用している。

新型コロナがまだ「上陸」していないイスラエルでマスクの品切れ事態が広がっていると3日(現地時間)、イスラエルメディアのハアレツが報じた。インドと台湾はマスク輸出禁止措置を下した。中国福建省廈門では公式WeChatアカウントに登録した住民たちに対して「抽選」を通じて指定販売店で一回につき6枚のマスクだけを購入できるようにした。最初から「ハンドメード」マスクを着用する者も増えている。レモンやグレープフルーツなど果物の皮に穴を開けた後、ひもを通して耳にかけてマスク代わりにしたり、目と口の部分をくり抜いたハクサイの仮面のようなものを顔につけている人も登場した。

住宅街の大型ショッピングセンターやコンビニエンスストア、薬局などにはマスクが残っている確率が高い。反面、観光客が多く集まる場所や確定患者が訪問したことが確認された水原(スウォン)や富川(プチョン)ではマスクの品薄現象が続いている。Coupang(クーパン)やGマーケット、11番街など主要ECサイトでもマスクの入庫が遅れて「品切れ」表示を付けた販売者が依然として多い。大型ショッピングセンターは1人が購入できるマスクの物量に制限を設けている。

ホームプラスは今月1日からマスクの購入を1人あたり30枚に制限している。emart(イーマート)では最近一日でマスク30万~35万枚が売れて物量確保に頭を痛めた。流通業界関係者は「オフライン店舗の在庫は普通、早朝に補充されるので、午前中に店舗を訪問すれば手堅くマスクを買える」と助言した。



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