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【コラム】好意が続けばそれを権利だと思い込む=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2010年に公開された映画「不当取引」で腐敗した検事役を演じた俳優リュ・スンボムは「好意が続けばそれを権利だと思い込む」と話す。映画で彼の役割は公憤を買ったが、このセリフは共感を得て「好意を続ければ『カモ』になる」などさまざまなパロディを生んだ。映画『ダークナイト』(2008年)で、ジョーカーは「うまくできることがあっても決してするな」という助言をした。

日常生活で無条件の好意はリスクもある。相手がこれを当然のことだと思い込み、全く感謝しなかったり無視したりして悪意で返す可能性もある。個人の関係もそうだが、国の関係で無条件の好意は国の生存まで脅かすこともある。

米国の政治学者ロバート・アクセルロッドは信頼できない相手とゲームをする場合「しっぺ返し戦略(tit for tat)」が効果的だと述べた。この戦略は簡単だ。「まずは協力する(善意)。相手が裏切れば裏切る(報復)。相手が協力すれば再び協力する(寛容)」。模擬実験の結果、この戦略はほかのどの戦略よりも高い点数を受けた。常識的で現実的なしっぺ返し戦略は実際、国家間の関係を規定する基本戦略として広く使われている。


こうした常識が通用しないのが文在寅(ムン・ジェイン)政権の対北朝鮮政策だ。北朝鮮が韓国を無視して脅かしても、文政権は対話と協力を前に出す。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は昨年末、労働党全員会議の報告で、米朝非核化交渉のために暫定中断した核兵器と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験を再開する可能性もあるとし、2018年6月12日の米朝首脳会談で合意した「核兵器モラトリアム(猶予)」の破棄を事実上宣言した。

これに対し文在寅大統領は7日の新年の演説で「金委員長の答礼訪問のための環境が一日も早く整うよう南北が共に努力していくことを望む」とし「開城(ケソン)工業団地および金剛山(クムガンサン)観光の再開に向けた努力も続けていく」と明らかにした。南北関係の改善を今年の国政目標の優先順位にするという点を明確にしたのだ。北朝鮮の核武装と新しい戦略武器で韓国の生存がさらに危険になったが、文大統領が南北協力に言及すると「本当に韓国の大統領なのか」という反応が出てきた。

大統領の新年の演説以降、政府は対北朝鮮個別訪問など独自の南北協力事業推進意志を前に出したが、当事国の北朝鮮と同盟国の米国の双方から無視されている。北朝鮮は韓国に金剛山の施設を撤去すべきだと述べ、ハリス駐韓米国大使は「米国と協議する必要がある」とブレーキをかけた。

米シンクタンク「ブルッキングス研究所」のマイケル・オハンロン研究委員は文化日報のインタビューで「文在寅大統領が非常に危険なゲームをしていて、失敗している。いかなる条件もなく制裁を緩和するのは悪い考えであり、これに反対する」と述べた。

北朝鮮の脅威と挑発にもかかわらず南北経済協力を再開するというのは自国の生存を脅かす行為だ。ソウル大のキム・ビョンヨン教授(経済学)は「今の時点での経済協力推進は、制裁を崩壊させ、北の自力更生を助け、非核化が失敗する可能性を高める」と指摘した。一方、対北朝鮮制裁は北朝鮮を非核化交渉に引き出し、北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)核施設の廃棄が可能だと提案するほど効果が立証された。

韓国は現在、絶体絶命の瞬間に直面している。北朝鮮の非核化に失敗する場合、韓国は核保有国の北朝鮮の脅威に苦しめられ、生存に戦々恐々とするしかない。文大統領は現世代と子孫の生存のために総力を尽くして北朝鮮の非核化に取り組む必要がある。このような時に対北朝鮮制裁を緩和して南北経済協力を推進するのは、北朝鮮だけに利益となり、韓国の生存には全く役に立たない。米国の反対にもかかわらず南北経済協力を推進すれば、韓米同盟の亀裂が深まるだけだ。

ニューヨーク大のナシーム・タレブ教授は著書『スキン・イン・ザ・ゲーム』で「生存を可能にするのが合理的な判断だ。合理性は破滅を防ぎ、生存を助ける機能性で確認される」と述べた。大統領の最大の任務は国家の生存を助けることだ。北朝鮮に向けた無条件の善意は国の生存に役に立たないだけに、北朝鮮の脅威と挑発には断固対処して韓国の生存力を高める必要がある。

チョン・ジェホン/国際外交安保エディター



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