きのう夕方に発表された検事長級以上の高位幹部に対する検察人事は内容だけでなく法的形式でも正当性を失った。チョ・グク前法務部長官家族の不正に続き青瓦台(チョンワデ、大統領府)の蔚山(ウルサン)市長選挙介入事件を捜査中のソウル中央地検長をはじめ、柳在洙(ユ・ジェス)前釜山市(プサンシ)副市長の監察もみ消し事件を陣頭指揮したソウル東部地検長を左遷させたのだ。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長を補佐した最高検察庁参謀陣を総入れ替えしたのは検察大虐殺と変わらない人事と評価できる。これでもこの政権が果たして公正と正義を語れるのか疑わしい。今回の人事は検察改革というよりは検察手なずけにすぎないものと解釈できるためだ。尹検事総長を無力化させて権力層への捜査を遮断しようとする政治的下心があるという疑惑を買うのに十分だ。
政権発足とともに行われた積弊清算の時は被疑者となった元将校や元検事、元弁護士らが自ら命を絶っても文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「捜査を止めることはできない」と話した。検察改革を語る人はだれもいなかった。尹検事総長を任命しながら「われらが尹検事総長は生きている権力にも捜査をすべき」と話したのがまさに文大統領だった。その後検察の刃が青瓦台と与党に向けられると、すぐに改革をうんぬんしながら左遷人事をしたのは恥を知らぬ処置だ。
4月に行われる選挙に悪影響が及ぶことを懸念し6カ月ぶりに急いで人事をするのは検察を政治の領域に引き込むという意図だろう。「空席ないし辞職で発生した欠員を補充し、それにともなう後続措置を取るための通常の定期人事」という法務部の発表は国民をあまりに甘くみたものではないのか。「これまで黙々とやるべき任務を全うしてきた検事らを抜擢し、人権保護など民生と直結した業務に専念してきた検事らを優遇した」という主張には権力に向けた特別捜査と公安捜査に対する圧迫も同じだ。
人事が発表されるまでこの日続いた秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の見せつけるような動きも合理的には見えない。秋長官は「検事人事の際に法務部長官は検事総長の意見を聞き大統領に推薦する」という検察庁法を意識したように尹検事総長に自身の日程を伝えたと報道官を通じてメディアに知らせた。だがこれは今後の違法議論を避けるための小細工とみることができる。当初から尹検事総長に人事内容を教える考えはなかったというのが検察の主張だ。
また、検事を2回も辞めて大企業に就職した弁護士を法務部検察局長に任命しようとしたが人事委員会で拒否されたのも今回の人事の隙だ。どんな政治権力がどんな理由で彼を任命しようとしたのか国民は知る権利がある。検察人事がこのような形なので国の刑事司法体系の根幹が感情的な措置でよじれているという批判を受けるのではないのか。
今回の人事が合理的でなく節制されていないからと検察の扉を閉めることはできない。尹検事総長は後任検事らを督励して生きている権力に対する捜査を継続しなければならない。青瓦台が直接乗り出して国民の主権行使を妨害し、自由民主主義の根幹である法治主義を毀損していないかに対する実体的真実は明らかにならなければならない。文大統領が民情首席秘書官だった時にともに勤め、大学の後輩であるソウル中央地検長も国民のための検察とは果たして何かじっくり考えることを促す。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長を補佐した最高検察庁参謀陣を総入れ替えしたのは検察大虐殺と変わらない人事と評価できる。これでもこの政権が果たして公正と正義を語れるのか疑わしい。今回の人事は検察改革というよりは検察手なずけにすぎないものと解釈できるためだ。尹検事総長を無力化させて権力層への捜査を遮断しようとする政治的下心があるという疑惑を買うのに十分だ。
政権発足とともに行われた積弊清算の時は被疑者となった元将校や元検事、元弁護士らが自ら命を絶っても文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「捜査を止めることはできない」と話した。検察改革を語る人はだれもいなかった。尹検事総長を任命しながら「われらが尹検事総長は生きている権力にも捜査をすべき」と話したのがまさに文大統領だった。その後検察の刃が青瓦台と与党に向けられると、すぐに改革をうんぬんしながら左遷人事をしたのは恥を知らぬ処置だ。
4月に行われる選挙に悪影響が及ぶことを懸念し6カ月ぶりに急いで人事をするのは検察を政治の領域に引き込むという意図だろう。「空席ないし辞職で発生した欠員を補充し、それにともなう後続措置を取るための通常の定期人事」という法務部の発表は国民をあまりに甘くみたものではないのか。「これまで黙々とやるべき任務を全うしてきた検事らを抜擢し、人権保護など民生と直結した業務に専念してきた検事らを優遇した」という主張には権力に向けた特別捜査と公安捜査に対する圧迫も同じだ。
人事が発表されるまでこの日続いた秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の見せつけるような動きも合理的には見えない。秋長官は「検事人事の際に法務部長官は検事総長の意見を聞き大統領に推薦する」という検察庁法を意識したように尹検事総長に自身の日程を伝えたと報道官を通じてメディアに知らせた。だがこれは今後の違法議論を避けるための小細工とみることができる。当初から尹検事総長に人事内容を教える考えはなかったというのが検察の主張だ。
また、検事を2回も辞めて大企業に就職した弁護士を法務部検察局長に任命しようとしたが人事委員会で拒否されたのも今回の人事の隙だ。どんな政治権力がどんな理由で彼を任命しようとしたのか国民は知る権利がある。検察人事がこのような形なので国の刑事司法体系の根幹が感情的な措置でよじれているという批判を受けるのではないのか。
今回の人事が合理的でなく節制されていないからと検察の扉を閉めることはできない。尹検事総長は後任検事らを督励して生きている権力に対する捜査を継続しなければならない。青瓦台が直接乗り出して国民の主権行使を妨害し、自由民主主義の根幹である法治主義を毀損していないかに対する実体的真実は明らかにならなければならない。文大統領が民情首席秘書官だった時にともに勤め、大学の後輩であるソウル中央地検長も国民のための検察とは果たして何かじっくり考えることを促す。
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