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【時視各角】一度も経験したことのない国=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
BTSの人気がポン・ジュノにも移った。ポン・ジュノの『パラサイト 半地下の家族』が韓国映画史上初めて米国ゴールデングローブ賞外国語映画賞を受賞した。芸術性のバロメーターであるカンヌ映画祭パルムドール(2019)に続き、映画産業のメーカーである米国の主な映画賞受賞。「アカデミー賞だけが残っている」という話も聞こえる。ここ数カ月間、米国では「ポンハイブ」と呼ばれるポン・ジュノ監督のファン層が熱かった。バラク・オバマ大統領、レオナルド・ディカプリオなどセレブも加勢した。当初『パラサイト]の上映劇場は3館だったが、SNSの好評が続いて620館余りに増えた。ニューヨークタイムズは「皆が『パラサイト]を作った人に会いたがっている」と人気を伝えた。

これに先立ち、BTSは昨年12月31日ニューヨーク・マンハッタンのタイムズスクエアで開かれたABCの新年イベントに参加した。殺到したファンたちが韓国語で歌を一緒に歌いながら歓呼した。昨年、BTSがグラミー賞のノミネートに失敗した時は外信が出て「保守的なグラミー賞が時代に遅れているという証拠」として猛攻した。先月にはチリ反政府デモ後にK-POPのファンたちがいるというチリ政府の報告書まで登場した。K-POPファンたちがそれに関するコメントを集中的にリツーイトして問題を拡大したという分析だ。ARMY(BTSのファン)が政治行動の主体になる可能性があるということを示唆した。CNNは最近「10年前までは人々はレディー・ガガやアバターなど米国の大衆文化に熱狂したが、今は韓流という言葉をそのまま使うほど韓国の大衆文化が拡散した。2010年代、英語圏大衆文化の地殻変動は韓流など東アジア文化の浸透」と報じた。

米テキサスM&A国際大学のキム・ジュオク教授は「米国の文化産業はローカル・非主流文化だといっても影響力があって市場の反応が確実であればメディアを動員して集中照明し、メイン産業の滋養分として吸収する」と分析した。ビルボードで躍進してもはやメインジャンルに位置づけられたラテン音楽のように新しい市場創出効果を狙うからだ。階級間対立を素材にした『パラサイト』と新自由主義時代の「アンダードック」の神話、「マイノリティ」でアピールしたBTSは資本主義の心臓である米国で彼を批判するメッセージで成功し、資本主義文化産業のヒーローになったというアイロニカルな共通点もある。ポン・ジュノとBTSはそれこそ誰も想像できなかった超国家的なKカルチャーの力を見せる。K-POP側では最初からグローバルの舞台でデビューして韓国より海外で人気の高い「輸出型」アイドルが増加している。ネイバー(NAVER)のスターインターネット包装「Vライブ」はユーザーの85%が海外のファンだ。韓国ファン層と海外ファン層間民族主義的な対立がイシューになったりもする。


ポン・ジュノは映画館観客中心だったパク・チャヌクを越え、韓国的な話で世界的な普遍性を獲得した。ネットフリックス映画『オクジャ/okja』を演出するなど、プラットホームの変化にも早く適応した。ソーシャルメディア活用の教本といえるBTSに対しては新たに言及する必要ない。

長い目でみると、彼らの成功は検閲の廃止など規制緩和、政治民主化、大資本とエリート人材の投入で1990年代後半~2000年代初期の土台を作った韓国文化コンテンツ産業がその後のグローバルメディア消費環境の変化にのって世界の文化地形を変えた結果だ。海外では韓流を政府支援の産物に貶めようとする見方もあるが、歴代の政府は「文化強国」の宣言だけが騒がしかっただけで徹底して民間領域で市場論理によって成果を作った。今回ポン・ジュノ監督は「BTSが享受する文化的パワーは私の3000倍は超えるだろう」とし「韓国は素敵なアーティストが多く出るしかない国、感情的に非常に激しくてダイナミックな国」とも話した。韓国社会がその創作の源泉、文化的なDNAということだ。

政治的な皮肉の対象になっているが、大統領が述べた「一度も経験したことのない国」とはこのようなものではないだろうか。文化は韓国社会の矛盾と対立を滋養分にして全世界へ羽ばたくが、矛盾と葛藤の解決者になるべき政治はなぜ毎日のようにこのままなのかもどかしいばかりだ。突然政治のことを考えると苦々しい。政治、文化のようにはできないのだろうか。

ヤン・ソンヒ/論説委員



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