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<チャイナインサイト>限韓令の解除で韓中関係は回復するのか(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
◆ニューノーマル:冷たくも熱くもなく

2020年春と予想される習近平主席の訪韓の前後に、THAAD経済報復の象徴と見なされる中国人団体観光(クルーズ、チャーター機)と韓流文化制裁が改善される可能性がある。その時、韓国の代表的な韓流アイドルの中国公演再開が発表され、首脳会談のムードが形成される可能性もある。しかし「下方平準化」された韓中関係の「ニューノーマル」は大きな枠で持続すると考えられる。訪韓した王毅外相がTHAADについて以前のように韓国に批判的な態度を取らず「THAADは米国が配備した」と述べ、米国の責任とした点は示唆することが多い。中国にこれといったTHAAD解決の答えを出せない韓国に対し、中国が自ら答えを与えたのだ。THAAD問題は中国が望む時に解くという意味だ。

結局、韓中関係は「THAAD前」と「THAAD後」に分かれる。THAADに関する「3不」が「約束」か「立場表明」かという表現をめぐり韓中が葛藤する状況も、結局は中国が韓国に圧力を加えることができるカードだ。例えば米国が中距離ミサイルを韓国に配備すれば、中国は「3不違反」という可能性がある。韓中関係はまた悪化するはずであり、その波紋は確実にTHAAD当時よりも大きくなるだろう。1962年のキューバミサイル危機が話題に挙がる理由だ。


◆錯視:習主席が訪韓すればTHAAD葛藤は終わる?

2020年は韓中関係「回復」と「非対称化」が同時に進む一年となる可能性がある。従来の同盟の米国など主要国との関係が悪化し、中国側に外交の方向が傾く側面と、米中関係の悪化の中で韓国を中国側に引き込もうとする中国の計算が重なるからだ。米中関係の悪化が深刻になる背景の中で、韓国が同盟の米国との関係、隣国の中国との関係を調整する宿題は2020年にも続くだろう。

THAAD配備をめぐって韓国が見せた優柔不断な態度は、米国国内で生じている韓国の「中国傾斜論」と重なり、韓国は信頼できる同盟なのかという問題を招いた。韓国が結局、米国の望み通りにTHAADを配備したにもかかわらず米国の喝采を受けることができなかった理由だ。米国は韓国がTHAAD配備で中国の報復を受けている渦中にも「戦略的忍耐」をした。これは何もしないことを美しく表す言葉だ。友人が自分のために叩かれていても手を後ろに組んで眺めているのと変わらない。

これは米中の間でのポジショニング戦略について韓国がもう少し深く悩む必要があることを示唆する。単に米中間の機械的な中立や、「米中ともに重要でありどちら側も選択してはいけない」という「賢い弁解」(clever excuse)の後ろに隠れてはいけない。周辺国の線引きは強大国の長い歴史的覇権行動様式だ。

最も懸念されるのは、こうした環境で韓国が選択できる戦略的オプションがないという点だ。これは韓国が米中双方から束縛を受けているというよりも、双方から戦略的疑問を受けている状況と重なり、韓国外交の困難を深めるおそれがある。総合的に見ると、韓中関係が回復して韓中間の最大障害物だったTHAAD葛藤が終わるように見えるのは「錯視」現象だ。米中葛藤が深まる過程で、中国が韓国に対する戦略的調整に出た側面が大きい。これは韓国がTHAADよりも大きく根本的、長期的な挑戦に入っているという含意になるのかもしれない。


<チャイナインサイト>限韓令の解除で韓中関係は回復するのか(1)

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