「市場経済」が韓国で悲鳴をあげている。個人が自身の選択を自由に追求するところが市場だ。その市場は少ない資源を効率的に配分すると我々は学んだ。市場の失敗は政府が補完する。しかし政府が過剰な意欲で市場に無理に介入して消費者の選択を制約する時、事故が発生する。市場は委縮してゆがみ、経済は後退する。反市場的政策の結末だ。
最低賃金の急騰と週52時間勤務制、分譲価格上限制だけではない。文在寅(ムン・ジェイン)政権の突然の特別目的高校・自律型私立高校廃止政策も反市場的な政策の範ちゅうに含まれる。「チョ・グク法務長官事態」が発端だったが、政府はとんでもなく教育消費者の選択権制限に向かった。多くの親は子どもに公教育と差別化された教育をさせる機会を失うことになった。我々の社会最上流層はすでに子どもを外国の有名寄宿学校に通わせている。経済的に余裕がある家庭は子どもを早期留学させるだろう。近いうちに留学エージェント、留学費送金も増えるはずだ。しかし多くの中産層と庶民は、子どもに良質の教育機会を与えることができないという事実に直面する。
市場は反市場的な政策に必ず復讐をする。その復讐の刃先が今回向けられたのが不動産市場だ。特別目的高校・自律型私立高校廃止方針だけでも、大学進学実績が良い一般高校と有名な塾が密集するソウル江南区大峙洞(カンナムグ・テチドン)と陽川区木洞(ヤンチョング・モクトン)の価値が上がった。小中学校の子どもがいる親が急いで動いた。分譲価格上限制という怪物が押し寄せた不動産市場は火に油を注いだ様相になった。江南の住宅価格が高騰し、この勢いは「ギャップ埋め」という名のもとソウル全域に広まった。
いつも庶民のためと話している政府が結局、庶民のマイホーム所有をさらに難しくした。市場に逆らって問題を自ら招いたのだ。そしてさらに16日の不動産対策で金融封鎖という新たな怪物を呼んだ。「15億ウォン(約1億4000万円)超過マンション住宅担保融資禁止」が代表的な例だ。高価マンションは実需者までも融資を受けて購入する道が遮断されたのだ。高価マンションの購入が罪にでもなるのだろうか。銀行の融資を受けて学区や交通の便が良い地域の住宅を買ってはいけないか。15億ウォンという基準はどこから出てきたのか。2019年12月16日は文在寅政権がソウル住宅価格を抑えるために金融の自由、経済の自由の抑圧を始めた日として記録されるだろう。市場を壊すのは、価格を抑制すべき対象と考える認識だ。価格は叩くほど飛び出してくる。
昨年の9・13対策もそうだった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代を上回る総合不動産税重課が出てきた。税金爆弾という批判が続いた。当時、政府が自ら「住居価格を無条件に抑制すべきというのが与党・政府・青瓦台(チョンワデ、大統領府)の共通意見」と述べた。その1年後、総合不動産税は実際に爆弾となって投下された。昨年より1兆ウォン以上増えると国会予算政策処は推算する。市場では「住居価格を上げておいて税金を徴収するのか」という非難まで登場した。マンション所有費用を急激に高めてでもマンションを売却させようというのが政府の目標だった。しかし市場の動きは違った。数百万ウォンの総合不動産税を出さなければいけない家主は「住居価格が数億ウォンも上がっているところなので家賃を上げて貸せばよい」と考え始めた。政府が期待した売り物は出てこなかった。借家人が総合不動産税爆弾の破片を浴びる状況だ。消費者は教育・職場・交通などの理由からソウルの都心に住むことを希望する。その欲求がソウルの住宅価格を高くする。にもかかわらず政府は市場の声には耳をふさいで不動産価格を抑えることに没頭している。
実際、不動産価格の暴騰や自営業者の没落など経済危機の根は一つだ。政府が固執してきた反市場的政策のためだ。最低賃金の急騰は労働市場が耐えられない水準の労働価格を政府が押しつけたものであり、週52時間勤務制は市場が決定すべき労働の投入量を政府が規制したものであり、、分譲価格上限制は新規住宅価格を政府が定めたものだ。需要と供給による価格決定という経済の基本原理は作動しなかった。
多くの民間専門家は「市場で決定されるべきことに政府が繰り返し介入し、それで市場を歪曲させるのが文在寅政権の問題」と話す。違うと言えるだろうか。市場は必ず復讐する。その復讐がまたどんな形態で表れるのか心配だ。
イ・サンリョル/コンテンツ制作Chiefエディター
最低賃金の急騰と週52時間勤務制、分譲価格上限制だけではない。文在寅(ムン・ジェイン)政権の突然の特別目的高校・自律型私立高校廃止政策も反市場的な政策の範ちゅうに含まれる。「チョ・グク法務長官事態」が発端だったが、政府はとんでもなく教育消費者の選択権制限に向かった。多くの親は子どもに公教育と差別化された教育をさせる機会を失うことになった。我々の社会最上流層はすでに子どもを外国の有名寄宿学校に通わせている。経済的に余裕がある家庭は子どもを早期留学させるだろう。近いうちに留学エージェント、留学費送金も増えるはずだ。しかし多くの中産層と庶民は、子どもに良質の教育機会を与えることができないという事実に直面する。
市場は反市場的な政策に必ず復讐をする。その復讐の刃先が今回向けられたのが不動産市場だ。特別目的高校・自律型私立高校廃止方針だけでも、大学進学実績が良い一般高校と有名な塾が密集するソウル江南区大峙洞(カンナムグ・テチドン)と陽川区木洞(ヤンチョング・モクトン)の価値が上がった。小中学校の子どもがいる親が急いで動いた。分譲価格上限制という怪物が押し寄せた不動産市場は火に油を注いだ様相になった。江南の住宅価格が高騰し、この勢いは「ギャップ埋め」という名のもとソウル全域に広まった。
いつも庶民のためと話している政府が結局、庶民のマイホーム所有をさらに難しくした。市場に逆らって問題を自ら招いたのだ。そしてさらに16日の不動産対策で金融封鎖という新たな怪物を呼んだ。「15億ウォン(約1億4000万円)超過マンション住宅担保融資禁止」が代表的な例だ。高価マンションは実需者までも融資を受けて購入する道が遮断されたのだ。高価マンションの購入が罪にでもなるのだろうか。銀行の融資を受けて学区や交通の便が良い地域の住宅を買ってはいけないか。15億ウォンという基準はどこから出てきたのか。2019年12月16日は文在寅政権がソウル住宅価格を抑えるために金融の自由、経済の自由の抑圧を始めた日として記録されるだろう。市場を壊すのは、価格を抑制すべき対象と考える認識だ。価格は叩くほど飛び出してくる。
昨年の9・13対策もそうだった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代を上回る総合不動産税重課が出てきた。税金爆弾という批判が続いた。当時、政府が自ら「住居価格を無条件に抑制すべきというのが与党・政府・青瓦台(チョンワデ、大統領府)の共通意見」と述べた。その1年後、総合不動産税は実際に爆弾となって投下された。昨年より1兆ウォン以上増えると国会予算政策処は推算する。市場では「住居価格を上げておいて税金を徴収するのか」という非難まで登場した。マンション所有費用を急激に高めてでもマンションを売却させようというのが政府の目標だった。しかし市場の動きは違った。数百万ウォンの総合不動産税を出さなければいけない家主は「住居価格が数億ウォンも上がっているところなので家賃を上げて貸せばよい」と考え始めた。政府が期待した売り物は出てこなかった。借家人が総合不動産税爆弾の破片を浴びる状況だ。消費者は教育・職場・交通などの理由からソウルの都心に住むことを希望する。その欲求がソウルの住宅価格を高くする。にもかかわらず政府は市場の声には耳をふさいで不動産価格を抑えることに没頭している。
実際、不動産価格の暴騰や自営業者の没落など経済危機の根は一つだ。政府が固執してきた反市場的政策のためだ。最低賃金の急騰は労働市場が耐えられない水準の労働価格を政府が押しつけたものであり、週52時間勤務制は市場が決定すべき労働の投入量を政府が規制したものであり、、分譲価格上限制は新規住宅価格を政府が定めたものだ。需要と供給による価格決定という経済の基本原理は作動しなかった。
多くの民間専門家は「市場で決定されるべきことに政府が繰り返し介入し、それで市場を歪曲させるのが文在寅政権の問題」と話す。違うと言えるだろうか。市場は必ず復讐する。その復讐がまたどんな形態で表れるのか心配だ。
イ・サンリョル/コンテンツ制作Chiefエディター
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