中国の影響力拡大と米国の保護貿易主義が渦巻いていて、国際秩序が揺らいでいる。韓国はその間に挟まれて最も大きな影響を受けている。安全保障は韓日米の三角同盟を基盤とし、経済は中国に軸を置きながらだ。さらに徴用被害者問題など日本との過去をめぐる葛藤が経済に広がり、最悪の地政学的危機に陥っている。
この荒波に巻き込まれた韓日の財界人が「未来設計(Shaping the Future)」をテーマに6-8日に開催された「東京フォーラム2019」で会った。討論には韓国・日本・米国・中国の専門家150人が参加した。崔鍾賢(チェ・ジョンヒョン)学術財団理事長であり同フォーラムを組織した崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長と李洪九(イ・ホング)元首相をはじめ、孫正義ソフトバンク会長、馬雲アリババ創業者、中西宏明日本経済人連合会(経団連)会長など韓日両国の財界のリーダーが含まれた。
辛東彬(シン・ドンビン、重光昭夫)ロッテグループ会長と李夏慶(イ・ハギョン)中央日報主筆は行事場所の東京大安田講堂で会い、両国を代表する財界人が積極的な協力の必要性を強調したのは、韓日首脳会談(24日と予想)に良いメッセージになるという意見で一致した。
まず「21世紀の北東アジア地政学の挑戦と機会」をテーマに開かれた国際関係セッションでは、米中討論者が国際秩序をめぐって観点の違いを表し、韓日討論者は過去から抜け出して未来志向的な協力関係を構築しようという方向で意見を述べた。北朝鮮の核問題に関しては韓半島(朝鮮半島)非核化を前提に解決すべきだという見解が多かった。「米朝対話が決裂して非核化が実現せず、ブラッディ・ノーズ(Bloody Nose、鼻血)に向かったり韓日の核武装につながったりするのだろうか」という司会者の質問(朴仁国崔鍾賢学術院院長)に対する回答だった。
フォーラムには約1000人の聴衆が集まった。討論者の意見を紹介する。
▼エドウィン・フュルナー・ヘリテージ財団理事長=韓日両国は米国を中心に近づくべきだ。トランプ米大統領が在韓米軍防衛費として50億ドルを要求したのは分担金交渉のためであり、在韓米軍撤収の意図ではない。
▼ジョン・ハムレ米戦略国際問題研究所(CSIS)所長=アジアは米国にとって最も重要な戦略的な舞台になった。中国の影響力拡大とロシアの存在感もその背景だ。過去40年間の前向きに中国と交流しようという「ニクソン・キッシンジャー・コンセンサス」はもう終わった。特に経済分野で中国の挑戦が強まり、米国を脅かすほど攻撃的であることを知っている。
▼チャンウィンリン中国社会科学院地域安保研究センター長=中国の急浮上が国際秩序を変えている。中米競争は平和的に対話して協力する戦略的な接近が要求される。過去とは違い核兵器が登場し、どちらも戦争で問題を解決できない時代になったからだ。北東アジア3カ国間の複雑な問題と北核イシューもこのような脈絡で解決しなければいけない。
▼尹永寬(ユン・ヨングァン)元外交部長官=現在の国際秩序は、国際社会を導いていくリーダーシップがない「キンドルバーガー・ジレンマ」が懸念される。1930年代の大恐慌と第2次世界大戦はグローバルリーダーシップの空白状態で起き、世界は今もそのような状況に直面している。米国は疲れて、中国はまだ責任感がない。この渦中に浮上した北朝鮮の核問題は段階的に事態を解決するスモールディールが最も効果的な解決法であり得る。粘り強く非核化努力をしていくしかない。
▼藤崎一郎元駐米日本大使=中国が米国のライバルになり、緊張感が高まっている。北朝鮮の核は現状態の凍結ではなく「CVID」(完全で検証可能かつ不可逆的な非核化)にならなければいけない。
「韓日経済交流と未来の協力案」をテーマに開かれたビジネス特別セッションでは未来志向的な協力案が出てきた。半導体、第5世代移動通信(5G)、液化天然ガス(LNG)、3カ国共同進出など韓日企業が協力すれば、シナジーを出すことが多いことが確認された。崔泰源会長は「こうしたアイデアを実行する協力機構としてフューチャーファウンデーション(Future Foundation=未来財団)を作ろう」と提案した。共に解決策を見いだし、お互いを理解し、信頼を構築していこうという要旨だった。地政学的な危機を「状況学的協力」で解決しようという趣旨だ。両国生存のための運命的な選択だ。討論は「韓日関係を越えてグローバルな観点で議論することが重要だ」という司会者(小倉和男元駐韓日本大使)の提案で幅広く行われた。
▼キム・ユン韓日経済協会会長(三養ホールディングス会長)=財界人には一貫性・透明性・予測の可能性が非常に重要だ。こうした状況で葛藤が続き、韓日両国貿易も減少している。その結果、素材・部品・装備のグローバル供給網が脅かされている。両国企業は今までお互い協力し、善意の競争をして共存共栄する道を歩いてきた。もう理念や総論から抜け出し、一日も早く現実を基づいて協力する関係に戻らなければいけない。まず第3国共同進出を提案する。リスクを最小化し、強みを最大化することができる。三養社と三菱商事がパキスタンでしたポリエステル合作事業など成功事例も多い。
▼中西宏明経団連会長=韓国企業が成長し、グローバル供給網が韓国・日本にとどまらずグローバル経済につながった。両国の政治がどうなってもビジネスは常に協力関係を通じて発展できるという点を見せている。ところが、作れば売れる時代ではなく、お互いが共有・分業してこそ成長できる新しい時代がきた。特に少子高齢化の問題が深刻だ。消費者の観点で新しい価値観によって市場が大きく成長する世界へと変わっている。このような変化に対応しなければいけない。
韓日経済協力が「両国生存ための運命的選択」(2)
この荒波に巻き込まれた韓日の財界人が「未来設計(Shaping the Future)」をテーマに6-8日に開催された「東京フォーラム2019」で会った。討論には韓国・日本・米国・中国の専門家150人が参加した。崔鍾賢(チェ・ジョンヒョン)学術財団理事長であり同フォーラムを組織した崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長と李洪九(イ・ホング)元首相をはじめ、孫正義ソフトバンク会長、馬雲アリババ創業者、中西宏明日本経済人連合会(経団連)会長など韓日両国の財界のリーダーが含まれた。
辛東彬(シン・ドンビン、重光昭夫)ロッテグループ会長と李夏慶(イ・ハギョン)中央日報主筆は行事場所の東京大安田講堂で会い、両国を代表する財界人が積極的な協力の必要性を強調したのは、韓日首脳会談(24日と予想)に良いメッセージになるという意見で一致した。
まず「21世紀の北東アジア地政学の挑戦と機会」をテーマに開かれた国際関係セッションでは、米中討論者が国際秩序をめぐって観点の違いを表し、韓日討論者は過去から抜け出して未来志向的な協力関係を構築しようという方向で意見を述べた。北朝鮮の核問題に関しては韓半島(朝鮮半島)非核化を前提に解決すべきだという見解が多かった。「米朝対話が決裂して非核化が実現せず、ブラッディ・ノーズ(Bloody Nose、鼻血)に向かったり韓日の核武装につながったりするのだろうか」という司会者の質問(朴仁国崔鍾賢学術院院長)に対する回答だった。
フォーラムには約1000人の聴衆が集まった。討論者の意見を紹介する。
▼エドウィン・フュルナー・ヘリテージ財団理事長=韓日両国は米国を中心に近づくべきだ。トランプ米大統領が在韓米軍防衛費として50億ドルを要求したのは分担金交渉のためであり、在韓米軍撤収の意図ではない。
▼ジョン・ハムレ米戦略国際問題研究所(CSIS)所長=アジアは米国にとって最も重要な戦略的な舞台になった。中国の影響力拡大とロシアの存在感もその背景だ。過去40年間の前向きに中国と交流しようという「ニクソン・キッシンジャー・コンセンサス」はもう終わった。特に経済分野で中国の挑戦が強まり、米国を脅かすほど攻撃的であることを知っている。
▼チャンウィンリン中国社会科学院地域安保研究センター長=中国の急浮上が国際秩序を変えている。中米競争は平和的に対話して協力する戦略的な接近が要求される。過去とは違い核兵器が登場し、どちらも戦争で問題を解決できない時代になったからだ。北東アジア3カ国間の複雑な問題と北核イシューもこのような脈絡で解決しなければいけない。
▼尹永寬(ユン・ヨングァン)元外交部長官=現在の国際秩序は、国際社会を導いていくリーダーシップがない「キンドルバーガー・ジレンマ」が懸念される。1930年代の大恐慌と第2次世界大戦はグローバルリーダーシップの空白状態で起き、世界は今もそのような状況に直面している。米国は疲れて、中国はまだ責任感がない。この渦中に浮上した北朝鮮の核問題は段階的に事態を解決するスモールディールが最も効果的な解決法であり得る。粘り強く非核化努力をしていくしかない。
▼藤崎一郎元駐米日本大使=中国が米国のライバルになり、緊張感が高まっている。北朝鮮の核は現状態の凍結ではなく「CVID」(完全で検証可能かつ不可逆的な非核化)にならなければいけない。
「韓日経済交流と未来の協力案」をテーマに開かれたビジネス特別セッションでは未来志向的な協力案が出てきた。半導体、第5世代移動通信(5G)、液化天然ガス(LNG)、3カ国共同進出など韓日企業が協力すれば、シナジーを出すことが多いことが確認された。崔泰源会長は「こうしたアイデアを実行する協力機構としてフューチャーファウンデーション(Future Foundation=未来財団)を作ろう」と提案した。共に解決策を見いだし、お互いを理解し、信頼を構築していこうという要旨だった。地政学的な危機を「状況学的協力」で解決しようという趣旨だ。両国生存のための運命的な選択だ。討論は「韓日関係を越えてグローバルな観点で議論することが重要だ」という司会者(小倉和男元駐韓日本大使)の提案で幅広く行われた。
▼キム・ユン韓日経済協会会長(三養ホールディングス会長)=財界人には一貫性・透明性・予測の可能性が非常に重要だ。こうした状況で葛藤が続き、韓日両国貿易も減少している。その結果、素材・部品・装備のグローバル供給網が脅かされている。両国企業は今までお互い協力し、善意の競争をして共存共栄する道を歩いてきた。もう理念や総論から抜け出し、一日も早く現実を基づいて協力する関係に戻らなければいけない。まず第3国共同進出を提案する。リスクを最小化し、強みを最大化することができる。三養社と三菱商事がパキスタンでしたポリエステル合作事業など成功事例も多い。
▼中西宏明経団連会長=韓国企業が成長し、グローバル供給網が韓国・日本にとどまらずグローバル経済につながった。両国の政治がどうなってもビジネスは常に協力関係を通じて発展できるという点を見せている。ところが、作れば売れる時代ではなく、お互いが共有・分業してこそ成長できる新しい時代がきた。特に少子高齢化の問題が深刻だ。消費者の観点で新しい価値観によって市場が大きく成長する世界へと変わっている。このような変化に対応しなければいけない。
韓日経済協力が「両国生存ための運命的選択」(2)
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