脱北漁民の強制・秘密北送は疑惑だらけの非常識措置だ。当局は正当な処理だと強弁しているが、次々に明るみになる疑問と真相はこのような主張を色褪せさせている。そのうえ、金錬鐵(キム・ヨンチョル)統一部長官が今月8日の国会で北送漁民2人の陳述をゆがめたとみられる発言をした事実が知らされて波紋はさらに大きくなっている。金長官はこの日、国会予算決算特別委員会に出席し、漁民の脱北過程を説明して「(彼らは)尋問を受ける過程でいろいろ相反した陳述もあったが、『死んでも戻る』という供述も明らかにしていた」と主張した。だが「死んでも祖国(北朝鮮)に戻る」という話は、海上殺人事件後、金策(キムチェク)港に戻る途中に自分たちの間で話していた内容だという。事件を犯した後、逃避資金を用意するために金策港に戻ろうという意味だったという。
このような報道が事実なら、金長官が8日に明らかにした内容と完全に違った話となる。金長官は彼らの過去の対話を引用し、まるで北朝鮮漁民が帰還を望んだような印象を匂わした。強制北還を本人の希望事項にすり替えて正当化したのだ。だが、統一部側の要人を引用した報道内容は完全に違った。漁民はずっと「亡命する」という考えだだけを明らかにし、調査過程で「死んでも戻る」という話はしたことが全くなかったという。
彼らが本当に戻る意向がなかったのに強制北送したとすれば、これは彼らを死に追いやったということができる。しかも韓国は拷問危険国への追放や引き渡しを禁じる難民協約に加入した国だ。統一部は報道資料を通じて、金長官が前日の7日に開かれた統一外交通商委員会では十分に答えたとし「ウソ報道は事実と違う」と説明している。だが、金長官が翌日の予算決算特別委員会では誤解が生じるような話をしたのは事実だ。金長官がたとえ勘違いをしていたとしても、統一部長官がこのように敏感な事実関係を間違えているということは非常に深刻なことだ。もしわざとそうしたとするならば、もちろん全国を欺こうとする重大な犯罪だ。
今回の事件は世間に知られるようになった経緯から処理内容に至るまで、あらゆる疑問に包まれている。狭い木船の中で北朝鮮で捕えられた1人を含めて合計3人が、16人をそんなに簡単に殺害することができるのか信じられない。また、2日間の調査の後、追放を急いだのも非常識だ。現役中領(中佐に相当)が命令系統を無視して青瓦台(チョンワデ、大統領府)に追放関連事実を直報告するのも有り得ないことだ。これだから北朝鮮の顔色を伺っているのではないかという批判が出てくるのではないだろうか。
北核問題がなかなか前に進まない状況で、韓国政府が北朝鮮の言いなりになっているという話が出てくる今日このごろだ。今後も脱北民に対して北朝鮮が重犯罪者だと主張すれば何の反論もせずに送り返すつもりなのか。国民の不信と低姿勢の北朝鮮政策という批判を解消するためにも、正確な真相と徹底した疑惑糾明が切実だ。
このような報道が事実なら、金長官が8日に明らかにした内容と完全に違った話となる。金長官は彼らの過去の対話を引用し、まるで北朝鮮漁民が帰還を望んだような印象を匂わした。強制北還を本人の希望事項にすり替えて正当化したのだ。だが、統一部側の要人を引用した報道内容は完全に違った。漁民はずっと「亡命する」という考えだだけを明らかにし、調査過程で「死んでも戻る」という話はしたことが全くなかったという。
彼らが本当に戻る意向がなかったのに強制北送したとすれば、これは彼らを死に追いやったということができる。しかも韓国は拷問危険国への追放や引き渡しを禁じる難民協約に加入した国だ。統一部は報道資料を通じて、金長官が前日の7日に開かれた統一外交通商委員会では十分に答えたとし「ウソ報道は事実と違う」と説明している。だが、金長官が翌日の予算決算特別委員会では誤解が生じるような話をしたのは事実だ。金長官がたとえ勘違いをしていたとしても、統一部長官がこのように敏感な事実関係を間違えているということは非常に深刻なことだ。もしわざとそうしたとするならば、もちろん全国を欺こうとする重大な犯罪だ。
今回の事件は世間に知られるようになった経緯から処理内容に至るまで、あらゆる疑問に包まれている。狭い木船の中で北朝鮮で捕えられた1人を含めて合計3人が、16人をそんなに簡単に殺害することができるのか信じられない。また、2日間の調査の後、追放を急いだのも非常識だ。現役中領(中佐に相当)が命令系統を無視して青瓦台(チョンワデ、大統領府)に追放関連事実を直報告するのも有り得ないことだ。これだから北朝鮮の顔色を伺っているのではないかという批判が出てくるのではないだろうか。
北核問題がなかなか前に進まない状況で、韓国政府が北朝鮮の言いなりになっているという話が出てくる今日このごろだ。今後も脱北民に対して北朝鮮が重犯罪者だと主張すれば何の反論もせずに送り返すつもりなのか。国民の不信と低姿勢の北朝鮮政策という批判を解消するためにも、正確な真相と徹底した疑惑糾明が切実だ。
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